社債投資の「Siiibo証券」、マーケティング・機能拡充の加速のため約5.5億円のシリーズB資金調達を実施

Siiibo証券株式会社は、約5.5億円のシリーズB資金調達を実施したと発表した。DNX Venturesを本ラウンドのリード投資家とし、新規投資家のAngel Bridge、既存投資家の千葉道場ファンドを第三者割当増資の引受先とした。これにより累計資金調達額は約10億円となった。

■調達の背景

・Siiibo証券の概要
「自由・透明・公正な直接金融を創造する」をミッションに掲げ、社債というシンプルな金融商品を世に広めることを目指している証券会社だ。社債に特化したネット証券として、オンラインでの社債の発行・購入が可能なプラットフォーム「Siiibo」を運営している。「Siiibo」では投資家向けに企業情報閲覧・社債購入管理サービスを、企業向けにIR掲載・社債発行サポートを提供中だ。

社債とは、企業にとっては、発行条件や資金使途を柔軟に設計可能な自由度のある調達手法だ。また、投資家と直接繋がれることから、資金調達を契機に発展的な関係構築を行える可能性がある。一方で、投資家にとっては、基本的に購入時に決められた利率と期間によって運用される投資商品のため、比較的リスク・リターンが明確な選択肢になる。また、利子に対しては分離課税が適用される。企業から直接社債を購入できるため、間に入る事業者のリスクを取る必要がない、という特徴もあるとのことだ。

社債自体は伝統的な金融商品だが、これまでは購入可能な投資家も活用可能な企業も限定されていたのが実態だったという。いま、株式市場をはじめ様々なマーケットが民主化され、オンラインによってこれまで出会えなかった人々が繋がれるようになったことで、同社は社債の自由度や透明性を最大限引き出し、公正な信用市場を創り出そうとしているとのことだ。

・これまでの実績
同社は本年3月に第一種金融商品取引業の登録を行い、証券会社としての営業を開始した。社債の発行実績として、途上国において事業向け小口金融サービス(マイクロファイナンス)を展開する五常・アンド・カンパニー株式会社、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「カウカモ」を提供する株式会社ツクルバ、プロ卓球リーグ所属クラブチーム「琉球アスティーダ」の運営を核としたスポーツビジネスを展開する琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社といった企業の私募の取扱いを行ってきた。こうした発行実績においても、同社サービスを利用することで、企業の魅力を広く発信する新たな手段として、そして投資家にとっては企業を応援しながら利息を得られる新しい選択肢として活用されているとのことだ。

・日本における投資を取り巻く環境
昨今においては、オンラインでの資産運用サービスの選択肢が増え、若い世代にも広まっている。新しい投資商品や長期運用手法に注目が集まると同時に、雇用・経済や投資環境の不確実性が高い分、分散投資・インカムゲイン型(保有することで継続的に一定の利益を得る)投資の重要性もますます唱えられている状況だという。定量的に見ても、オンラインでの資産運用サービスのトレンドとして、2017年から2020年にかけて、証券会社におけるインターネット取引の売買代金は約51%増加しているとのことだ。

■調達の目的

今回の増資による主な資金使途は、一層多くの投資家に社債投資をより身近に行われるためのマーケティング費用及びオンラインプラットフォーム「Siiibo」の機能拡充の加速だという。多様なリスク選好度の投資家ニーズに応えられるよう、上場・未上場共に発行企業のバリエーションを増やしていき、社債の調達実績を一層積み上げていくことで、新しい投資市場の拡大に貢献する。また、幅広い投資家にとってより良い投資経験を提供するため、企業の検索性向上や提供情報の充実を中心にUI/UX改善を継続する。これにより、一金融商品・一金融サービスにとどまらない、「自由・透明・公正な直接金融を創造する」というミッションの実現に取り組むとのことだ。

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