筑波大学とおいしい健康、「2型糖尿病患者を対象とした、スマートフォンアプリによる食事療法」に関する探索的研究を開始

株式会社おいしい健康は、筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科 矢作直也准教授と共同で「2型糖尿病患者を対象とした、スマートフォンアプリによる食事療法」に関する探索的研究を開始したと発表した。

■研究の背景

日本の糖尿病が強く疑われる人は約1,000万人と推定され、糖尿病にかかる年間の医療費も1兆2,236億円にも及ぶという。昨今では、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクと糖尿病の関連について、様々な報告がなされている。また、ステイホーム政策の影響から、生活リズムや活動量が悪化したり、間食・飲酒量が増加したりするなど、糖尿病の発症・重症化リスクにつながりかねない生活環境の変化が急速に生じているとのことだ。

このような中、2型糖尿病患者の治療においては、適切な食事療法を継続的に行うことが引き続き優先度高く求められている。その一方で、約9割の一般診療所では管理栄養士が不在であり、現実には多くの2型糖尿病患者が、十分な食事療法を受けられない状態となっている可能性があるという。

近年では欧米を中心として、2型糖尿病患者の生活管理をスマートフォンアプリを介して実施する試みが拡大してきた。一部のケースでは、治験を実施の上、スマートフォンアプリに対して保険適用がなされるケースも登場している。

以上の状況を鑑み、同社および矢作直也准教授は、AI献立・栄養管理機能を強みとしたスマートフォンアプリ「おいしい健康」を2型糖尿病患者に提供し、それによる食行動の解析と改善、ならびに血糖上昇抑制効果を測定する探索的研究を実施することとなったとのことだ。

■研究の概要

本研究では、筑波大学附属病院の外来患者、おいしい健康のユーザーに加え、つくば市の協力を得て、つくば市に住む糖尿病を治療中の人が参加できる。研究参加者は3ヶ月の間、可能な範囲にて、おいしい健康アプリ内のAIが提案する糖尿病向けレシピや献立を利用する。その後、食事傾向を示すアプリ利用データおよび血糖値・体重といった臨床データを組み合わせ、解析を行う。

なお、本研究の結果は、将来のSaMD開発(Software as a Medical Device:保険適用を受けるスマートフォンアプリ)の基礎データとして活用する計画とのことだ。
出典元:プレスリリース

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