個人向けCO2排出量可視化・オフセットサービス「becoz wallet」、クレジットカードの決済データを活用したCO2排出量の可視化機能を提供開始
2022/8/19
株式会社DATAFLUCTは、個人向けのCO2排出量可視化・オフセットサービス「becoz wallet」について、「SAISON CARD Digital for becoz(以下、becoz card)」の決済データをもとに個人のCO2排出量を可視化する機能および排出量を前月と比較できる機能を、2022年8月18日より提供すると発表した。
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■「becoz」事業開発の背景
2030年に向けて家庭部門のCO2排出量を66%削減するという目標が掲げられ、企業のCO2排出量に関するルールや削減の圧力が強まる一方で、生活者が自身のCO2排出量を計算し削減するためのサービスや仕組みは整備されていないという。「becoz wallet」は、生活者が主体となって自身のCO2排出量を管理・削減・オフセットできるサービスとして提供を開始した。今回のアップデートでは、クレジットカードの決済データをもとにしたより精緻なCO2排出量の算出が可能となる。個人のCO2排出量のデータ化は、ユーザーが自身のライフスタイルを見直すきっかけとなるだけではなく、カーボンニュートラルを目指す企業にとっても活用の可能性がある。例えば、Scope3のうち、販売した製品の使用や廃棄などのサプライチェーン下流でのCO2排出や、雇用者の出張や通勤などの個人の活動による排出量を把握する際に、推計値ではなく、実際のデータに置き換えてより現実に即したデータを得ることができる。
脱炭素社会の実現に向けて大きな可能性をもつ「個人のCO2排出量の可視化」だが、データ化には課題も存在するという。例えば、今回活用するクレジットカードの決済データについては、データの項目やコード体系が整理されていない場合が多く、請求業務以外の活用はハードルが高いとされてきた。「becoz wallet」では、非構造化データを含むさまざまなデータの活用を得意とする同社の知見と、整備されたクレディセゾンのクレジットカード決済データと、CO2排出量の算出に使用するコード分類のカバレッジが広いという点から、スムーズな開発が実現した。なお、クレディセゾンとDATAFLUCT間で連携されるのは暗号化されたユーザーIDとCO2排出量の計算に必要な項目のみであり、カード番号などの重要な個人情報を同社は保有せずサービスを提供する。
■「becoz wallet」アップデートについて
「becoz card」で決済される個々の利用明細に対して、CO2の排出量を確認できる機能を公開する。また、「becoz card」の決済データをもとに可視化されるCO2排出量については、以下のような付属機能も使うことができ、「becoz card」の利用明細を基軸に、CO2排出や削減・オフセットを総合的に管理できるようになる。
・「日用品・生活サービス」や「ファッション」などのカテゴリーごとに、前月からの増減の比較ができる
・各利用明細について、オフセットの対象となるCO2排出量の集計に含める/含めないの設定を自由に選べる
・カレンダー上に発生日を一覧で表示できる
2.1.5℃目標との乖離や自身のオフセット量を直感的に把握。カーボンニュートラルを「自分ごと化」したくなるデザイン
CO2排出量をより自分らしく、管理・削減することができる「CO2版家計簿」を目指し、デザインを刷新。トップ画面については、オフセット量を数字表記した簡素な旧デザインから、排出量とオフセット量の差分および、1.5℃目標の排出上限がわかりやすい新デザインとなった。CO2排出量のカテゴリーごとの平均との差や、先月との増減についてもよりわかりやすいデザインとなり、ユーザアイコンの設定や、日本・世界・「becoz wallet」ユーザーのそれぞれの平均CO2排出量と比較できるグラフなども表示される。
「becoz card」は、プラスチックカード不要のデジタルカードとして提供している。ユーザーの気分に合わせて手軽にカード券面のデザインを変更できる点もデジタルカードの魅力の一つであり、今回のアップデートでは、青く美しい地球の姿をイメージしたデザインを追加する。