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TIS、Web3を活用し地域の森林資源の活用で経済循環と環境保全を両立するエコシステムの構築を目指すプログラム「WOOD DREAM DECK」を開始

TISインテックグループは、TIS株式会社が、Web3技術のトークンやNFTを活用して地域の森林資源の循環利用を活性化するプログラム「WOOD DREAM DECK(ウッド ドリーム デッキ)」をつくり、地域の森林資源を活かして経済循環と環境保全を両立するエコシステムの構築を目指すと発表した。
TISは事業により解決を目指す4つの社会課題のうち、「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」の解決に貢献するため、「WOOD DREAM DECK」を開始する。本プログラムでは、ITの力で地域の森林資源を活かし想いや願いを形にしながら、以下3つの目的の実現を目指すという。
・人工林の高齢化が深刻な課題となっている地域で、未利用間伐材の利用価値を高め、遊休森林を活かしたレジャー利用を進めることで、地域経済の活性化を目指す。
・森林資源利用で得た利益の一部を、植樹や再造林に還元して森林を若返らせ、健全な森林の維持に貢献する。
・木の成長促進によってCO2吸収能力を高め、生物多様性の保全などが期待できる森林資源の循環利用を促進し、経済循環と両立するエコシステムの構築を目指す。
出典元:プレスリリース

■背景

日本は森林が国土の7割を占める森林大国だが、人工林の多くは手入れが進まず、高齢化や痩せ細る木が増え、間伐後の木が未利用のまま放置されている状況だという。この状況をこのまま放置してしまうと、大雨による土砂災害が増えたり、生物多様性が損なわれたり、森林のCO2吸収能力の低下を招いてしまうとのことだ。この深刻な問題を解決する糸口として、地域の森林資源を伐って使いながら植え替えていく循環利用の促進が求められているという。TISでは、地方移住をした社員の問題提起と提案をきっかけにこの課題を捉え直し、地球環境保全を「できること」ではなく「したいこと」にし、その願いを地域の森林資源を使って叶えながら、森林の循環サイクルを活性化させるプログラム「WOOD DREAM DECK」を立ち上げた。この取り組みをITによって支援することで、地域の森林資源の活用を活性化させ「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」の解決に導くことを目指すとのことだ。

■概要

「WOOD DREAM DECK」は、「木を使ってしたいこと」を持つ人の願いを叶える支援を通して、地域の森林資源の価値を高めて循環利用を促進し、「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」の解決を目指すプログラムだ。今後、Web3技術を用いて以下3つの観点から支援する。

・「木を使ってしたいこと」を持つ人の願いを叶える支援
未利用間伐材や遊休森林などの森林資源活用に必要な地域の山主、製材業者、家具職人などと、森林に関わる地域内外の様々なプロジェクトや個人を繋げるファンベースコミュニティを提供し、Web3技術を使って活性化させる。木を使ってしたいことのアイデアを出し合い、それを技術的に実現する職人や林業関係者、サポートや金銭的支援をしてくれる地域内外の人をつなげることで、したいことの実現を支援する。
<支援イメージ>
したいこと例:サウナ小屋を建てたい
出典元:プレスリリース
・森林関連共通の分散型Web3を活用したトークンで森林コミュニティの活性化
分散型Web3を活用したトークンは、中央集権的なプラットフォームに依存しない特徴から、領域を超えた価値交換の基盤として優れている。そこで、ファンベースコミュニティを広げるために、森林関連のトークンを発行し流通させることで、様々なインセンティブを与えて地域内外の人があらゆる森林関連のプロジェクトに参加するきっかけを生み出し、コミュニティを活性化させる。
<トークンを介して領域を跨いだ森林プロジェクトの活性化>
出典元:プレスリリース
・NFTで木を使うことへの付加価値を高めること
日本の森林にある立木は、海外からの輸入材の価格競争などに影響を受け非常に安値で取引されており、山主が立木を売っても植樹や再造林をすると赤字になるため、伐採後は3~4割程度しか再造林されていない。この状況を打開するため、地域の木材を使った製品や体験にNFTを活用して付加価値をつけることで、木の需要を生み出し末端価格を高める仕組みづくりを目指す。具体例としては、NFTで木の情報やメッセージを記録したり、利用・所有の権利やイベントへの参加資格を付与したりする。これにより、追加で得た利益を植樹や再造林の費用に還元できるようにする。
<NFTを活用して木を使うことへの付加価値を高める取り組み>
出典元:プレスリリース

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