建設業向け3Dスキャンアプリ「Scanat」のnat社、営業体制の整備やエンジニアの採用を目的に総額約8,000万円の資金調達を実施

建設業向け3Dスキャンアプリ「Scanat」を運営するnat株式会社は、ANOBAKA、ユナイテッド、East Venturesを引受先とする総額約8,000万円の第三者割当増資を実施したと発表した。今回の資金調達によって、営業体制の整備やエンジニアの採用を積極的に行うなど、販売とプロダクトの強化に取り組む。

■資金調達の詳細

今回の資金調達では、株式会社ANOBAKA、ユナイテッド株式会社、East Ventures株式会社の三社を引受先とする総額約8,000万円の第三者割当増資を行った。今回の資金調達により、主に営業とエンジニアの採用を強化し、Scanatの販売とプロダクトの強化を図るという。今回の調達により、同社の累計資金調達額は1億円を突破したとのことだ。

■Scanatが解決する課題

日本の建設業は、市場規模が60.9兆円、就業者数は500万人の超巨大マーケットだ。民間工事の受注額は増加傾向にあるが、長時間労働や採用困難などにより、国内の建設現場では人手不足が続いている。建設業は、大手向けの基幹システムや現場管理のデジタル化は少しずつ進んでいる一方で、中小工務店の現場作業については、デジタル化がほとんど浸透されていないのが実情だという。計測作業一つをとっても、複数のスタッフを現場に派遣し、全ての箇所をメジャーなどで1箇所ずつ計測し紙で記録するといった手法が、数十年以上に渡って行われているとのことだ。

また、社内や社外のコミュニケーションにおいても営業、設計、施工の各担当者がFAX、電話、紙、写真など伝統的なツールを用いているが、建設業特有の三次元にわたるイメージを齟齬なく各所に伝えることは難しく、それぞれの担当者が現場に出向かないといけない状況になっているという。「Scanat」では、建設業の現場にスマホに搭載されたLiDARを活用し、現場での調査業務の効率化や顧客体験の向上、人手不足の解消を目指す。「Scanat」を利用することにより、今までの計測作業が大きく短縮されるため、工事のリードタイム短縮や顧客満足度の向上、大幅なコストの削減につながる。また、建設業界としても、トレーニング不要な最新の技術やデバイスを活用することにより、従来アナログな業界イメージを刷新し、若者や女性の採用が容易になり、建設現場における人手不足の解消が期待されるとのことだ。

■Scanatのサービス特徴について

「Scanat」は、手持ちのLiDAR搭載のiPhoneもしくはiPadで対象物をスキャンするだけで、mm単位での計測が可能な高い計測精度を実現したアプリだ。現状、特に見積の作成に必要な現場計測に対し、経験のある現場監督や職人による人力で計測と記録する定型作業に対し、「Scanat」を活用することにより誰でも実施可能になり、スキャンされたモデルをScanatユーザー間でリアルタイムで共有することも可能だ。また、今後作業効率化をさらに改善するために追加の機能開発を予定しているという。手作業や既存ソフトの複雑な操作、大量に作成される紙資料などの既存課題の解決に向けて引き続きバージョンアップしていく予定とのことだ。
出典元:プレスリリース

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