AIを活用してアニメ背景を生成する「Anime Art Painter」がリリース

株式会社ラディウス・ファイブ(以下、RADIUS5)は、Deep Learningを用いてアニメ用の美術背景を生成する新サービス「Anime Art Painter(アニメ アート ペインター)」をリリースしたと発表した。

■開発の背景

RADIUS5は「人の創造性を最大化する」をビジョンに掲げて、クリエイティブやエンタメに関連するAIを提供するスタートアップ企業。これまで、漫画家のために線画を生成するAIやゲーム業界のためにキャラクターを生成するAI、アニメ業界のために映像を高画質に変換するAIなど、エンタメ業界の課題を解決するために様々なAIを開発してきた。

今回リリースしたAnime Art Painterは、制作工数が逼迫するアニメ業界で活用されることを目的に開発したAI。現在アニメ業界では制作が2年待ちとも言われるほど制作が逼迫しており、特にアニメの背景を描く人材の不足に悩まされているという。背景が出来上がっていないために制作のスケジュールを調整せざるを得なくなったプロジェクトなどもあり、業界全体の大きな課題の一つになっているとのことだ。そのような状況を踏まえて、AIでアニメ制作の課題を解決するために開発したのがAnime Art Painterだ。また、アニメだけではなく、イラストや漫画、ウェブトゥーン、ゲーム、デザイン用途などでの利用も見込んでいるという。

■Anime Art Painter 3つの特徴

(1) 4種類のアニメ調の背景を提供
Anime Art Painterでは、1回のAIの処理で4種類のアニメ調の背景を生成する。最近のアニメによく使われるような水彩調とベタ塗りに近いアニメ調の2種類を生成。さらに、エッジが強調されるようなフィルタ処理をかけて、よりアニメらしい表現に近づけたものを2種類生成し、合計4種類を一度に創り出す。

(2) 30秒で生成
Anime Art Painterは、画像をアップロードしてから約30秒程度でアニメ背景を生成する。Anime Art Painterと同じ背景を制作するために、背景絵師が手書きで描いた場合、一般的には数時間から数十時間の時間がかかるという。また、写真加工ソフトの利用に習熟している人が作業した場合でも30分以上の時間がかかる。Anime Art  Painterは、写真をドラッグアンドドロップして30秒程度待つだけでアニメ風の背景に変換できる。アニメ背景の生成が早いことはもちろんだが、デザイナーでない人でも簡単にアニメ背景を作ることができる。

(3) 圧倒的なコストパフォーマンス
アニメの美術背景をアウトソースすると、一般的には手作業の場合は数日程度の納期と数千円から数万円の予算が必要だという。Anime Art Painterでは、月額無料のエントリープランの場合、480円で4種類のアニメ背景を生成することができる。サブスクリプションに加入している場合は、10クレジットで利用することができ、ライトプランで実質240円、プロプランで実質99円、メガプランで実質80円で利用することができるので、アウトソースと比較すると圧倒的にコストパフォーマンスが高くなるという。

■Anime Art Painterの概要

・技術について
Anime Art PainterはAI技術(Deep Learning)を用いて独自に研究・開発したRADIUS5のオリジナルのサービス。Anime Art Painterは、写真のテクスチャを簡略化し、アニメやイラストに使われるような画風に変換する処理を行っている。単にテクスチャを簡略化するだけでなく、建物、植物、乗り物など物体に応じたテクスチャに変換することができる。また、色合いを調整してエッジを乗せる技術も開発したことでよりアニメらしい表現ができるようになったとのことだ。

・Anime Art Painterの仕様について
出力数 : 4種類
解像度 : 長辺が1920px になるように拡大・縮小して出力する
出力ファイル形式 : PNG
入力ファイル形式 : JPEG, PNG, WEBP, BMP

・Anime Art Painterで美術背景を生成した事例
出典元:プレスリリース
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