12月17日オープン、「Maison KOSÉ」を先行体験リポート!体験型ストアを軸に描く、コーセーのオムニチャネル戦略
2019/12/11
いよいよ来週17日、銀座にオープンする、コーセーの新しいコンセプトショップ「Maison KOSÉ(メゾンコーセー)」。目玉となる体験型コンテンツを、一足先にリポートする。
2階に上ればその全貌がわかる。コーセーが取り扱うほぼすべてのブランドが一堂に会しているのだ。従来のストアの陳列とは異なることは一目瞭然。これまでコーセーはブランドごとに商品をPRしてきたが、この店舗ではスキンケアやメイク、ヘアケア用品に至るまで、ブランドを横断し、カテゴリーごとにアイテムが配置されている。“Find Your Own beauty” をテーマとしていて、ブランド軸にとらわれないアイテム選びができるようにしてあるという。
デジタル活用でパーソナルな体験と新しい化粧・美容を提案
さらに、今回の内覧会で記者団を驚かせたのが、理想顔とのギャップを即時に埋めてしまう、とある技術だ。
下の写真のモデルは、実は右か左の頬に薄いシートを貼って、毛穴やシミを隠しているという。あまりに自然な馴染み具合だった。一見して見分けることはできない。
現在は商品化されていないものの、Maison KOSÉでSnow Beauty Mirrorを試した際に、サンプルをオーダーできるという。
一般的なネイルプリンターは、塗料を塗布する前に、爪の周りをマスキングして、プリントの“ズレ”や“はみだし”をカバーする必要があるというが、このプリンターはカシオのカメラ技術を用いて、一人一人の爪の形を分析。マスキングなしに爪の淵まで、きれいに塗料をのせることができるという。
Maison KOSÉでは、一人10~15分の所用時間で指一本分を試すことができる。
特にBeauty Snow Mirrorでは、肌質に関する実際のデータを蓄積することができ、そのほかの商品開発にも役立てることができるだろう。Maison KOSÉは、消費者をも巻き込んだオープンイノベーションを実現する実験場でもあるのだ。
コンセプトストアとオウンドメディアを軸としたコーセーのオムニチャネル戦略
これは、店舗を情報発信のためのひとつのメディアと位置づけているからだろう。
実は、コンセプトストアのオープンに先駆け、コーセーは11月に自社ホームページをリニューアルし、EC機能を持ち合わせたオウンドメディア「Maison KOSÉ」(https://maison.kose.co.jp)を立ち上げている。ブランドを横断した商品紹介や店舗検索を可能とした。また同時にポイントプログラム「Maison KOSÉ Rewards」を導入し、オウンドメディア上、あるいは今回オープンするコンセプトストアでの顧客の活動に応じてポイントを付与。ECで商品を購入するときに発生する手数料、送料等に充てることができるという。
まさに、ウェブと実店舗を結びつけるオムニチャネル的発想だ。
コーセーは、オウンドメディアとコンセプトストアを総称して「Maison KOSÉ」としていて、「お客様との新たな接点づくりの一貫として開発を進めているデジタルプラットフォームと融合させた新しいサービス」と位置付けている。
消費者の購買行動が大きく変わっていくなかで、コーセーが打ち出した「Maison KOSÉ」というコンセプトが、コーセーというブランドそのものをどう変革させていくのか注目していきたい。
オープン日:2019年12月17日(火)
住所:東京都中央区銀座7-10-1
営業時間:11:00-20:00(不定休)