ビズリーチ、採用担当者が検索に使用したワードをまとめた「2022レジュメ検索トレンド」を発表

株式会社ビズリーチは、2022年に企業の採用担当者が転職サイト「ビズリーチ」でレジュメ(職務経歴書)を検索する際に使用したキーワードのうち、前年と比較して検索数が上昇したワードを「2022レジュメ検索トレンド」として発表した。

ビズリーチは、企業の採用担当者やヘッドハンターが会員のレジュメ(職務経歴書)の情報を検索し、直接スカウトのメッセージを送信できるサービスだ。企業の採用担当者が、どのようなキーワードで会員のレジュメを検索しているかを調べることで、積極的に採用している人材やポジションの特徴・傾向が分かるという。

前年の1位は「DX」だったが、2022年はさまざまな分野で具体的にDXが進んだことで、DXを深化させる人材の需要が高まった1年となった。また4位「カーボンニュートラル」、14位「電池」がランクインしたように、ビズリーチ上の「サステナビリティ関連求人」は年々増加傾向で、政府の「2050年カーボンニュートラル宣言」前の2019年と比べて2022年の求人数は11.0倍に伸長していることが分かったとのことだ。
出典元:プレスリリース
「2022レジュメ検索トレンド」
調査概要:ビズリーチを利用している企業が会員を検索したキーワードを算出
対象:2022年1月~11月に検索され、大文字・小文字の区別なく、検索回数が100回以上のキーワード(「or検索」のワードを含む)
・算出方法:対象となる全ワードのユニークユーザー数(20以上に限定)における検索回数の前年からの変化率をもとに算出
・対比期間: 2022年1月~11月と2021年1月~11月を比較
出典元:プレスリリース

■キーワードから読み取れるトレンド

2022年の1位は「開発要件定義」となった。2021年は「DX」が注目を集めたが、2022年は各業界、各社で具体的なDXの取り組みが深化し、新たな課題が浮き彫りになったことで、システム等の開発を進めるための要件定義をし、DX実現のビジョン(ビジネス)とIT現場(技術)の橋渡しを行う人材のニーズが増加したと推測できるという。また7位は「折衝」で、関連ワードは「要件定義」や「プロジェクトマネージャー」「プロジェクトリーダー」「ベンダーコントロール」「顧客折衝」となった。1位の「開発要件定義」と同様で、自社のDX推進において外部のITベンダーとの折衝を行う人材や、クライアントのデジタル化支援を推進できる人材の需要が高まっていることが分かる。このような「橋渡し人材」は、「アーキテクト」と呼ばれるポジションだ。アーキテクトには要件定義や仕様策定に加え、ビジネス面での課題解決のための経営的視点が求められる。ビズリーチ上の「アーキテクト」求人は増加傾向にあるとのことだ。

2位は「エンタメ」となった。エンターテインメント業界は、新型コロナウイルスの感染防止対策として非対面・非接触が求められたことで、新たな収益機会の創造のために「エンタメDX」が加速した。AR(拡張現実)・VR(仮想現実)やライブ配信プラットフォーム、NFT(非代替性トークン)をはじめとしたさまざまな先端テクノロジーによって、新たな顧客体験やマネタイズ手法が模索されており、それに伴う事業拡大や専門人材の採用が見られるという。また高まる「エンタメDX」の需要を受け、事業拡大のための企画職の求人なども増加している。

3位に入った「Figma」は、ブラウザー上で使用できるデザインプラットフォームで、場所を選ばずに使用できる点や1つのファイルを複数のメンバーで編集できる点が特徴だ。2022年7月に日本語版がリリースされたことで国内の利用者が一気に増え、採用においてもFigma経験者を求めるケースが増加していると推測できるとのことだ。

4位に「カーボンニュートラル」がランクインし、「脱炭素」「自動車」「新規事業」「SDGs」等が関連ワードとして検索された。また、14位には「電池」も入った。2020年に、政府が2050年カーボンニュートラルの実現に向けた宣言を行ったことで、企業の脱炭素への取り組みが加速していると推測されるという。ビズリーチ上でスカウトが行われている「サステナビリティ関連求人」は、政府の宣言前の2019年と比べ、2022年は11.0倍となっている。

5位には「キッティング」が入った。キッティングとは、PCやスマートフォンなどのデバイスを利用者がすぐに業務に使用できるように、各種設定やソフトウエアのインストールなどを行う作業を指す。これは、リモートワークの浸透やDXの推進に加え、6位の「求人広告」からも推測できるように2022年は企業の採用活動が活発だったことから、入社者の増加に伴いキッティング経験者のニーズが上昇したと考えられるという。

11位に「Python SQL」が入った背景には、Pythonの用途がWebサービス開発だけでなく、データ処理や分析、人工知能の開発などに広がりを見せたことや、データ分析ツールの利用拡大が考えられるという。2022年、ビズリーチ上では特に、IT業界に限らずマーケティング関連のデータサイエンティストの求人が多く見られ、データサイエンティストの需要が拡大していることが推測されるとのことだ。また、関連ワードに、分析ツール「Tableau」やCRMツール「Marketo」「Salesforce」や、「リードナーチャリング」「セールスイネーブルメント」が入ったことから、マーケティングや営業の現場でもDXが進み、マーケティングからセールスまでデータに基づく一貫した体制の構築も進んでいることが分かる。

20位に「リスクマネジメント」が入ったが、2022年の特徴として関連キーワードに「個人情報保護」や「データウェアハウス」といったデータに関するワードが挙がった。各産業でDXが進んだことや、リモートワークが浸透したことにより、ITセキュリティの必要性が増したことでレジュメの検索数が上昇したと推測されるという。

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