はてな、技術の力でインタビュー実施後の発話分析を支援する、企業向け新サービス「toitta」ベータ版を公開

株式会社はてなは、本日2024年7月26日より、企業向け新サービス「toitta(トイッタ)」のベータ版を公開した。正式リリースに向けて、本日より、ベータ版利用を希望する企業の先行申込受付も開始する。

■「toitta(トイッタ)」について

https://ja.toitta.com

はてなが開発した「toitta」は、デザインリサーチやマーケティングリサーチなどのインタビュー結果の分析プロセスを支援する生成AIを活用した発話分析ソリューションである。リサーチャーが発話情報の分析までのスピードを高精度な書き起こしと切片の生成で加速するとともに、切片を活用した深い洞察によるインサイトの発見、仮説の精緻化などの分析プロセスをサポートする。ベータ版では、インタビューの録画・録音データからの書き起こしと、リサーチ対象者の発話を分析可能な形式に自動抽出する切片生成、各種データの組織内での共有や管理という「toitta」の基本機能のみを提供している。

正式リリース以降は、切片のラベル付け・グループ化・フィルタ表示などの手動操作はもちろん、親和図法(※)などの質的データ分析手法に準じたデータのビジュアライズや、複数のインタビュー結果を横断した質疑回答のクロス集計表生成など、リサーチ結果の洞察を通してインサイトを発見するさまざまな機能の提供を予定している。

※リサーチの分野で利用されている発話データを取り扱うための手法で、代表的なものにKA法・KJ法などがある。

■インタビュー調査の分析における課題

製品・サービスの開発や改善、またはマーケティング施策への活用などを目的としたインタビュー形式の調査では、リサーチ対象者に対する深い洞察に基づくインサイトの発見や仮説の精緻化を目的に、発話情報に対して親和図法などの質的データ分析の手法を用いるケースが増えている。しかし質的データ分析を実施するには発話情報のテキスト化やデータとして扱うための適切な形式への変換(切片化・コーディング)といった前処理の作業に多くの時間や工数がかかるため、調査における分析プロセスそのものにスピーディーに到達できないという課題がある。また、適切な分析には体系的な知識と経験が必要であり、精緻な分析を行うことが困難である企業も多いため、はてなはこうした課題を解決し、リサーチ担当者がユーザーや顧客の「何と言ったか」に注力できるサービス「toitta」を開発した。

toittaは、製品やサービスの開発・改善やマーケティングのプロセスにおいて、ユーザーや顧客、消費者の「声」に向き合い、リサーチ対象者への多角的な洞察を起点とし、新たなインサイトの発見や仮説の精緻化までのスピードを加速する。

■「toitta」の特徴

高速な質的データ分析を実現するために、LLMをベースにリサーチ業務に特化した独自の技術群を用いて、分析の基礎となる切片データを自動生成していることがtoittaの特徴である。高精度な切片生成を実現し、さらに切片の生成元である対話の文脈やトーンをより深く理解するために、高精度で読みやすい書き起こしデータを出力することにもこだわっている。
様々な個人・法人向けサービスの開発に携わってきたはてなも、インタビュー実施後の発話分析に関する課題や困難に直面してきた。toitta自身も、ユーザーの「声」によって進化を続けるプロダクトを目指している。

■正式リリースに向けて

正式リリースは2024年8月下旬以降を予定している。ベータ版で提供する基本機能と拡張機能を実装予定であり、その後の継続的な機能開発により、toittaはインタビューデータの分析・共有・管理に貢献し、サービス開発や改善に関わる担当者・チームの効率化と生産性向上を支援する。

今後の提供予定の機能

切片に対してのメタデータ登録、管理、検索機能
質的調査の分析手法に準じた親和図の自動生成
複数のインタビュー結果を横断した質疑回答のクロス集計表生成
任意のリサーチクエスチョンに応じたインタビュー結果の要約
リアルタイムでの書き起こし・切片化

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