芝浦工業大学とLiNew、LiDARで学習効果を予測する技術の共同研究に本格着手

株式会社LiNewは、芝浦工業大学と共にLiDAR技術を使用した研修システムの生成に向けた研究を2022年6月から開始し、研究成果の論文が2023年1月に開催される国際会議IEEE CCNCに採録されることになったと発表した。

■共同研究の概要

LiDARと環境センサを併用し、芝浦工業大学に通う学生がカリキュラムを受講している時の姿勢や周囲の環境・心拍数などの身体の状態・動向を1年間分データとして収集する。行動周期、気温や気圧などによって学修効果の変化を測定し、仕事や学習の生産性を向上するシステムを生成する。
出典元:プレスリリース

■共同研究の背景

LiNewでは世の中のITエンジニア不足を解決するために未経験からエンジニア人材としてシステム開発が行えるようになるために、educure(エドゥキュア)やストロンといったサービスを提供してきた。educureでは、業種や業態に関係なく、様々なプロジェクトで活躍できるレベルまでプログラミングのスキルを習得できるカリキュラムを提供している。ストロンでは、LiNewがプロジェクトオーナーとして入り、若手や駆け出しエンジニアのさらなるスキルアップをサポートしている。設計書の制作からはじまり、プロダクト開発の一連の流れを体感できるプログラムになっているため、エンジニア自身で考え、サービス開発を遂行できるレベルまで到達することが可能だという。各企業が開発したいシステムを題材に、希望のツールで開発することで、再現性高く自社プロダクトを開発できる人材を育成しているとのことだ。

芝浦工業大学新熊教授は学習時に得られるデータを収集し、人工知能で解析することで学習効果の高い状態を推定、向上するシステムの研究をしている。今回の共同研究を通じて、より質の高いエンジニア教育の提供と、システム開発時のパフォーマンスを向上させる手法の創出を目指すとのことだ。

■研究成果の概要

芝浦工業大学工学部情報工学科・新熊亮一教授の研究室では、スマートシティの研究開発および社会実験に取り組んでおり、特に、センサネットワークで取得した三次元データをリアルタイムコンピューティングするエッジAI技術についての実績を有している。

本研究開発では、オフィスでの研修や学校での教育環境において、三次元センサのみを用いて、学習効果を予測する技術に取り組んでいる。LIDAR(Light Detection and Ranging)は、レーザーにより、下図のように、物体の三次元形状を点群データとして取得する三次元センサだ。これを用いて、PCで学習を行っている学習者のデータを取得する。取得したデータは、姿勢や手の動きの時系列変化を特徴として含んでいるため、これをエッジAI技術で抽出し、学習効果と対応させることで、予測が可能になる。タイピングの文字数を推定することに成功した成果が2023年1月開催予定の国際会議IEEE CCNCに採録されることになったとのことだ。

物体の三次元形状の点群データ
出典元:プレスリリース

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