■『HELASオンラインマルシェ』とは
総農家数が全国で最も多く*、野菜・果物の収穫量も全国トップクラスを誇る長野県。しかし、サイズや形、色などが原因で出荷できず廃棄せざるを得ない農産品も多く存在する。『HELASオンラインマルシェ』は、信濃毎日新聞社が運営するスマートフォンアプリとヤマト運輸が連携し、農業生産者が出荷できなかった野菜や果物を全国の消費者にマッチング販売・配送する仕組みである。規格外品とはいえ、正規品と同等の新鮮でおいしい信州の野菜と果物をリーズナブルに購入できる。
*総務省統計局「都道府県別総農家数(令和2年)」
■『HELASオンラインマルシェ』が目指す目標およびメリット
- 日々廃棄されている規格外野菜を消費者とマッチングし、食品ロスを削減する。
- 農業系の食品ロスを「見える化」する。
- 消費者は正規農産品と同品質の信州産の野菜・果物をお得に購入できる。
- 小規模な農家が通信販売の手法を手に入れ、販路を拡大できる。
■サービス開始の背景
農林水産省及び環境省によると令和4年度の食品ロス量は472万トンであり、そのうち食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は236万トン*だった。従来の「HELAS」では、長野県内における事業系食品ロスの「見える化」を目的とし、食品小売店や飲食店と消費者の間でロス食品のマッチング売買を行っている。しかし、農業が盛んな長野県では、野菜・果物の生産現場で発生する「畑のロス」の有効活用が地域課題となっていた。ヤマト運輸からの提案を受け、出荷できない野菜や果物を流通させるため、今回の『HELASオンラインマルシェ』のサービスがスタートすることになった。
信濃毎日新聞社は、地域課題を報道するだけでなく、その発信力を活かし、ヤマト運輸とともにSDGsの観点から食品ロス削減支援事業の実践に努める。
*農林水産省による食品ロス量(令和4年度推計値)公表値
■信濃毎日新聞社が運営するスマートフォンアプリ「HELAS」をバージョンアップ
昨年7月にリリースしたスマートフォンアプリ「HELAS」は、食品小売店、飲食店が余ってしまいそうな食品を出品し、長野県内のアプリユーザーが商品を購入する仕組みだった。今回の『HELASオンラインマルシェ』では、「HELAS」の機能を拡張し、ヤマト運輸の「宅急便産直サービス」を活用したシステムを新たに構築。これにより、売買成立後は集荷から配送までスムーズに行うことができるようになった。
■ヤマト運輸との業務連携によるスムーズな集荷配送
ヤマト運輸との連携により、農家にとってスムーズな集荷、発送が可能となる。また、特別配送送料が適用され、最大63.3%引きの送料が設定される。
■売り手は長野県内の農業生産者
HELASオンラインマルシェでは、規格外品や余剰作物を販売したい長野県内の農家を募集している。初期費用や月額費は一切かからず、売買成立時のみ手数料が発生する。
■買い手は全国のスマートフォンアプリユーザー
消費者は、スマートフォンで手軽にお得な商品を購入することで、楽しみながら食品ロス削減を実践できる。アプリの利用登録は無料で、商品購入代金(送料含む)以外の費用はかからない。
■飲食店経営者、食品加工製造者の利便性
『HELASオンラインマルシェ』は、食材費の削減に活用できる。