生成AIを活用した試験問題生成技術の特許を取得問題生成に特化したアプローチで複数選択肢の問題生成が可能に【GMOメディア】
2024/10/11
AI活用で教務DXからリスキリングまでの支援を目指す
本特許技術は、目的に応じた情報ソースを読み込ませることで、その情報に沿った複数選択肢の問題を自動的に生成できる技術だ。GMOメディアではこの技術を活用し、科目「情報Ⅰ」の小テストを簡単に作成できる「コエテコStudy byGMO」を提供している。
(※1)「クイズGPT」は、GMOメディアの登録出願中商標である。
■特許技術の概要
・作成フロー
①システム操作者が作問したい問題のテーマを入力
②生成AIエンジンが目的に応じた情報ソースから取り込んだ情報を管理している外部記憶データベースより、作問したいテーマの情報を入手
③生成AIエンジンは、取得した情報をもとに、X択問題(複数選択肢)とその解答および解説文を作成
④システム操作者が生成された問題を選定して問題管理データベースへ登録
⑤教員が「コエテコStudy byGMO」で出題範囲を教科書のページ数などで指定して小テストを作成
■本技術の特徴
GMOメディアでは、2024年8月に本技術と同様の「クイズGPT」という問題生成技術で特許を取得している。この「クイズGPT」は、問題自体に敢えてハルシネーションを起こし、問題文の正誤を問う〇×問題の生成が可能な技術となっている。(ハルシネーションを起こした問題例:世界で一番高い山は富士山である。→正解:×)
一方、本技術では、生成AIに問題を作成させる際に一般的に使用されるRAG(※2)やファインチューニング(※3)といった技術を活用したアプローチを採用している。これにより、問題自体へのハルシネーションを抑え、解答の選択肢に敢えてハルシネーションを起こす仕様にしている。こうした技術のコントロールにより複数選択肢の中に正答と誤答を含める問題の生成が可能となる。
本特許技術 | クイズGPT | ||
発明の名称 | 問題生成装置、問題生成方法および問題生成プログラム | 問題生成装置、問題生成方法および問題生成プログラム | |
発明の特徴 | 解答の選択肢にハルシネーションを起こし複数の選択肢がある問題を生成 | 問題自体にハルシネーションを起こして 〇×で解答する問題を生成 | |
主な活用事例 | 試験問題の生成 | 〇×クイズの生成 | |
特許番号 | 特許 第7566195号 | 特許 第7546809号 | |
特許取得日 | 2024年10月3日 | 2024年8月29日 |
(※3)ファインチューニングとは、学習済みの生成AIに独自のデータを追加で学習させ、新たな知識を蓄えたモデルを作り出す技術のこと。
■特許技術の活用実績
小テスト作問ツール「コエテコStudy byGMO」で教務DXを支援
技術的な特徴
・出題される問題の一例:キーワード「ビッグデータ」
①説明を元に用語を回答する問題
【問題】
次の説明にあてはまるものを選択肢から選びなさい。
「大量かつ多様な形式のデータを指し、インターネットやセンサー、観察、調査などを通じて収集され、解析されて有益な情報や知識として活用されるもの」
【選択肢】
・クラウドコンピューティング
・ビッグデータ(正解)
・機械学習
・IoT
②用語を元に正しい説明を回答する問題
【問題】
次の中から、「ビッグデータ」の説明として適切なものを選びなさい。
【選択肢】
・小規模なデータセットを指し、個々のデータが詳細に解析される。
・大量かつ多様な形式のデータを指し、解析されて有益な情報や知識として活用される。(正解)
・特定のアルゴリズムを用いてデータを圧縮する技術。
・インターネット上での通信速度を向上させるための技術。
③用語を元に不適切な説明を回答する問題
【問題】
次の中から、「ビッグデータ」の説明として不適切なものを選びなさい。
【選択肢】
・ビッグデータは、大量かつ多様な形式のデータを指し、インターネットやセンサー、観察、調査などを通じて収集されます。
・ビッグデータは小規模なデータセットであり、解析は比較的容易です。(正解)
・ビッグデータの解析により、新たな洞察が得られ、企業の戦略立案や科学的発見に役立ちます。
・ビッグデータは、新しい知識を創出するための原材料として利用されます。
④用語が正しい文脈で使用されている文を選ぶ問題
【問題】
次の中から「ビッグデータ」の用途として適切な文章を選びなさい。
【選択肢】
・ビッグデータを使って、家庭の電力消費を手動で監視することができる。
・ビッグデータを使って、小規模なデータセットの解析を効率化することができる。
・ビッグデータを使って、企業の戦略立案や科学的発見に新たな洞察をもたらすことができる。(正解)
・ビッグデータを使って、手紙の送料を安くすることができる。
■今後の展望
さらに、「コエテコStudy byGMO」だけではなく、クイズプラットフォーム「まいにちクイズボックス byGMO」で提供するクイズへの活用も予定している。
GMOメディアでは、今後もAI技術の進化を取り入れながら、特許技術を活用してサービスの拡充や、社会課題解決への貢献に努めていく。
■特許概要
特許番号 | 特許第7566195号 |
発明の名称 | 問題⽣成装置、問題⽣成⽅法および問題⽣成プログラム |
特許権者 | GMOメディア株式会社 |
出願番号 | 特願2024- 075733 |
登録日 | 2024年10月3日 |