生成AIの業務利用者の43.6%が「業務効率が大幅に向上した」と回答【GMOリサーチ&AI】

認知度に対して利用率が依然低い状況、課題はスキル不足と技術・予算の制約

GMOインターネットグループで、インターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ&AI株式会社は、保有する国内モニターパネル(※1)「JAPAN Cloud Panel」のモニター1,103人を対象に、AIトレンドに関する自主調査を実施した。本調査は、AIに対する理解を深め、多くの人がAIを活用し、社会の発展に貢献することを目的とした定点調査だ。2023年11月に初めて実施し、今回が4回目となる(※2)。

■調査サマリー

・認知度は約70%で停滞、利用率は38.4%と依然低水準ながら4.7ポイント増加
・利用目的は「業務効率化と文書作成」が最多。「専門的な知識の調査と確認」など活用幅が広がっている
・業務利用者の43.6%が「業務効率が大幅に向上した」と回答
・導入における課題はスキル不足と技術・予算の制約

■調査概要

・調査テーマ:AIトレンドに関する自主調査
・調査地域:日本国内
・回答者数:1,103名
・調査対象:15歳以上の男女
・調査期間:2024年8月19日~8月20日
・調査方法:オンライン調査
(※1)パネルとは、アンケート協力の承諾を得ている会員一人ひとりであるモニターの集合体。
(※2)2023年11月 1回目調査 URL:https://www.gmo.jp/news/article/8724/
      2024年2月 2回目調査 URL:https://www.gmo.jp/news/article/8882/
    2024年5月 3回目調査 URL:https://www.gmo.jp/news/article/9016/

■調査結果

生成AIの認知と利用状況(2023年11月~2024年8月の比較)

・生成AIの認知度は約70%で停滞、利用率は38.4%と依然低水準ながら4.7ポイント増加
生成AIの認知と利用状況について尋ねたところ、「知っている人」(非常によく知っている・ある程度知っている・少し知っている)は70.2%と、今年2月の71.1%、5月の72.1%からほとんど変化がなく、停滞が続いている。利用状況については、「使ったことがある人」(日常的に使っている・ときどき使っている・ほぼ使わない)が今年2月から5月では、わずか0.2ポイントの増加とほぼ横ばいだったが、今年8月では38.4%と、5月の33.7%と比較して4.7ポイント増加し、やや伸びが見られた。今後、さらなる成長の余地があると言える。
出典元:プレスリリース

生成AIの利用目的(2024年2月~2024年8月の比較)

・利用目的は「業務効率化と文書作成」が最多。「専門的な知識の調査と確認」など活用幅が広がっている
生成AIの利用目的について尋ねたところ、今年2月から8月で回答率の平均が最も高かったのは「業務効率化と文書作成」、次いで「テキストの自動校正や要約作成」、続いて「専門的な知識の調査と確認」であった。また、期間全体での変化が最も大きかったのは「業務効率化と文書作成」であり、34.7%から46.8%へと12.1ポイント上昇した。次いで、「専門的な知識の調査と確認」では25.1%から32.8%へと7.7ポイント増加した。これらの結果から、業務効率化や文章作成支援ツールとしての地位を確立しつつある一方で、専門知識の調査など、新たな可能性も模索されている段階であると言える。
出典元:プレスリリース

生成AIによる業務への影響・利用拡大における課題(2024年8月時点)

・業務利用者の43.6%が「業務効率が大幅に向上した」と回答
・導入における課題はスキル不足と技術・予算の制約
生成AIの導入が業務プロセスに与えた影響について複数回答にて尋ねたところ、「業務効率が大幅に向上した」の回答率が43.6%、「特定のタスクの品質が向上した」が38.5%と高く、生成AIが単純作業や反復的なタスクの自動化・迅速化、およびプロセスの正確性や一貫性の向上に寄与している可能性を示唆している。一方、業務での生成AI利用拡大における課題については、「スキル不足」、「技術的な制約」、「予算の制約」が顕著である。特に「スキル不足」が38.5%と最も回答率が高く、業務で生成AIを有効活用するためには、社員のスキル向上や教育が不可欠であることが示唆される。
出典元:プレスリリース

■総論

生成AIの認知度が約70%という高さにもかかわらず、利用率は徐々に上昇しているものの、まだ低い水準にとどまっている。現状では「業務効率化と文書作成」、「テキストの自動校正や要約作成」といった用途が主流であり、業務効率化や文章作成支援ツールとしての地位を確立しつつある。同時に、「専門的な知識の調査と確認」など活用の幅も広がっており、将来的にはより多様な分野での応用が期待できる。実際の業務への導入による効果としては、効率向上と品質向上に効果を実感する声が上がっており、生成AIは着実に成果を上げていることが分かる。一方で、人材育成、技術的制約、予算などの課題が広く認識されており、これらは今後の普及と発展の鍵となるだろう。

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