2020年より、凸版印刷とNeUは、顧客向けのクリエイティブに対する、実際の脳活動の見える化技術「fNIRS」やアイトラッキングをはじめとした人間の生体信号反応を計測し、どういうデザインが「興味をひきやすいか」「好ましいか」などを認知脳科学の視点から共同研究するプロジェクトを進めてきた。本サービスは、クリエイティブを見たときの各種生体信号を計測し、定量的なスコアとして評価することで、従来の調査手法である主観アンケートだけでは見えなかった潜在的な情報を得ることが可能な調査手法だ。現在、「ニューロデザイン」は、目的に応じた評価指標として、「興味」「記憶」「注目」「好ましさ」「読みやすさ」などのスコア化を可能としており、今後も研究開発を継続し、指標を拡大する予定だという。また、「好ましさ」「読みやすさ」の指標については、本プロジェクトで取得した6,000以上の生体信号データからの機械学習により、クリエイティブ評価AI指標として新たに開発・実用化したものとなる。
近年、インターネットをはじめとした様々なメディアの普及に伴い、広告や宣伝などのクリエイティブが世の中に氾濫している。デザイン制作会社やクリエイターは、より一層の「消費者に選ばれる」効果的なデザイン制作が求められている。そのような課題を解決するため、凸版印刷の持つクリエイティブ制作ノウハウと、東北大学発の脳科学ベンチャーであるNeUの知見と技術をもとに「より消費者の興味を喚起するデザインとは何か?」「より好まれるデザインとは何か?」など、認知脳科学の見地からクリエイティブ・企画を科学的に検討して定量化し、顧客にとって最適なデザイン開発手法を構築している。
・クリエイティブを定量化する独自の評価指標
2020年から6,000サンプル以上のデータを取得し、その情報を基にニューロデザイン評価指標を開発した。目的に合わせ、「興味」「記憶」「注目度」などを評価することが可能だ。
・生体指標データの機械学習による、広告評価AIモデルの開発
共同研究から得られた6,000以上の生体指標データをもとに、機械学習により「好ましさ」「読みやすさ」の予測AIモデルを作成。特に「好ましさ」モデルは、現時点での予測精度(正答率)が80%に近いモデルとなる。
・分析だけではなく、クリエイティブ制作まで
分析業務だけではなく、共同研究から得た成果と、凸版印刷が持つ「見せる」「読ませる」などユニバーサルデザインの制作ノウハウを活かしたクリエイティブの改善も提案が可能だ。