日揮、デジタルツイン構築・運用事業会社「ブラウンリバース株式会社」を設立

日揮ホールディングス株式会社は、国内EPC事業会社である日揮株式会社が、2022年5月10日付で3Dビューワ「INTEGNANCE VR」(有償版)の開発・販売を起点にデジタルツインによる既存設備保全の高度化支援を目的とする新会社「ブラウンリバース株式会社」を設立したと発表した。

■新会社設立の背景と目的

日揮グループは、国内製油所や石油化学・化学プラント向けスマート保全サービスブランドINTEGNANCEの利用拡大に向けて、これまで複数のソリューション提供を企画しテストマーケティングを実施してきた。その1つとして、2021年11月1日に公開した3Dビューア「INTEGNANCE VRプロトタイプ版」では、既存プラント全体を撮影した360°パノラマ写真上にアノテーション(関連データをタグ登録)することで、各機器や部材の相関関係を可視化するいわば「プラント内のストリートビュー」を実現。プラント内のあらゆる情報に視覚的に迅速にアクセスできるため、広大な敷地を保全する実務者の運用・保守業務の大幅な効率化を可能としたとのことだ。

本ビューアの提供に際し、石油精製・石油化学業界を越えた様々な分野の事業主から多くの引き合いがあり、産業界の幅広い分野で安く・早く・簡単に空間をデータ化し、設備情報を重畳する「ファストデジタルツイン」へのニーズが非常に高いことが分かった。日本国内において4千㎡以上の敷地面積を有する約1.2万社7.5万事業所が存在するなかで、アーリーアダプターと呼ばれる初期採用者の理論値(約15%)の半数をとったとしても数千規模での事業所が、本ビューアのサービス提供対象となる可能性を秘めていると想定されるという。

こうしたことから、従来手法の精緻で重厚長大な3D CADベースのデジタルツイン構築と比較して、圧倒的な実装スピードでソリューションを提供し、産業界のDXを牽引することを目的とする事業会社「ブラウンリバース株式会社」を設立し、既存設備保全の高度化を広く支援していくことにしたとのことだ。

ブラウンリバース株式会社は、国内外の産業界へデジタルツインをベースとしたソリューションを開発・提供することで、顧客が抱える課題(人材不足・各種法規対応・設備老朽化による計画外停止の増加など)の解決に貢献することを目指す。その最初の取り組みとして、本年夏を目途にファストデジタルツインを実現する「INTEGNACE VR」(有償版)を石油精製・石油化学のみならず幅広い分野に対して正式公開、販売を行う。そしてこの「INTEGNACE VR」を起点に、顧客のニーズを取り込みながら、これまで日揮グループが培ってきたプラントエンジニアリングの知見を活用して空間データに基づく操業シミュレーションや予知保全などをSaaS(Software as a Service)化し、「INTEGNACE VR」の追加機能として今後開発、サービス展開していくことも見据えているとのことだ。
出典元:プレスリリース

■ブラウンリバース株式会社概要

代表者:金丸 剛久(日揮株式会社 デジタルイノベーション室)
設立日:2022年5月10日
資本金:2.5億円
所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-3 クイーンズタワーB 7階ワークスタイリングみなとみらい
事業概要:デジタルツイン構築・運用等

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