日立ソリューションズ、製造業の脱炭素に向けて「サプライチェーン脱炭素支援ソリューション」を提供へ

株式会社日立ソリューションズは、製造業の脱炭素に向けて、課題抽出から、製品・企業・サプライチェーンにおけるCO2排出量の把握や予測、ESGにおけるサプライヤーの評価まで、先進的で実績ある欧米や日本の5つの製品・サービスでトータルに支援する「サプライチェーン脱炭素支援ソリューション」を、2023年8月31日より提供開始すると発表した。

その一環として、製品やサプライチェーンのCO2排出量を高精度かつ詳細に自動報告や分析をすることで、大規模な脱炭素化を支援する「Makersite」を提供するMakersite GmbHと販売代理店契約を締結した。企業は本ソリューションで、SCOPE1~3を含め、製品や企業、サプライチェーン全体でのLCA、GHGプロトコルへの準拠状況の報告、CO2排出量の算出が可能になる。企業の業態に合わせてカスタマイズし、複雑な計算に対応できるシステムや、テンプレートで簡単にカーボンフットプリントを算出できるツールなど、予算や目的に応じて選択できる。さらに、サプライチェーンの調達・生産能力を加味した供給量、売上や利益の目標値と合わせたCO2排出量をシミュレーションできる。加えて、専門家がグローバルスタンダード基準で、サプライヤーをESGの観点から評価するサービスや、課題の抽出から優先順位付けまでをバックキャスティングで行うコンサルティングサービスも利用できる。
出典元:プレスリリース

◾︎背景

日本政府は、2050年までにCO2排出量を全体としてゼロにするカーボンニュートラルをめざすことを宣言し、2023年に発表した「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書統合報告書」では、「パリ協定での気温上昇を1.5℃又は2℃に抑える目標を達成できるかは、今後10年の排出削減水準によって決定する」 と報告した。このような背景のもと、規制改革や規格・標準化、金融市場を通じた需要創出など、さまざま提言や取り組みが加速している。国際的にも、金融安定理事会(FSB)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォースは、2022年に発行したTCFDガイダンス3.0において、「すべての組織に対してスコープ 3 GHG 排出量の開示を強く奨励する」と示した。SCOPE3は、自社で使用したエネルギー以外のサプライチェーンのCO2排出量を示す指標であり、企業は原料調達、製造、物流、販売、廃棄、使用などのサプライチェーン全体の算定・報告を行う必要がある。

このような中、グローバルにサプライチェーンを構築し、事業を展開する製造業は、国内のCO2排出量の約3分の1を占めており、早急な対策が経営課題になっているという。その一方で、企業への制約は法的な拘束力を持たないソフトローが主体であり、企業は何から手を付けるべきかを判断できない状況とのことだ。同社はこれまで、製造業を中心に、サプライチェーンにおける供給量や売上、利益、CO2排出量をシミュレーションし、予測できる「グローバルSCMシミュレーションサービス」を提供し、企業よりさまざまな課題をヒアリングし、調査してきた。また、JEITA(電子情報技術産業協会)が事務局を務めるGreen×Digitalコンソーシアムにも参画し、業種を超えてCO2排出量削減に向けた実証実験やフレームワークの策定に貢献しているという。これらの知見とノウハウを活用し、同社は、製造業のカーボンニュートラルの実現をトータルに支援するソリューションを提供することとしたとのことだ。

◾︎「サプライチェーン脱炭素支援ソリューション」の特長

同社の技術者が、顧客の課題や予算に応じて、適切な製品・サービスを提案する。既存システムとの連携やデータ移行など、導入作業も支援する。また脱炭素をどのように進めるべきかを悩んでいる企業に対し、未来の社会や業界動向を考慮し、バックキャスティングで課題を抽出し、優先付けする「SX/DX未来創造型ワークショップ」を提供する。

「Makersite」では、電力、燃料、熱、廃棄物などを各部門、拠点から収集して環境情報データベースで一元管理して可視化することができる。AIを活用した原材料情報の分析機能を適用することで、材料別のCO2排出量や標準的なコスト情報を取得することも可能だ。また、「グローバルSCMシミュレーションサービス」では、サプライチェーン全体のCO2排出量上限(排出枠)を制約条件として定義し、排出枠の範囲内で全体売上・利益が最大となる販売・供給計画を立案できるため、カーボンプライシングの活用に向けた試算も可能だ。さらに、製品あたりCO2排出量の計算を支援するコンサルテーション及び表計算ツールからなる「カーボンフットプリント算定支援」も提供する。

EcoVadisのサステナビリティ評価は企業のサステナビリティパフォーマンスを0から100で評価し、4つのテーマ(「環境」・「労働と人権」・「倫理」・「持続可能な調達」)から21のサステナビリティ基準を用いて評価する。評価を受審したサプライヤー企業は自社の改善点や強みを確認することで、レジリエンスの強化や企業価値の向上を図ることができる。

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