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RPAツール導入による効果とは?具体的な効果測定方法まで徹底解説

RPAツールを導入して、業務を効率化する。そんな事務処理の自動化が大手企業を中心に広まっていますが、闇雲に導入すれば、業務が滞り、かえって時間も人材もかかってしまいます。そこで重視されているRPAツール導入による効果測定方法を解説します。
RPAツールを導入して、業務を効率化する。そんな事務処理の自動化が大手企業を中心に広まっています。矢野経済研究所によると、国内のRPA市場規模は2018年度に418億円を突破し、2022年度には800億円を超えると予想されています。少子高齢化によって、労働者人口が減少し、人材の確保が困難になりつつあります。また働き方改革が叫ばれ、より効率的な労働が求められる中で、業務の見直しが進んでいるのでしょう。まだまだ無駄が多いとされる日本の労働環境では、RPAツールによる自動化は最適な解決策となります。ただ、闇雲にRPAツールを導入すれば、業務が滞り、かえって時間も人材もかかってしまいます。そこで、RPAツール導入による効果測定が重要視されるようになっています。ここではRPAツールの具体的な効果測定方法を解説します。

そもそもRPAとは?

RPAはRobotic Process Automation(ロボティックプロセスオートメーション)の略で、「ロボットによる業務の自動化」を意味します。ビジネスの世界において、ロボットを活用して業務を効率化する試みは、いまにはじまったことではありません。大量生産の大規模工場や、製鉄所など危険が伴う製造工程、半導体などの微細な加工を行う現場では1950年代からオートメーション化がスタートしています。一方でホワイトカラーの事務作業では長らく人の力に頼っていました。手間や時間のかかるルーティンワークであっても、人手をかけて処理されてきました。しかし、労働者人口の減少や残業の廃止など働き方改革が推奨される中で、不足する人材を補う手段としてソフトウェアを使って、自動化しようという発想が広がりました。それがRPAです。RPAではサーバーやデスクトップに専用の自動化ツールをインストールし、人が行なっているオフィス業務の手順をソフトウェア型ロボットに覚えさせることで、自動的に実行させます。ミスなく大量の処理を行うことができ、人件費の削減や業務の効率化が期待できます。そのため「デジタルレイバー(Digital Labor)」や「仮想知的労働者」とも呼ばれることもあります。

RPAの3つの種類

ロボットによる業務の自動化を意味するRPAですが、実は3段階の自動化レベルがあります。初期段階がRPAで、次の2段階目がEPA、そして最終段階がCAになります。それぞれどんな状態を指すのか、簡単に説明します。

クラス1:RPA

RPAは自動化の初期段階で、現在普及しているRPAツールのほとんどがこの段階にあります。情報取得や入力作業、あるいは検証作業といった、定型的な業務を自動化します。現在、人が行なっている操作と同様の作業をロボットに記憶させ、忠実に再現して、処理していくことができます。人が行った場合には集中力の欠如やミスによって、誤った処理が行われることがありますが、あらかじめ決められた方法にしたがって処理するため、人為的なミスを防ぐことが可能となります。

クラス2:EPA

自動化の次のステージがEPA (Enhanced Process Automation)です。RPAにAIを組み合わせることで、定型ではない作業も自動化されます。たとえば、既存の画像をもとに新たな画像をカテゴリ分けする画像解析の機能や、人間の曖昧な言語から内容を抽出する自然言語解析、ビッグデータからの傾向分析などがこれにあたります。大量のデータを処理するだけではなく、分析が可能な点からRPAと区別されます。

クラス3:CA

最終段階がCA (Cognitive Automation)です。高度に自律化されており、結果だけではなくプロセスを分析し、改善や意思決定まで自動で行うことができます。いわゆるディープラーニングや、翻訳などのより高度な自然言語解析が可能となります。より自立的に判断し、その結果を出力できる点からEPAとは区別されます。

RPAの導入で得られる効果とは?

RPAは業務を自動化する手法ですが、導入することでどんな効果が得られるのでしょうか? 自動化で得られる効果・メリットを整理しておきましょう。

定型業務の効率化

RPAでは、これまで人が行っていた定型業務をロボットが代わりに処理してくれます。ロボットは正確かつスピーディに業務を実行してくれるため、膨大な量のデータ処理でも人力とは比べものにならない速度で完了させることができます。人が作業する場合には、数が増えれば増えるほど、集中力を欠き、効率が悪くなっていきますが、RPAなら最初から最後まで処理のスピードはほとんど落ちることがありません。人と時間をかけていた定型業務を効率化させることができます。

業務内容を可視化できる

人が行っていた作業をRPAに記憶させることから、自動化はスタートします。そのため、業務の手順やフローを整理するプロセスが発生します。それまではマニュアルがなく、人伝てで引き継いでいたような業務であっても、ロボット相手では必ず明文化させる必要があります。この作業の過程で業務プロセスを可視化されます。実は不要だった業務が把握できたり、より効率的な方法への改善につなげることができるといった、思わぬ発見があるのもRPAの導入で得られる効果のひとつです。

働き方改革の推進

近年、労働力人口の減少への危惧から、長時間労働の解消や、非正規と正社員の格差是正、高齢者の就労促進など、労働者にとって働きやすい環境を整える、働き方改革の推進が叫ばれています。とくに日本では長時間労働を良しとする風潮があり、残業代のつかないサービス残業が問題視されてきました。そのため定時で退社し、従業員の生活と仕事のバランスを考えるワークライフバランスを重視する動きが広まっていますが、RPAの導入はその一助となります。ロボットが事務処理を行うRPAによって、従業員の労働負荷が減り、適切な労働時間に是正することができます。

ミスを抑えながら業務を進められる

ロボットは決められたフローに従って、業務を遂行します。指示されていない動作は決して行わないため、人間による作業なら発生する単純な見落としや漏れといったミスをなくすことができます。確認作業も大幅に減り、業務が飛躍的に効率化します。

人材不足を解消できる

ロボットで代替可能な作業はすべてロボットに担当させることで、これまでその作業に費やしていた人材や時間を他に振り分けることが可能になります。限られた人員を配置すればよく、そのなかで最大限の成果を出すことができるようになります。

コストを抑えた事業運営ができる

RPAツールを使用するライセンス料や通信費は発生しますが、その分、人件費を削減することができるため、コストを抑えた事業運営が可能になるのもRPA導入の大きなメリットです。あわせてさまざまな労働トラブルとも無縁になります。

現場レベルで柔軟にシナリオを変更できる

RPAツールの良い点は、ある事務処理が終わったら、別のシナリオに手順を書き換えるだけで、すぐにまた全ロボットを稼働させることができることです。もし、人力で作業しているのなら、ひとりひとりに作業手順を教え込む時間や労力が必要で、教育に費やしていた時間や人材が不要となります。RPAツールが行う処理自体はルールに縛られた単純作業ですが、柔軟にシナリオを変更して、現場の状況にあった運用することが可能となります。

RPA導入効果の測定方法とは?

RPAを導入してみたいけれど、費用対効果が分からずに導入を断念する企業も多いといいます。また、実際にRPAを導入したけれど、その効果を測定するときにも、何を指標にしていいのかわからない、といった声を聞きます。そこでRPA導入効果の測定方法を検証します。

定量的な効果測定

RPAを導入することで期待できる効果を検証する方法として、定量的効果があります。これは1件の処理にかかる時間と1年で処理できた件数、そして担当者の時給を掛けることで、削減できた人件費を算出するという方法です。削減することができた人件費から、RPAのライセンス料や保守運用などの費用を差し引くことで、定量的効果による投資対効果を測定することができます。

定性的な効果測定

定性的な効果測定では、数値で評価しにくい効果を測定していきます。RPAで業務を自動化することで、人間が操作することによる人的ミスを削減することができます。ミスが発生すれば、調査にかかる費用や再処理の手間や残業代を減らすことが可能となり、さらにミスによる損害の発生や、売上機会の損失を防ぐことができるようになります。

RPAを導入する際の注意点

RPAを導入すれば、これまで人に頼っていた単純作業をロボットで代用することができるようになります。RPAを導入する際の注意点を整理しておきましょう。

情報漏洩のリスクが高くなる

ネットワークにつながったサーバでRPAツールを使う場合には、ログインに必要なIDやパスワードが外部に漏れただけで、不正アクセスのリスクが発生し、情報が漏洩する可能性が高まります。経理に関する情報など、事務処理では機密情報を取り扱うことも多く、RPAの導入によって、セキュリティに対するリスクが高くなるというデメリットがあります。

システムトラブルにより業務停止する場合がある

RPAはシステム障害やバグが発生すると、作業が止まってしまう危険性があります。通信障害など外部のサーバーにトラブルが発生するケースもあれば、パソコンやサーバーの能力を超えるような負荷の高い動作を実行することで、パソコンやサーバーがダウンしてしまうこともあります。もし、予期せぬ形でサーバーがダウンすると、保存データや作業中のデータが消失してしまうリスクもあります。人力による業務では発生しないトラブルだと言えます。

業務がブラックボックス化する危険性がある

RPAツールはプログラミングの知識がなくても、基本的には操作画面にしたがって、シナリオを作成し、実行させることができます。ただ、設定が上手くいかないとき、カスタマイズしたいときには、ある程度のITリテラシーが求められます。とくに前任者のときにRPAが導入され、担当者が交代する際には、しっかり引き継ぐことはもちろんですが、RPAの操作や仕組みを理解できるITリテラシーは必要となります。一部の運用担当者にしかRPAツールのことがわからないといった事態になると、重要な業務がブラックボックス化してしまうリスクがあります。

業務によってはRPAに適していないことも

RPAは定型作業を自動化できますが、意思決定などはできないため業務の完全自動化は難しいのが現状です。業務によってはRPAに適していないこともあるため、本当にRPAが問題解決の切り札になるのか、吟味することが大切です。

いくつかのRPAツールを比較してから導入する

RPAの導入では、複数のツールを比較して、検討することが欠かせません。それぞれのツールが持っている特徴が異なるため、自動化したい業務との相性が悪ければ、思ったような効果を得ることができなくなります。安易に製品を絞り込まず、導入コストが安いかどうかだけではなく、さまざまなポイントで製品選びをすることが大切です。無料トライアルを実施しているサービス会社もあるため、複数の候補の中から本当に納得できるものを選ぶようにしましょう。

RPA導入による効果や効果測定方法を知っておこう

RPAを導入するなら、コストや効果など、きちんと効果測定を行うことが大切です。コストをかけて人による処理を行っていただけに、ロボットによる作業に切り替えると拒否反応を示す社員もいるはずです。どんなメリットがあるのか、なぜ導入するのか、その理由を説明する義務があるでしょう。

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