伊藤忠商事とIdein、エッジAI/IoT技術を軸にDX事業の共創を目指し資本業務提携

伊藤忠商事株式会社と、Idein株式会社は、エッジAI技術を活用したリアル空間の行動データ可視化によるAI/IoT市場のエッジ領域の開拓に向けて、2022年12月15日に資本業務提携に合意したと発表した。

■本提携の背景

少子高齢化が進む日本は様々な業種で人材不足に悩まされており、その対策のひとつとして、AI/IoTを使ったサービスに関心が高まっており、市場の高い成長が見込まれているという。しかし、AI/IoT導入にはクラウドにアップロードされるデータへのセキュリティ対策やデータ量の増加に伴うコストアップ、プライバシーへの配慮など様々な課題がある。そのような背景において、利用者や現場に近い場所に設置した機器でデータを処理し、不必要なデータは取得せず分析を可能にするエッジAIに注目が集まっているとのことだ。

Ideinは、安価な汎用デバイスであるRaspberry PiによるエッジAI解析を可能にする技術力を持つスタートアップ企業だ。2020年には、その技術力を活用し、AI/IoT開発・運用プラットフォーム「Actcast」を開発した。利用者は「Actcast」を通じて安価なデバイスによる画像や音声の高度な解析が可能となり、DX等システムの導入・運用コストを大幅に削減することが可能だ。これまでに大手小売や通信キャリア、鉄道等に「Actcast」を通じたエッジAIサービスを提供している。

両社はこれまで、伊藤忠商事グループ最大の消費者基盤である株式会社ファミリーマートと、伊藤忠商事とファミリーマートの合弁会社である株式会社ゲート・ワンと共同で、ActcastのAIカメラを活用した顧客行動分析等の開発を共同で推進してきた。具体的には、伊藤忠商事グループで推進してきた全国34都道府県・合計3,000店のファミリーマートの店内にデジタルサイネージ・メディア「FamilyMartVision」を設置する事業において、Actcastを搭載したAIカメラを一部採用することによりプライバシーに配慮した広告効果測定の基盤を構築している。
出典元:プレスリリース
両社がファミリーマート、ゲート・ワンと共同で既に取り組んでいる、AIカメラを活用した顧客行動分析等の開発においては、今後、「FamilyMartVision」をモデルにパッケージサービス化し、スーパーマーケットやドラッグストア等の小売事業者や、小売以外の他業態に展開していく予定だ。また、本提携を契機として、今後はIdeinの高い技術力と伊藤忠商事の事業基盤や広範なネットワークを活かし、流通業やサービス業、不動産業や製造業、社会インフラなどの各分野に最適なエッジAIサービスを提供することを目指すとのことだ。

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