勤務先での生成AI活用に対して肯定的な人は否定的な人の2倍以上【GMOリサーチ&AI】

生成AIツールは利用率が減少するものもある中、「ChatGPT」は3か月前より13.4ポイント増加

GMOインターネットグループで、インターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ&AI株式会社は、保有する国内モニターパネル(※1)「JAPAN Cloud Panel」のモニター1,105人を対象に、AIトレンドに関する自主調査を実施した。本調査は、AIに対する理解を深め、多くの人がAIを活用し、社会の発展に貢献することを目的とした定点調査だ。2023年11月に初めて実施し、今回が3回目となる。 (※2)

■調査サマリー

・生成AIの認知率は3か月前と比較して1.0ポイント、利用経験率は0.3ポイントの上昇に留まる
・最も利用されている生成AIツールは「ChatGPT」が61.8%
・生成AIツールは利用率が減少するものもある中、「ChatGPT」は3か月前より13.4ポイント増加
・勤務先での生成AI活用に対して肯定的な人は、否定的な人の2倍以上
・取引先の生成AI活用に好感を抱く人が32.5%、好ましくないと考える人が15.7%

■調査概要

・調査テーマ:AIトレンドに関する自主調査
・調査地域 :日本国内
・回答者数 :1,105名
・調査対象 :15歳以上の男女
・調査期間 :2024年5月20日
・調査方法 :オンライン調査

(※1)パネルとは、アンケート協力の承諾を得ている会員一人ひとりであるモニターの集合体。
(※2)2023年11月 1回目調査 URL:https://www.gmo.jp/news/article/8724/
     2024年2月 2回目調査 URL:https://www.gmo.jp/news/article/8882/

■調査結果

生成AIの認知と利用状況(2023年11月~2024年5月の比較)

生成AIの認知率は3か月前と比較して1.0ポイント、利用経験率は0.3ポイントの上昇に留まる

生成AIの認知と利用状況についてたずねたところ、「知っている人」(非常によく知っている・ある程度知っている・少し知っている)は72.1%と、今年2月の71.1%と比較して1.0ポイント増加した。昨年11月と今年2月の調査結果では7.5ポイント増加しており、この結果と比較すると増加幅が小さく、停滞気味と言える。

利用状況についても、「使ったことがある人」(日常的に使っている・ときどき使っている・ほぼ使わない)が33.8%と、今年2月の33.5%と比較して0.3ポイントの増加に留まった。
出典元:プレスリリース

最も利用されている生成AIツール(2024年2月時点と2024年5月時点の比較)

最も利用されている生成AIツールは「ChatGPT」が61.8%

生成AIツールは利用率が減少するものもある中、「ChatGPT」は3か月前より13.4ポイント増加

生成AIの利用状況について「日常的に使っている」「ときどき使っている」と回答した人を対象に、定期的に利用している生成AIツールをたずねた。(※3)2024年5月時点での回答が多かった生成AIツールは多い順に「ChatGPT(OpenAI)」(61.8%)、「Microsoft Copilot[旧Bingチャット](Microsoft)」(19.4%)、「Gemini(旧Bard)(Google)」(17.0%)となった。

2024年2月の調査と共通している生成AIツールを比較すると、多くのツールで利用率が減っている中、「ChatGPT(OpenAI)」は13.4ポイントも利用率が増えている。「ChatGPT(OpenAI)」については、2024年5月13日に新モデル「GPT-4o」が発表され、応答速度の向上や、日本語における能力向上、APIの利用料金が従来の約半分になるなど、大幅なアップデートがあり、利用増加の一因と考えられる。

(※3)選択肢は、検索エンジンやSNS等の複数ソースで共通して頻出している一般的な単語やフレーズと自由回答を設定し、複数回答可能としている。
出典元:プレスリリース

生成AIの業務活用における捉え方(2024年5月時点)

勤務先での生成AI活用に対して肯定的な人は否定的な人の2倍以上

取引先の生成AI活用に好感を抱く人が32.5%、好ましくないと考える人が15.7%

有職者(パート・アルバイトを除く)に対して、勤務先における生成AIの業務活用についてどのように捉えているかたずねたところ、活用することに対して肯定的な人(積極的に活用を進めるべき・一定の活用は必要だが、慎重に進めるべき)は38.1%、否定的な人(活用には消極的・否定的)は15.9%で、肯定的な人が否定的な人の2倍以上となった。また、「わからない」と回答した人が46.0%と最も多く、生成AIに対する十分な知識を持っていない人が多いことが分かった。
次に、仕事における取引先での生成AIの業務活用についてどのように捉えているかたずねたところ、好感を抱く人(とても好ましい・どちらかといえば好ましい)は32.5%、好ましくないと考える人(どちらかといえば好ましくない・全く好ましくない)は15.7%と、好感を抱く人の方が約2倍と多いものの、AI活用を好ましくないと考える人もある程度いることが分かった。
出典元:プレスリリース

■総論

生成AIの認知・利用状況については3か月前とほとんど変わりなく、認知率については頭打ちになっていると考えられる。しかしながら、認知している人の内訳を見ると、「少し知っている」の割合が高く、知識の伸びしろがあることも分かった。

勤務先における生成AIに対する捉え方の調査においても「わからない」が最も多く、今後の生成AIの利用と普及には、知識向上と理解促進が重要と考えられる。

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