AIが犬の鼻を解析し個体識別するアプリ「Nose ID」がβ版をリリース

株式会社S‘moreは、一頭ずつ異なる犬の鼻の紋様=鼻紋をAIで識別するNoseIDアプリβ版を2022年5月21日にリリースしたと発表した。

鼻をスマホでスキャンするだけで犬を特定、飼い主に連絡ができるようになる。災害時や迷子時等愛犬家と犬の予期せぬ別れを防ぐツールとして期待され、リリース後3週間弱で5,000頭が登録。アプリは無料でダウンロード可能だ。
出典元:プレスリリース
・使い方
飼い主がアプリで犬の鼻の動画を撮影し登録しておくと、発見者が犬の鼻を自身のスマホアプリで撮影することで登録済みの犬を照会できる仕組みだ。鼻紋が一致した場合、発見者と飼い主が個人情報を伏せた状態でメッセージのやり取りもでき迷い犬は即時飼い主の元に戻ることができる。また万が一犬が迷子になった際には周辺エリアのユーザーに通知することができ飼い主やサロン・病院等が迷子探しを手伝う可能性もある。アプリ登録時には、犬の鼻だけでなく生年月日やワクチン接種状況、既往歴、アレルギー、薬、性格等も入力できる。災害時愛犬と離れて避難する場合や、緊急時第三者に預けるケースでは、預かった方が鼻をスキャンするだけで犬の状況が瞬時に確認できるため早い施術に繋がる。
出典元:プレスリリース
・マイクロチップ・迷子札・Nose ID
マイクロチップは迷子犬が最終的に保護された施設で専用リーダーで読み込むため、最後の砦として安心な公助の役割を果たす。NoseIDはその手前で、迷子犬を発見した人や飼い主同士がスマホでより手軽に助け合える互助の役割を担っている。情報を繋げたりコミュニティで助け合い解決していくため、マイクロチップや迷子札とは役割が異なるとのことだ。

・AI学習 鼻紋識別精度
出典元:プレスリリース
鼻紋は人の指紋のように成長しても形が変わらず、犬と同様に鼻紋で個体識別ができる牛ではブランド牛の証明にも使われているという。この個体識別能力に着目し、AIの深層学習(ディープラーニング)を活用し鼻紋を解析することで犬を特定しており、登録が増えれば増えるだけ認証精度が向上する仕組みだ。現在は5,000頭分の鼻紋データが集まっている。認証率は85%から92%まで向上。今後さらに100%に近づけていくため、当面の目標は1万頭分の鼻紋登録とのことだ。

・福岡市との行政連携 飼い主のコミュニティで迷子犬を減らす社会実証実験がスタート
ITなどの先進技術を活用した社会課題解決を支援する福岡市の「実証実験フルサポート事業」に採択され4月より社会実証がスタートした。全国に先駆けて飼い主同士のコミュニティで迷子犬を減らしていくことができるかをエリア全体で実証する目的だ。現在80以上のペットサロンをはじめとする店舗、団体や愛護センター、福岡市内獣医師会からも賛同されているとのことだ。

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