日立とパナソニック コネクト、生体認証のグローバルな展開・加速に向けた協業を開始

パナソニックグループは、株式会社日立製作所(以下、日立)とパナソニック コネクト株式会社が、生体認証のグローバルな展開・加速に向けた協業を開始すると発表した。

具体的には、生体情報を暗号化する日立の特許技術を活用した公開型生体認証基盤PBI(Public Biometric Infrastructure)とパナソニック コネクトの顔認証技術を融合し、安心・安全かつ快適な生体認証をさらに追求した新サービスの創出に向け、取り組みを推進する。

今後、両社は、連携のための技術検討と検証を進めていくほか、暮らしやビジネスといったさまざまな分野での社会実装に向け、ユースケースの開発と実証に協働で取り組む。その第一弾として、トラベルを例とした実証を、今春より実施予定だ。全国規模で展開する小売店舗において、顔認証を用いた「手ぶらスタンプラリー」の実証を行い、来店時に顔認証でポイントが貯まるキャンペーンをスタートする。
出典元:プレスリリース

■協業の背景

生体認証市場において、非接触・ハンズフリーでスムーズな運用が可能である顔認証は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況も受けて、さまざまな産業分野で、需要の急拡大が予測されているとのことだ。2030年には、全世界での市場規模が2.2兆円に上ると見込まれているという。一方で、生体情報の管理がボトルネックとなり、その導入・活用・普及には、高い信頼性の確保が必要不可欠という課題があるとのことだ。

日立は、生体情報を復元不可能な形に暗号化する独自技術PBIによる厳格な本人認証を核とし、さまざまな利用シーンや運用形態に応じて、指静脈や顔、虹彩などの認証モーダルや認証端末を問わず、一括管理・運用の可能な「生体認証統合基盤サービス」を提供している。これまで飲食店での決済やゴルフ場の受付・ポイント連携、ワクチン接種証明の本人確認、デジタル地域商品券の利用・決済などで幅広く適用されてきた。また、パナソニック コネクトの顔認証技術は、これまで空港での厳格かつ円滑な本人確認や、イベントでのチケットレス入退場、店舗でのキャッシュレス決済、施設・オフィスでのカードレス入退室などで多角的に活用されてた。今回の協業により、日立とパナソニック コネクトであるからこその高信頼で快適な顔認証を実現し、課題を解決するとのことだ。

■協業の内容

・日立のPBIとパナソニック コネクトの顔認証技術の融合に向けた技術検討・検証
日立のPBIは、ICカードや暗証番号、二次元バーコードなどに比べ、紛失や不正授受など第三者による不正利用を低減できる安全な認証・暗号化技術だ。また、パナソニック コネクトの顔認証は顔画像の登録が簡単で、ハンズフリーで快適に利用できる。これらを融合し、より安心・安全かつ快適な顔認証を実現するための技術検討と検証を行い、システムを開発・実装する。具体的には、パナソニック コネクトの顔認証によって得られた顔の特徴を抽出し、日立の持つPBIをもとに顔情報を復元できない形に変換、保管・照合するという一連の流れを開発・実装する。

・暮らしやビジネスなどさまざまな分野を想定したユースケースの開発と実証
買い物、エンタメや医療といった暮らしやビジネスを想定したさまざまな分野でのユースケースの開発と実証に協働で取り組むことで、利用者のさらなる快適性を追求し、サービスの改善と強化を図る。今春からは、利用シーンとしてトラベルを想定し、全国規模で展開する小売店舗における来店時のスマートなポイント付与を実現する「手ぶらスタンプラリー」の実証を実施予定だ。小売業界における新たなマーケティング施策としての有効性を実証することを計画している。

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