スタートアップ業界向け健康保険組合「VCスタートアップ健康保険組合」の設立に向けた取り組みが開始

一般社団法人VCスタートアップ労働衛生推進協会は、スタートアップ業界で働く人を支援するため、スタートアップ及びベンチャーキャピタル(VC)で働く人のための健康保険組合「VCスタートアップ健康保険組合」の新設に向けて、設立準備組織を組成し、申請に向けた取り組みを開始したと発表した。

■設立目的

同協会は健康保険組合の新設を通して、VCとその投資先スタートアップの従業員及び家族の中長期での健康増進、医療費削減、社会保険料の負担増加の抑制に寄与すること、また保健事業や組合運営に関わる業務の電子化・DX化を進め、費用対効果の最大化を実現することを目指している。また、2023年6月16日(金)に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2023改訂版」においてはスタートアップ支援の施策の一つとしてスタートアップ向けの健康保険組合設立が盛り込まれており、同協会としても今後も一層の推進を目指しているとのことだ。
出典元:プレスリリース

■設立背景

・スタートアップを取り巻く状況
スタートアップはフレキシブルで裁量に任せた勤務形態が多く、働きやすさが強調されており、働き方や福利厚生等の観点で人材の採用や定着に尽力しているという。しかし、従業員の健康増進や疾病予防という産業保健の観点や人的資本経営の観点では、大企業と比較すると手厚い体制が整えられているとは言い難い環境とのことだ。こうしたなか近年はスタートアップを取り巻く環境が大きく変化し、これらの労働衛生上の水準を業界全体で引き上げるための仕組みが求められているという。従業員の健康増進を支援することは、従業員の満足度という観点だけでなく生産性の向上にも繋がるため、企業・従業員の双方にとって重要であると認識されているとのことだ。実際に創業間もない企業であっても、年1回の健診受診や社会保険の加入が義務化されており、50名以上になれば産業医の選任やストレスチェックの実施が必要となる。一方で成長フェーズのスタートアップにおいては、これらの業務についても経営陣が兼任していたり、人事労務担当がひとりで業務を行なっていることも多いことが現実だという。

・政府が主導するスタートアップへの人材流動性の向上
このような現状の中で、近年、政府によりスタートアップ育成5ヵ年計画が発表され、スタートアップへの人材流動性を高める方針が示された。また、女性起業家や女性従業員の活躍推進が求められていることを反映し、業界内の女性比率が増加していることから、より手厚い女性特有の健康課題への支援や、出産や育児に関わる支援の声も求められているという。これらのスタートアップの待遇・健康面の環境改善への後押しの風が強くなったこともあり、今回、同協会は健康保険組合の新設に向けて取り組んでいくことになったという。そして、健康保険組合の業務は一般企業と比較しデジタル化が遅れているが、スタートアップの強みを生かしたDXの推進、人事労務業務の負担軽減に取り組むとのことだ。また、精神疾患、出産子育て支援など20代、30代を中心とするスタートアップ業界の従業員に求められる保健事業を展開予定だ。

VCスタートアップ健康保険組合に賛同し支援をしているVC
出典元:プレスリリース

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