SmartHR、株式報酬の発行・管理・行使などの効率化を目指す新会社「Nstock株式会社」を設立

株式会社SmartHRは、新会社「Nstock(エヌストック)株式会社」を設立したと発表した。Nstockの代表取締役には、SmartHR取締役ファウンダー宮田 昇始氏が就任する。

Nstockは、株式報酬の発行・管理・行使などを効率化するクラウド型ソフトウェア「Nstock」の開発・運営を予定している。宮田氏のSmartHRで培った株式報酬に関する経験やノウハウを開発・運営に活かし、日本のスタートアップ業界のさらなる活性化を目指す。また、SmartHRが提供するクラウド人事労務ソフト「SmartHR」とも、顧客基盤やシステム連携、将来の構想など、多くの事業シナジーを見込んでいるとのことだ。

■「Nstock株式会社」設立の背景

日本国内でも複数のユニコーン企業が誕生し、海外機関投資家が国内の未上場スタートアップに数十億円規模の出資を行うなど、スタートアップの増加、巨大化は大きなトレンドになりつつある。そのスタートアップの成長の鍵を握る1つの要素が、無償の税制適格ストック・オプションや、信託型ストック・オプションといった株式報酬だという。優秀な人材を惹きつけるため、多くのスタートアップがストック・オプション等の株式報酬を活用している。しかし、ストックオプション等の株式報酬の発行や行使の裏側では、従業員と会社の間で大量のペーパーワークが発生しており、スタートアップのバックオフィスにとっては大きな負担になっているという。「担当者が課題を抱えているが、解決策が無い」という、宮田氏がSmartHR事業をスタートしたときに感じた課題と近いこの状況から、着想を得たとのことだ。

また、スタートアップ業界において、ストック・オプションの価値が従業員に十分に伝わっていないケースも散見されるという。従業員のモチベーションやエンゲージメント向上を目的に、経営陣が苦慮の末に発行したストック・オプションが離職防止の効果を得られていないばかりか、​​「株は怖いものだ」という従業員側の先入観から、かえって離職を誘発するきっかけになってしまう場合もあることがスタートアップ経営者へのヒアリングで明らかになったとのことだ。加えて、ストック・オプションはその制度の性質上、創業間もない時期に設計する必要がある。そのため、ストック・オプションの設計に必要な「株式、税制、人事、組織」などの知識や経験に乏しい創業者が、一般的な雛形を踏襲してしまう例も多く見られるという。その結果、市場環境に適さなかったり、従業員が魅力を感じづらい設計になってしまっているという問題が発生するとのことだ。

Nstockは、クラウド型ソフトウェアでペーパーレス化や業務効率化を目指すのはもちろんのこと、ストック・オプションの価値を社員に正しく伝え、スタートアップ業界全体の株式報酬制度自体をアップデートする。それにより、スタートアップ業界に多くの優秀な人材を惹きつけ、業界全体の更なる活性化を目指すとのことだ。

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