マーケティングSaaSスタートアップ「Micoworks」、シリーズAで約12億円の資金調達を実施

Micoworks株式会社は、ALL STAR SAAS FUND、Eight Roads Ventures Japanを引受先として第三者割当増資及び新株予約権付社債により、総額約12億円の資金調達を実施したと発表した。今回の調達により、同社の累計資金調達金額は約20億円となった。

■直近の事業状況

同社は、2019年2月より顧客体験のパーソナライズ化を実現するコミュニケーションプラットフォーム「MicoCloud」を提供している。2021年12月末時点で導入アカウント数は500アカウントを突破、約500万人のエンドユーザーに利用されているという。導入企業はBtoC事業を展開する企業を中心に、美容サロンや学習塾、百貨店や小売業、人材紹介業や不動産業など、幅広い業種への導入実績がある。また、コロナ禍においても急速な事業拡大を実現しており、2021年3月より「MicoCloud」事業に集中し人員拡充や採用強化を行い、サービス提供や開発体制を強化したことなどを背景に、成長率は前年同期比300%超(2021年10-12月期)、直近3ヶ月のサービス継続利用率は99.4%(2021年12月時点)を達成しているとのことだ。
出典元:プレスリリース

■資金調達の背景と今後の展望

従来、人々の連絡手段はメールや電話が中心だったが、スマホの普及により、LINEやInstagramといった複数のアプリを連絡手段として持つことが一般的となり、複雑化している。一方、企業のマーケティングや販促では、メールや電話、チラシやハガキなどで顧客との接点を持ったり、情報発信を行ったりすることが従来のまま続いており、LINEやInstagramなどアプリまでには対応しきれていないのが実情だという。

さらに、個人情報の保護を尊重した新たなマーケティング手法の必要性も世界的に高まっている。これは、プライバシー保護を目的に、ウェブサイト上でユーザーの行動履歴データを収集・活用できる「サードパーティクッキー」の利用を主要各国やGAFAなどのプラットフォーマーが規制を強化し、従来の手法であった顧客のウェブサイト上の行動データを活用した、インターネット広告の配信や販促活動が困難になったためだ。これらから、企業のマーケティングは今後、個人情報の保護を尊重しながら、顧客一人ひとりに合わせた連絡手段で関係性を構築することが重要になっていくと考えられるとのことだ。

同社では、顧客一人ひとりの興味や関心に応じたメッセージを最適なタイミングで届けるコミュニケーションプラットフォーム「MicoCloud」を提供している。現在は、日本及びアジアで普及しているLINEを起点に本サービスの提供を行っているが、将来的には他サービスへの対応や、年代、性別、居住地だけでなく顧客一人ひとりのリアルタイムデータを反映したマーケティング活動をする「ダイナミックセグメンテーション」を活用し、顧客体験のパーソナライゼーションを実現するという。今回の資金調達で、開発体制を増強し、MicoCloudのさらなる機能拡充やEC特化の新規プロダクト開発に注力する。また、セールスやマーケティングへの投資、CxOクラスやマネージャークラスの採用を強化し、中長期的な成長を加速させ、アジアNo.1のプラットフォームとなることを目指すとのことだ。

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