日立、AIやドローンを活用した原料ヤード向け在庫管理システムのクラウドサービスを提供開始
2021/12/2
株式会社日立製作所(以下、日立)は、電力事業者や製鉄事業者など向けに、鉄鉱石などの原料を船から荷揚げし山積み保管する、広大な原料ヤード(置き場)において、ドローンを活用して高効率な在庫管理を支援するクラウドサービスを開発し、2021年12月2日から提供を開始すると発表した。
Contents
■背景
近年、ドローンの社会実装が進み、あらゆる分野においてドローン活用による業務効率の向上が期待されている。日立は、防衛向けの無人機事業からはじまり、安全な活用・普及に向けた政策提言のほか、設備点検や物流など幅広い業種の顧客との豊富な実証を行うなど、ドローンの利活用推進に向けた活動を進めてきた。原料ヤードにおける在庫管理への応用についても、これまで、デジタルイノベーションを加速するLumadaのユースケースとして、電力・製鉄業界などのフィールドでの実証を進め、今回、本格的にサービス化を行ったとのことだ。
■今回提供開始するサービスの特長
本サービスでは、原料ヤードを上空から撮影してクラウド上に画像データを蓄積し、画像データをもとにクラウド上でパイルの三次元データを生成する。また、三次元データからパイルの位置を自動で認識して体積を算出するとともに、パイルごとの在庫量や空きスペース、形状といった在庫情報を自動で計測する。ノイズを自動除去する機能も備え、計測時に原料の払い出しを行う機材であるリクレーマなどの一部が空撮に入り込んだ場合にも、該当部分を除去して数cm単位での解像度で対象をとらえることが可能なため、高精度なパイル体積の算出が可能だ。さらに、生成された三次元データから、パイルごとの原料銘柄や重量などが記載された帳票をCSV形式で出力することができ、従来、手入力で行っていた帳票化を自動化し、業務負荷の軽減や在庫管理の効率化を支援する。
ヤードマップ上に、顧客の業種・業務に適した情報の表示や原料の銘柄情報を登録する機能などを備え、原料ヤードの管理業務に特化したユーザーインターフェースを有している。本機能により、日々の業務で必要となるヤードマップや在庫情報をデータ化し、原料調達部門などの関連部署と円滑な情報共有を可能とするほか、蓄積したデータから、ヤードの運用効率性や累計の原料滞留時間などを可視化し、業務の高度化を図ることができる。