AIが道路の路面状況を判定し維持管理を支援する「Road Damage Detection」が無料開放を開始

映像解析AIプラットフォーム「SCORER(スコアラー)」を運営するフューチャースタンダードは、道路の路面状況をAIで判定する「Road Damage Detection」アルゴリズムを2021年8月2日から無料開放すると発表した。

■道路保全の社会課題

安心・安全な交通を守るためには道路の維持修繕は必要不可欠な要素となる。特に昨今は事故が起きてからの「事後保全」ではなく、軽微な損傷のうちに修繕を行う「予防保全」がSDGsの観点からも重要とされているという。一方で、財政面の制約も大きく常に軽微な損傷を発見することは非常に困難であるとされている。国土交通省によると道路の維持管理・更新費は年度辺り2兆円を超えるとされており、「予防保全」の積極的な推進を行っているとのことだ。

■SCORERを活用した道路破損箇所の特定

フューチャースタンダードでは軽微な損傷のうちに早期発見・早期修繕を行い、持続可能な社会作りを支援する目的でSCORER Cloud上で機能するAIアルゴリズム「Road Damage Detection」を無料で利用可能とする。これにより映像解析AIの利用範囲を拡大し、より効率的な公共インフラモニタリングの実現に協力するとのことだ。

■Road Damage Detection について

スマートフォンや小型カメラなどで撮影された動画をAIアルゴリズムにより解析し、破損箇所を検出・特定する。損傷個所のスナップショットとログデータから撮影地点=破損箇所を特定することができ、静止画および動画での目視確認もできるため修繕優先順位の判断も可能となる。なお、このAIアルゴリズムは既に実証実験で利用されており、月間7万件超の解析実績を有しているという。破損箇所と工事によって発生した線(継ぎ目)を分けて検知し、横断歩道などの舗装のかすれも検出することができる。これにより効率的に修繕の優先順位付けを行うことができるとのことだ。

<サンプル① 軽微な亀裂の検知>
出典元:プレスリリース
<サンプル② 工事の継ぎ目>
出典元:プレスリリース
<サンプル③ 舗装のかすれ>
出典元:プレスリリース
・Road Damage Detectionの検出パターン
縦方向の直線的な亀裂(破損)
道路工事によって生じた縦方向の線(破損ではない)
横方向の直線的な亀裂(破損)
道路工事によって生じた横方向の線(破損ではない)
平面的に広がっている亀裂(やや重大な破損)
陥没などの損傷(重大な破損)
車線のかすれ(破損)
横断歩道のかすれ(破損)
・Road Damage Detection のアウトプット
ログデータファイル(テキスト)
スナップショット(検知箇所)
・利用料
無料

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