TSIホールディングス、AIを活用し物流管理部門スタッフがECの出荷量を予測

株式会社aiforce solutions (以下、aiforce)は、ナノ・ユニバースなど多くのアパレル事業を展開する株式会社TSIホールディングス(以下、TSI社)の現場におけるビジネスAI活用を支援しており、最初の取り組みとして物流管理部門におけるEC出荷量予測(SANEI bd)を行うAIモデル構築が完了したため、その取り組みを発表した。

出典元:プレスリリース
TSI社の「AIを活用した現場主導のDX」に向けた取り組みをaiforceが支援。まずは物流管理を担う部門にてAI活用の第一歩を支援するオールインワンパッケージ「AMATERAS DXサクセス」を導入して本取り組みを実施。

1.知識・技術習得から実践までを3ヶ月で実現する「AMATERAS DXサクセス」を採用
・実践型AIトレーニング「AMATERAS EDU」でAIをビジネスに適用するための基礎知識を習得
・ノーコードで使えるAIツール「AMATERAS RAY」を活用し、AI未経験者でもモデル構築を実践
・実際の現場課題を解決するAIテーマを1つ選定し、プロのデータサイエンティストの支援を受けながら実際にAIモデルを構築

2.AI未経験の物流管理部門スタッフが自身でAIモデル構築可能に
・新型コロナウイルス感染症の影響で手作業では予測が困難となっていたECの出荷量に着目しAIテーマに選定、第一の対象ブランドをSANEI bdに決定
・プロとのディスカッションを通じて現場課題を明確化し、解決に向けたAIアプローチを策定
・AIモデル構築の過程を一緒に体験することで、3ヶ月でプロと同等の予測モデル構築が可能に

3.通販のトランザクション量予測において精度が約25ポイント改善
・本取り組みで構築した予測モデルにより実際の出荷量と予測値の誤差率は16.8%となり、従来の手作業による予測誤差42.0%から25.2ポイント改善
・予測精度が改善したことで倉庫における人員配置の最適化を実現、さらに日々の予測をAIで自動化することで手作業での予測に費やしていた工数を80%削減できる見込み
・今回構築した予測モデルを参考に、今後は別ブランド・別倉庫でも手作業の予測をAIで置き換える取り組みを現場スタッフ自身で実施していく予定
出典元:プレスリリース
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■TSI社 取り組みの背景

全社をあげて推進しているデジタル化の一環として、AI活用による現場主導のDXに向けた取り組みを開始。従来は出荷量予測を手作業で行っていたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けECが急速に拡大し予測が困難になったという。その影響で出荷量予測をもとにしていた倉庫の人員配置を正確に行えず、人員の過不足が発生していた。この課題をAIで解決すべく第一のテーマとし、同事業の物流管理を担う現場スタッフをメンバーとしてプロジェクトを発足したとのことだ。

■AMATERAS DXサクセス採用の理由

TSI社は今後スピード感を持って現場の課題解決を図れるよう、現場スタッフ自身でAIモデル構築ができることを志向しており、この方向性にマッチしていた「AMATERAS DXサクセス」を採用したとのことだ。

選定のポイント
1. ノーコードAIツール「AMATERAS RAY」は、UIが使いやすく、精度も高かったことから、現場で最も高い評価を得た。
2. 「AMATERAS DXサクセス」ならば、知識・技術習得から実践までをシームレスにサポートしてもらえるため、AI経験のないメンバーでも成果を上げられるまでに成長するイメージを持つことができた。
3. 他社と比べ低コストであり、長期的に見ても十分にROIを見込むことができた。

■取り組みの内容

最初の取り組みとして、実践型AIトレーニング「AMATERAS EDU」を全プロジェクトメンバーに向けて実施。「ビジネスにおいてAIをどのように使うか」に焦点を当てたプログラムとなっており、AIの基礎知識を学習するとともに、ハンズオン型の演習を通じて実際にAIモデル構築も体験。知識・技術習得後、ECの出荷量予測をテーマとして実証実験を開始。「倉庫の人的配置を最適化するためには何日前に出荷量を予測する必要があるのか」、「初回はどの拠点・ブランドを対象とするのか」、「予測に必要となるデータをどのように作るか」などについて現場スタッフとプロのデータサイエンティストがディスカッションし、AIでの課題解決アプローチを具体化。その後、データサイエンティストにてAMATERAS RAYを使ってAIモデルを構築し、現状の誤差率を約25ポイント上回る予測を実現した。そのモデル構築の手順をスキルトランスファーすることで、現場スタッフ自身がAMATERAS RAYを使って同等精度のAIモデルを構築することができるようになった。現場でのAI活用の自立が見えてきたことから、2021年8月以降は、現場スタッフ自身で他拠点・他ブランドへの横展開、及び他テーマでのAI活用を予定しているとのことだ。

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