アストロスケールの商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」、2月18日に打上げへ

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングスの子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担う株式会社アストロスケールは、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」の打上げを、日本時間2月18日(現地時間2月19日)にニュージーランドのマヒア半島にあるRocket Labの第1発射施設(Launch Complex 1)にて予定していることを発表した。

アストロスケールは、大型デブリ除去等の技術実証を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証(CRD2)(※1)フェーズⅠの契約相手方として選定、契約を受けて、ADRAS-Jを開発したことを発表した。ADRAS-JはRocket Labのロケット「Electron(エレクトロン)」による打上げ・軌道投入後、非協力物体(※2)の大型デブリ(日本のロケット上段:全長約11m、直径約4m、重量約3トン)への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行う。本ミッションは、実際のデブリへの安全な接近を行い、デブリの状況を明確に調査する世界初(※3)の試みとなる。これはデブリ除去を含む軌道上サービスにおいて不可欠な要素である。

ADRAS-Jは昨年10月に東京本社からの出荷を完了しており、現在はニュージーランドにあるRocket Labの施設にて、打上げに向けた最終準備を進めているほか、東京の拠点においても、ミッション運用に向けた確認作業を行っているとのことだ。

※1 CRD2:Commercial Removal of Debris Demonstration の略称
※2 非協力物体:接近や捕獲・ドッキング等を実施されるための能力・機器を有さない物体のこと

※3 過去に同様のミッションが実施されたか否かを同社で調査(2023年)

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