エプソンと長野県、AIを活用した畜産振興に向け連携協定を締結
2022/11/1
セイコーエプソン株式会社(以下、エプソン)は、DXの推進により、AI(人工知能)を活用した家畜の健康管理の技術開発と普及など、畜産業の生産性向上に向けた連携協定を、長野県と締結すると発表した。
・AIによるボディーコンディションスコア(以下、BCS)の画像判定
BCSは、牛体への脂肪の付き具合を目視によりスコア1(痩せすぎ)から5(太りすぎ)までに区分する技術。BCSは3.0から3.5までが適正とされ、3.75以上では牛の健康に問題となりやすいという。
現状課題:BCSは熟練した技術者の目視判定に頼っているため、ばらつきが発生する
達成目標:BCSを画像からAIが判定するシステムにより、経験の浅い技術者や農家でも簡単に客観的なBCSが測定でき、正確な牛の体型管理を実現する
・AIによる飼料成分の迅速判定(新飼料分析システム)
牛の体重や健康維持に重要な飼料成分分析には多くのデータを活用するため時間がかかる上に、飼料給与量の計算には専門知識が必須となる。
現状課題:飼料成分の分析には多くの手間と時間と予算を必要とする
達成目標:飼料を撮影し、画像の波長分析から飼料成分を推定できるシステムを構築。経験の浅い技術者や農家でも成分分析を迅速かつ低コストで実施でき、給与量試算の簡素化を目指す
2023年度以降の共同研究の方向性
・牛群ドックと飼料分析の連携、最終生産物も含めたDX化
・牛の個体識別の研究
・牛の体に装着できる脈拍や活動量計、体温計の研究