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JAXAと東京大学、河川の流量や氾濫域を推定・予測できるシステムが氾濫の危険を30時間以上前に予測できていたことを確認

昨今頻発する洪水被害の軽減を目的に、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構地球観測研究センターと国立大学法人東京大学生産技術研究所の共同研究グループは、日本中の河川の流量や氾濫域を推定・予測できるシステム「Today's Earth – Japan」(以下、TE-Japan)を開発・運用してきた。今回、2019年に多数の洪水被害を起こした台風19号(Hagibis)の事例についてTE-Japanでの予測実験結果を検証することで、実際の堤防決壊地点142箇所中130箇所(捕捉率約91%)において、決壊の30時間以上前から警戒情報を出すことができていたことを確認したと発表。本成果は英国ネイチャー・リサーチ社が発行するオンライン学術雑誌「Scientific Reports」(2021年5月13日発行、11巻,10213)に掲載されたとのことだ。
世界の自然災害による経済被害額の年平均値において、洪水は全被害額の約5分の1を占めるとされ、地震と同程度となっている。日本においても近年毎年のように洪水によって大きな被害が出ており、洪水による被害を軽減することが世界中で極めて重要かつ喫緊の課題だ。現在、国が行っている洪水予報は、正確である分、リードタイムが6時間程度(洪水発生予測時刻の6時間前に公表)となっている。TE-Japanでは30時間以上前から予測可能なことから、洪水前の避難だけではない様々な防災ニーズに合わせた情報提供の可能性があるという。

現在、日本では気象業務法により気象庁以外による洪水予報は許可されていないが、研究目的に限っての予報は許容されており、TE-Japanの予測データは内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)第二期の研究課題の1つである「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」で構築する災害発生場所推定システムや、東京大学との委託研究の枠組みに協力機関として参加している機関(公共メディア、地方自治体等)に対し、試験的に情報提供を行っている。また、2021年より開催されている「洪水及び土砂災害の予報のあり方に関する検討会」において、本研究を含む近年の技術開発を背景に、洪水予測の情報発信のあり方が見直されてきており、今後国の機関以外による洪水予報の可能性が期待されるとのことだ。
出典元:プレスリリース
台風19号によって決壊した堤防の位置と、その決壊箇所に対する「アラート」の有無を示した図。

○印(全80箇所)は「アラート」有りかつ決壊時刻の記録のある決壊箇所で、丸の大きさでリードタイムの長さを示している。
□印(全50箇所)は「アラート」有りかつ決壊時刻の記録のない決壊箇所を示す。+印(全4箇所)は「アラート」無しかつ決壊時刻のある決壊箇所、◇印(全8箇所)は「アラート」無しかつ決壊時刻のない決壊箇所を示す。

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