博報堂、コンテンツファン消費行動調査をもとにした「リーチ力・支出喚起力ランキング」を発表
2021/9/8
株式会社博報堂DYメディアパートナーズと株式会社博報堂の共同研究プロジェクト「コンテンツビジネスラボ」は、毎年実施している全国調査「コンテンツファン消費行動調査」の2021年版を実施し、そのデータをもとに最新の全11カテゴリ・計1000以上のコンテンツに関する「リーチ力・支出喚起力ランキング」を算出したと発表した。また、カテゴリ別調査レポートの販売を開始した。(調査時期:2021年2月19日~24日、調査対象:全国15~69歳の男女5,000人)
■調査結果の概要
2020年はコロナ禍で、エンタテインメント・イベントの中止が相次ぎ、業界全体が大きな打撃を受けた。しかしながら、本調査の結果から、2020年1年間の生活者のコンテンツへの平均支出金額は67,201円と、前年比で2,629円上昇していることがわかった。
各市場の推計規模(前年比較)
2021年調査における「リーチ力・支出喚起力ランキング」Top20を見ると、新たにランクインしたコンテンツには、昨年の調査結果リリースと同様に、デジタルからアナログまで様々なプラットフォームに生活者との接点が用意されている、という共通点があるという。この傾向は、昨年調査までは音楽コンテンツに強く現れていたが、2021年調査ではアニメコンテンツでも見られるとのことだ。
2021年調査 リーチ力・支出喚起力ランキングTop20
昨年からの大ヒットで、リーチ力・支出喚起力ともに首位にランクインした漫画「鬼滅の刃」は、国内歴代興行収入1位など様々なニュースが話題となるタイミングに、動画サブスクリプションサービスで随時視聴できたことがリーチ力の拡大につながった。同様の動きは、「呪術廻戦」や「新世紀エヴァンゲリオンシリーズ」など他のランクインコンテンツにも見られるという。また、アニメ視聴、原作漫画に留まらず、公式ファンブックや公式画集といった書籍販売、各種コラボグッズの展開といったフィジカルの接点を充実させている点は「YOASOBI」とも共通している。
さらに、「ドラえもん」、「クレヨンしんちゃん」などの長寿コンテンツが、リーチ力に新たにランクイン。これも動画サブスクリプションサービスで視聴できる環境が存在したことが大きく影響しており、コロナ禍でコンテンツ利用の間口が広がったことで、リーチ力が押し上げられたものと考えられるという。
このように、コンテンツの楽しみ方、支出先もコロナ禍を機に一気に広がりを見せており、デジタルプラットフォームを核にしたコンテンツは、ジャンルを問わずますます加速していくことが予想される。同時に、デジタルの接点だけでなく、パッケージ市場(CDや本、DVD等)や関連グッズ市場、雑誌・書籍市場といったフィジカルの接点も伸長しており、デジタルとフィジカルの両方の接点を織り交ぜたコンテンツが、今後さらに求められていくことになるとのことだ。