スマホ決済の種類をメリットと合わせて解説!おすすめのスマホ決済サービスも紹介

2019年以降、キャッシュレス決済を利用できるリアル店舗が増え、とくにスマホ決済の普及が進んでいます。数々のスマホ決済が登場し、しのぎを削る現在。そこでスマホ決済の種類や使用するメリットを解説し、さらにおすすめのスマホ決済サービスも紹介します。

物品を購入したり、サービスの対価を支払うとき、現金以外の方法を使うキャッシュレス決済ですが、日本では現金決済を選択する消費者が多く、キャッシュレス決済の割合は20%程度にとどまっていました。諸外国では40〜60%台の国が大半を占めるため、日本はキャッシュレス決済化が遅れている国のひとつでした。しかし、2019年を境に、日本でもキャッシュレス決済が広く普及しつつあります。とくにスマホ決済の浸透がめざましく、利用できるコンビニやスーパーマーケット、ドラッグストアなどが急速に増えています。そのひとつの要因と言われているのが、経済産業省が実施したキャッシュレス・消費者還元事業です。

2019年10月1日に消費税率が8%から10%に引き上げられましたが、この増税による消費の落ち込みを抑止するため、消費者が商品を購入する際にキャッシュレス決済を選択すると、支払先が中小企業なら5%、フランチャイズ店舗でも2%をポイント還元するといった施策が行われました。あわせてキャッシュレス決済に必要な設備を店舗が整えやすくするため、加盟店が事業者に支払う手数料の1/3を国が補助する制度や、決済の端末を導入する費用の2/3を国が負担する制度も整備されました。

そのため、これを機にシェアを勝ち取ろうという事業者が積極的に参入し、一定の期間内の加盟店手数料を無料にしたり、大規模なキャッシュバックキャンペーンを行うことで、消費者の囲い込みを目指しました。その結果、消費者の選択肢が広がり、利用できるスマホ決済の種類も豊富になりました。ただ急速に広まった一方で、スマホ決済を利用するメリットや種類の違いを把握できていない消費者もいます。ここではスマホ決済の基本を解説しつつ、おすすめのスマホ決済サービスについても紹介していきます。

スマホ決済の方法は2種類に分けられる

利用者が増えているスマホ決済ですが、大きく2種類に分けることができます。非接触型決済(非接触IC決済)とQRコード決済です。それぞれどんな決済なのか、解説しましょう。

非接触型決済(非接触IC決済)

非接触型決済(非接触IC決済)は、多くのスマホに搭載されているNFCやFeliCaやBluetoothといった無線通信技術を活用した決済です。決済アプリをインストールしたスマホ端末を機器にかざすだけで支払いが完了します。

決済アプリにはクレジットカードを紐づけることで、後払いに対応しているタイプのほか、コンビニの店頭や専用の端末で事前に電子マネーをチャージして支払いを行うタイプがあります。JR東日本のモバイルSuicaなど交通機関が運営しているスマホ決済サービスのほか、楽天Edyやnanacoモバイル、QUICpayモバイルといった電子マネーもこれに該当します。

QRコード決済

もうひとつはQRコード決済です。支払いカウンターのレジに設置された専用のQRコードをスマホのカメラで読み取る、もしくはスマホの決済アプリでQRコードやバーコードを表示して、お店のバーコードリーダーで読み取ることで支払いが完了するというものです。NFCやFeliCa、Bluetoothといった無線通信技術が搭載されていないスマホでも利用できる点、一般的なレジで利用されているバーコードリーダーで読み取りができるというメリットがあります。さらに店側がコストをかけて専用端末を新たに用意する必要がないことから利便性が高く、普及が進んでいます。テレビCMでも見かけるPayPayやLINE Pay、あるいは楽天ペイ、au PAY、メルペイ、d払いといったサービスがこれにあたります。

スマホ決済を利用する5つのメリット

利用シーンが広がり、ユーザーが増えているスマホ決済ですが、使用するとどんな利点があるのでしょうか? 代表的なメリットを5つ挙げてみました。

メリット1|財布を持ち歩く必要がなくなり手早く支払いできる

コンビニやスーパーマーケット、ドラッグストア、さらにレストランなど、スマホ決済が利用できる店舗が増えています。そのためスマホがあれば、買い物や各種支払いができるようになってきており、財布を持ち歩かない生活も可能になりつつあります。

また、スマホ決済なら、小銭を取り出したり、あるいはおつりを受け取ったりする必要がなく、支払いをスピーディーに済ませることができます。加えて、こまめにATMから現金を下ろす必要がなくなります。預金を引き出すときにかかる手数料はバカになりません。スマホ決済なら、その分の手数料を節約することができます。

メリット2|支払い履歴を確認できる

スマホ決済のメリットとして、容易に支払い履歴の確認できる点があげられます。無駄な出費を抑えた節約生活を送る第一歩は、毎月の支出を把握することです。中には家計簿を付けている人もいるでしょう。最近は便利な家計簿アプリも登場し、レシートを撮影するだけで支出を把握できるものもありますが、煩雑な点もあり、一念発起してはじめたのに、すぐに挫折してしまう人もいます。一方、スマホ決済アプリなら、取引の履歴を簡単に確認することができます。どこでどんなものを購入し、どれくらい消費しているのか、月々のお金の動きが可視化でき、無駄を省くことができます。現金で決済しているよりも、簡単に出費を管理できるようになるはずです。さらに、支払い履歴を確認する習慣ができると、もし万が一、アプリが不正利用されたとしても、すぐに気づくことができます。

メリット3|ポイント還元や割引サービスを受けられる

多くのスマホ決済サービスでは、ポイント還元や割引サービスを行っています。ポイントの還元率は一律ではなく、各社によって規定が異なりますが、一般的に会計額の0.5〜1.5%程度が、ポイントとして還元される仕組みになっています。還元率が1%だったとしたら、1000円の買い物で、10ポイントが貯まることになります。

ポイントは代金の支払いに使うことができ、その分、お得な買い物ができます。また、加盟店によっては指定されたスマホ決済アプリを使用すると、その店舗で利用できるクーポンが発行したり、割引サービスを実施しているケースもあります。さらに、一時的に還元率がアップしたり、抽選で支払額の一部(中には全額)がポイントとして戻ってくるキャンペーンを実施する事業者もあります。こうしたポイント還元や割引サービスは現金決済にはないメリットです。

メリット4|審査不要で使用できる

スマホ決済アプリは、同じくキャッシュレス決済のクレジットカードとは異なり、利用を開始するにあたって、与信審査を受ける必要がありません。アプリをダウンロードし、利用者登録が完了すれば、残高をチャージして、すぐに使うことができます。これは信用取引の後払い(ポストペイ)方式ではなく、先に代金を支払って残高をチャージすることで利用できる前払い(プリペイド)方式を採用しているからです。ただ、クレジットカードとアプリを紐付けたり、銀行口座からの引き落としにしたり、あるいは携帯電話の利用料と一緒に支払うキャリア決済が利用できるスマホ決済アプリもあり、これらを利用する場合には事前審査が使用になるケースがあります。

メリット5|セキュリティ対策が万全

スマホ決済には、不正な利用を防止するために、さまざまなセキュリティ対策が取られています。たとえば、アプリを起動する際に暗証番号や生体認証を設定することができます。もし、万が一、暗証番号が第三者に知られ、別の端末からのアクセスを検知すると、SMS(ショートメッセージ)で本人確認を行う通知が届く二段階認証の仕組みもあります。また、スマホの画面に表示されるQRコードから、個人情報や支払いに関するデータを盗み取ることは困難ですが、QRコード自体も数分で使用期限が切れて、利用できなくなります。それでも、何らかの手口によって、不正利用されてしまうことがあるかもしれません。そんなときも申請を行うと全額補償してくれる制度を設けている事業者があります。もし、身に覚えがない請求や支払い履歴を発見したら、事業者に問い合わせてみましょう。

スマホ決済サービスの選び方

スマホ決済の便利さやお得感が広まったことで、利用者が急増しているスマホ決済サービスですが、その分、多くの事業者が参入しています。そのため、どれを使おうか迷っている人もいるかもしれません。ここからは、よりお得に利用できるスマホ決済サービスの選び方を解説します。

ポイント1|還元率で選ぶ

スマホ決済サービスの選び方の一つ目は、ポイント還元率で選ぶという方法です。多くのスマホ決済サービスでは、利用額に応じて、ポイントが貯まる仕組みになっています。たとえば還元率が1%なら1000円の買い物をすると10ポイント貯まる計算になり、還元率は一律ではなく、事業者によって変わります。また、定期的にキャンペーンを実施して、その期間はポイント還元率が上がるといったサービスを行う事業者もおり、変動することがあります。還元率の良いサービスを選ぶことと、その分、お得に利用することができるので、気になったスマホ決済サービスがあれば、比較してみると良いでしょう。ホームページなどで公表されているので、簡単に見つけることができるはずです。

ポイント2|加盟店の豊富さで選ぶ

スマホ決済を導入している店舗であっても、必ずしもすべてのスマホ決済が使えるとは限りません。PayPayだけ、モバイルSuicaだけといった具合に、一部のスマホ決済にしか対応していない店舗もあります。どのスマホ決済に対応しているかは、レジの周辺、あるいは店頭に表示しているケースが多いので、日頃、よく利用している店舗がどのスマホ決済に加盟しているのか、確認して、そのスマホ決済サービスを選ぶというのも一つの方法です。いくら還元率がよくても、利用できる店舗が少なければ、使う機会が減ってしまうでしょう。

また、複数のキャッシュレス決済を使い回していると、ポイントが貯まりにくいというデメリットがあります。

ポイント3|支払いのタイミング

さらに支払いのタイミングで選ぶという方法もあります。スマホ決済の支払いタイミングには3つのパターンがあります。ひとつは前払い(プリペイド)で、スマホ決済を利用する前に、アプリに入金(チャージ)し、その残高から支払いを行うという方式です。入金する手段は複数あり、店頭にある専用の端末を使ってチャージする、銀行のATMからチャージする、登録した銀行口座からチャージするといった方法が代表的です。残高がなくなるたびにチャージをする必要がありますが、その反面、使い過ぎを抑止できる面もあります。そのような使い方が自分にあっていると感じたら、前払い(プリペイド)型のスマホ決済を選びましょう。

二つの目の支払いタイミングは、後払い(ポストペイ)です。アプリに事前にクレジットカードを登録して、紐づけておくことで、クレジットカードで支払いを行うことになります。買い物時はカード会社が代金を立て替えていることになるため、翌月、カード会社からの請求によって引き落としされます。ある程度、金額の大きな買い物に使いたい人や、スマホ決済の利用頻度が多く、いちいちチャージするのが面倒に感じる人はこちらを選ぶと良いかもしれません。

そして、3つ目が即時支払い(リアルタイムペイメント)です。デビットカードがこの方式ですが、スマホ決済を行うと、連携している口座からすぐに代金が引き落とされる仕組みになっています。事前のチャージが必要ないという点では後払い(ポストペイ)に似ていますが、すぐに引き落とされるため、口座に入っている残高の範囲でしか、買い物をすることができません。使い過ぎるのが不安だという人は、即時支払いを採用しているスマホ決済アプリを選ぶと良いでしょう。なお、現在、即時支払いに対応しているのはゆうちょPayです。

なお、前払いと後払いは一般的で、自分でどちらの支払いを採用するか、選択できるアプリがほとんどです。

おすすめのスマホ決済サービス

では、代表的なスマホ決済サービスの特徴を簡単に解説してみましょう。ポイント還元率はキャンペーンや利用状況によって変動します。そのため、気になるものがあれば、最新情報を調べることをおすすめします。

PayPay

PayPayはソフトバンクとヤフーが2018年10月に共同でスタートさせたスマホ決済サービスです。利用者に100億円をキャッシュバックする大規模なキャンペーンを行い、一気に知名度を上げました。加盟店が多く、200万店舗以上で使用可能な点も特徴です。QRコード決済やバーコード決済のほか、クレジットカードを紐づけた支払いや、送金や割り勘機能、ヤフー関連のネットサービスでのオンライン決済など、さまざまな利用法が可能です。還元率はおよそ0.5%ですが、キャンペーンが頻繁に開催されるため、利用するタイミングによってかなり変動します。
→PayPayについて詳しくはコチラ

LINE Pay

LINE PayはSNSで有名なLINEが提供しているスマホ決済サービスです。オンラインストアを含めた約171万店舗で使用が可能で、VISA LINEクレジットカードで支払うと還元率が最大3%と、ポイント還元率の高さが魅力です。VISA LINEクレジットカードを利用しているユーザーにはおすすめです。また、PayPayと同様にQRコード決済やバーコード決済のほか、個人間送金や割り勘機能、公共料金の請求書支払いなど、さまざまなシーンで利用できるのが特徴です。

楽天ペイ

楽天Payは、楽天が提供しているスマホ決済サービスです。楽天市場や楽天トラベルなど、楽天グループのサービスを頻繁に利用するユーザーには利用しやすいと言えます。また、楽天ペイアプリ内でSuicaの発行やチャージができる点も大きな特徴です。楽天カードと紐づけて、クレジットカード払いをすると、楽天ポイントが貯まる仕組みになっています。コンビニから家電量販店まで幅広く使える点も魅力です。還元率は0.5%程度です。

d払い

d払いはNTTドコモが2018年4月からサービスを開始したQRコード決済やバーコード決済のサービスです。ドコモの回線を契約していない人でも、自分のスマホにアプリをダウンロードして、登録をすれば、利用することができます。ドコモ回線の契約があれば、携帯電話料金と合算して支払うキャリア決済を選択することもできます。またウォレット機能もあり、チャージ残高を他の銀行口座に振り込んだり、ATMで出金することができるほか、ドコモの電話番号宛てに送金することも可能です。還元率は利用する店舗やキャンペーンの有無によって、あるいは支払い方法によっても異なりますが、実店舗での利用でおよそ0.5%、オンラインショッピングでの利用で1%程度となっています。

au Pay

au PayはKDDIグループが2019年4月から開始したQRコード決済やバーコード決済のサービスです。NTTドコモのd払いと同じように、auの回線契約がない人でも、利用することができます。楽天グループとの連携により、現在、楽天ペイの加盟店でも利用することができます。また、au PAYを利用すると、Pontaポイントが貯まるようになっているため、日頃からPontaポイントを利用している人にはおすすめです。こちらもau回線の契約があれば、携帯電話料金と合算して支払うキャリア決済を利用できます。還元率はおよそ0.5%程度となっています。

自分が使う機会が多く還元率の良いスマホ決済を選択すると良い

スマホ決済は、どのサービスを利用してもスピーディに決済ができ、便利ですが、より賢く活用しようとすると、ポイントの貯めやすさに注目したり、日頃どんなところで買い物をしているかによって選択が変わります。コンビニやスーパーマーケットなど実店舗はもちろん、ネットショッピングでの決済など、どうすれば最大限にスマホ決済を使えるのか、考えながら選ぶと良いでしょう。

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