■プロジェクトの背景
同社は、香りを楽しむシーンとインターネットを融合させることで、香りのDXを推進し、人々の生活をより豊かにしていきたいと考えているとのことだ。
芸能人・著名人・アーテイスト・キャラクターのイメージフレグランスを制作し、匂いもコンテンツの一つとしてファンに提供することができれば、ファンとのエンゲージメントも高まるという。楽曲に匂いをつけたり、動画作品に匂いをつけて、パッケージとして販売することも可能になり、そうすればファンはより熱狂的になるとのことだ。
現代のゲーム機器は、高性能機器の誕生で、表現できるポリゴンの数、音の数が増え、臨場感が格段に向上している。同社は、ゲームに匂いの要素が加わるとさらなる発展を遂げると確信しているという。例えばレーシングゲームで車が高速で走り、森の中を駆け抜ける時の森林の香り、土煙の香り、急ハンドルを切ったときのタイヤが焦げる匂い、このような匂いがもしプレイ中に再現されれば、より臨場感が増すとのことだ。
同社は匂いをデジタル伝送する統一規格(Digital Smell Format 以下、DSF)を開発する。DSFには、匂いを構成する情報、カートリッジ番号、噴霧時間、再生可能回数、承認コード等々の情報が記録されており、DSF対応のディフューザーはこれらの情報を読み取り、ディフューザーで香りを合成する。同社はDSFをディフューザーメーカー各社に公開しDSF対応のディフューザーを普及させるとのことだ。
匂いの作者や権利者は、同社に匂いのデジタル化を依頼する。同社は自社開発する匂いの共通フォーマットであるDSFに匂いをデータ変換し権利者に納品する。変換された匂いのデータ(DSF)は、同社がブロックチェーンを用いて構築する、Digital Smell Patentシステム(著作権管理システム)に登録され著作権管理が行われる。
匂いのデータ(DSF)を受領した権利者は、匂いのデータ販売サイトであるSmell Mafiaに匂いのデータ(DSF)を出品する。Smell Mafiaでは、匂いのデータ(DSF)はNFT化され掲載される。消費者は、Smell Mafiaから匂いデータ(NFT化されたDSF)を購入、ダウンロードし、ブルートゥースに接続されたディフューザーで匂いを再生する。消費者が支払った匂いデータの購入代金には、著作権料も含まれており、著作権料は同社を通じて権利者に支払われる。これらの支払いプロセスはスマートコントラクトに基づいて自動的に行われる。