リンガーハットとパロアルトインサイト、緊急事態に対応する需要予測システムを共同開発

パロアルトインサイト LLCは、長崎ちゃんぽん専門店「リンガーハット」及びとんかつ専門店「とんかつ濵かつ」を運営する株式会社リンガーハットと、緊急事態等に対応する需要予測システムを共同開発し、このシステムをベースとした「自動発注アプリ」、および「店舗シフト管理アプリ」をショップス市川店、川崎稲田堤店の2店舗で2022年8月よりテスト運用を開始したと発表した。

本システムは、消費者の需要を予測する従来のシステムに加えて、地震や台風等の自然災害や感染症のパンデミック等、さまざまな緊急事態下で多様に変化する消費者の需要を、AI(人工知能)を活用して予測するシステムだ。これまでの販売実績や気象情報、地域に関する情報等のデータを基に、消費者の需要を予測し、適正な発注数の算出、在庫管理、出荷量予測、スタッフの配置を行う。店舗ごとの発注量を詳細に予測することで、スタッフの管理が円滑に行えるようになり、将来は近隣店舗間でスタッフの最適なスケジュール組みなどを実施することで働き方の改善を実現するという。

リンガーハットでは、2018年から売り上げを予測するAIシステムを開発・運用しており、これまでは過去3年分の売り上げデータをAIに学習させシステムを構築していた。今回共同開発した緊急事態に対応する需要予測システムでは、過去3年分のデータを学習させるだけでなく、直近4~5日分の売り上げデータの変化がAIシステムに反映されるように改修することで、従来では難しかった、自然災害や感染症のパンデミック等の緊急事態による需要の変化にも対応できるようになる。

「自動発注アプリ」と「店舗シフト管理アプリ」の操作は、日付を選択するとその日の予測売り上げ金額と予測来店客数が表示される。需要予測は、一時間ごとの需要予測を店舗ごとに行うという仕組みになっており、その予測値にあわせて、それぞれ最適な発注数やスタッフ配置が表示され、食材の発注やシフト管理に役立てることができる。これまで属人的に行っていたシフト管理や、需要予測をシステム化することで、業務の負担軽減や判断精度の向上に繋がる。
出典元:プレスリリース

■緊急事態に対応する需要予測システム開発について

本システムは、消費者の需要を予測する従来のシステムに加えて、地震や台風といった自然災害や感染症のパンデミック等、さまざまな緊急事態下で多様に変化する消費者の需要を、AI(人工知能)を活用して予測するシステムだ。これまでの販売実績や気象情報、地域に関する情報等のデータを基に消費者の需要を予測し、適正な発注数の算出、在庫管理、出荷量予測、スタッフ配置を行い、サプライチェーンの無駄を減らす。さらに、緊急事態宣言や災害等で需要が急激に変化する事態を想定し、その際には適切なデータを反映することで、緊急事態下でも的確な需要予測が実施できるようになる。通常シナリオの需要予測も使いながら、緊急シナリオに一瞬で切り替えられることでオペレーションの遅延をなくし、円滑に業務効率化を実現する技術基盤になる。

■緊急事態に対応する需要予測システム開発の背景

新型コロナウイルスの感染拡大により消費者の行動様式が変わり、国際的な物流の乱れやインフレなどもあり、従来の需要予測モデルが通用しなくなっていたという。今後も起こり得るさまざまな事態に備えて、あらゆる環境下で柔軟に対応できる強靭な需要予測モデルの開発が不可欠であると考え、開発に至ったとのことだ。

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