5Gはいつから日本で利用できた?キャリアごとの導入時期を解説

国内で5Gを一番早く提供したのはNTTdocomoで、2020年3月25日からです。他のキャリアやMVNOもそれに続く形で5Gの提供を開始しました。
ここでは、キャリアごとの5G導入時期や各キャリアの国内初5Gスマホ、5G技術を活用して利用できるサービス、よくある疑問点について説明します。

日本で5Gはいつから利用可能?キャリアごとに紹介

2020年から各大手キャリアが5Gの提供を開始しましたが、それぞれ提供開始する時期に違いがあります。ここからは、キャリアごとにいつから5G通信が利用できるようになったのか、説明していきます。
<キャリア名> docomo au softbank 楽天モバイル
<5G対応機種> Galaxy S20 5G
AQUOS R5G SH-51A
Galaxy S20 5G AQUOS R5G
ZTE Axon 10 Pro 5G
Rakuten BIG
<発売時期> 2020年3月25日 2020年3月26日 2020年3月27日 2020年9月30日
出典

ドコモの5Gはいつから利用できた?

ドコモは、2020年3月25日から5Gサービスの提供を開始しています。サービスを提供開始した時点では全国で150か所が対応エリアとなっています。今後は順次対応エリアを増やしていく予定で、2021年以降にはスタンドアロン(SA)サービスを提供する方針を明らかにしています。スタンドアロンサービスは、5G独自の周波数帯を設けて5G環境を提供するもの。4Gの周波数帯と5Gの周波数帯が混同しないため、5Gのよさを存分に引き出せると期待されています。

これによって将来的に4Gの周波数帯に空きが出れば、そこで5Gが利用できるように移行することも検討しているようなので、さらに多くのユーザーが5Gに接続できるようになるでしょう。

ソフトバンクの5Gはいつから利用できた?

ソフトバンクは、2020年3月27日から5Gサービスを提供しています。対応エリアは東京や大阪、愛知などと限定的で、都心部でもまだ十分に5Gが利用できるようになったとは言えない状況です。2021年3月末時点で5G対応基地局を1万局にまで増やし、2022年3月末には5万局を設置すると同時に人口カバー率90%超を実現するという目標を掲げているため、今後の動向が注目されています。

また、近年ソフトバンクは「見えないアンテナ」を開発していることが話題です。「見えないアンテナ」をコンビニエンスストアなどの商業施設や駅、駐車場といった場所に接しすることで、基地局の整備が進んでいないエリアでも5G通信を利用できると言われています。コストを抑えながらスピーディーに5Gのアンテナを設置できるため、基地局よりもスムーズに5Gを普及させられるだろうと期待されています。

auの5Gはいつから利用できた?

auは、2020年3月26日から5G通信サービスを提供しています。全国15都道府県の中でも限られたエリアからサービスを提供開始しており、順次基地局の整備を進めています。auもソフトバンクと同様に、2021年3月末時点で5G対応基地局を1万局にまで増やし、2022年3月末には5万局を設置するという目標を掲げています。

5Gの普及を加速させるために、auはDSS(Dynamic Spectrum Sharing)の活用を検討していることが話題です。DSSは、4Gの周波数をLTEと5Gで分け合う方法。4Gの基地局から5Gの信号を混ぜて送信できることから、5Gの普及が早くなると言われています。ただし、この方法を活用すると、4G利用者が今まで通りスムーズに通信を行えなくなるリスクがあります。ドコモはDSSを活用せずに独自の5G通信網を構築する方針であることから、今後キャリアごとの5G通信の質に違いが出てくるかもしれません。

楽天モバイルの5Gはいつから利用できた?

2020年の6月頃に5G通信を提供する予定であった楽天モバイル。新型コロナウイルスの影響によって9月までサービス提供を延期すると発表しています。しかし、9月になってもまだサービス提供時期が明らかになっていないため、いつから楽天モバイルで5Gが利用できるのか、世間の関心が高まっています。

楽天モバイルは、5G通信を「驚きの料金」で利用できると明言しているのが話題。ほかの大手キャリアが7,000円を超える利用料金を設定する中で、楽天モバイルが5G通信サービスをいくらで利用できるように設定するのか気になるところです。

>>【2024年2月加筆】
楽天モバイルはコロナの影響で開発が遅れ、9月30日リリースになりました。
(参照:新型コロナウイルス感染拡大の影響による第5世代移動通信システム(5G)サービス開始時期の延期について

5Gが持つ3つの特徴とは?

5Gが持つ3つの特徴
①高速・大容量
②低遅延
③多数同時接続
5Gには、上記の3つの特徴があります。これらの特徴が具体的にどのようなことを意味するのかを知っておけば、5Gについて理解を深められるでしょう。ここからは、5Gが持つ特徴について詳しく説明します。

①高速・大容量

1つ目の特徴は、5Gが高速かつ大容量通信を可能にすること。

5Gは、従来のように複数のアンテナを利用して通信を行う「MIMO」が進化したアンテナ技術「Massive MIMO(マッシブ マイモ)」を活用します。これによって従来の通信技術よりもはるかに多いアンテナで通信できると言われているのです。それに加えて細かく絞った電波を一定方向に送信する「ビームフォーミング」という技術を組みあわせることによって、基地局間の干渉を減らしながら超高速通信を可能にします。

また、5G通信では、最大通信速度(下り)の目標値は20Gbpsとも言われており、4G通信の速度と比較すると約100倍にもなります。それだけ通信が高速化すれば、4Kや8Kといったデータ量の大きいコンテンツも快適に楽しめます。

②低遅延

2つ目の特徴は、低遅延の通信が可能なこと。

5Gの通信遅延は約1msと言われており、これは4G通信の1/10程度です。通信遅延が短縮されるということは、それだけ通信のリアルタイム性や信頼性が増すということになります。例えば自動運転など人間の命が関わるような場面あっても、5G通信でリアルタイムに車を制御できるため、安心して移動できるようになるでしょう。

また、5Gは一度に送受信できる通信量が膨大なので、たとえデータ量の多い情報であっても瞬時に遠隔地に届けられます。この特徴を利用することで、幅広いビジネスに応用できるだろうと期待されています。

③多数同時接続

3つ目の特徴は、多数同時接続が可能なこと。

これは、基地局1つあたりが同時に接続できる端末数が格段に多くなるということです。例えばコンサート会場など、1カ所にたくさんの人々が集中する場所で同時に通信が行われたとしても、全員が快適にインターネットに接続できるようになります。

また、5Gが普及すると、1人あたりが接続する端末数も増えると予想されています。5Gは、スマートフォン以外にも時計や冷蔵庫、エアコンやテレビといったさまざまなIoT機器を同時に接続しても、安定的に利用することが可能。日常生活をさらに便利で快適なものにできるでしょう。

5Gに関するよくある疑問点

5Gの普及に関して、期待が高まる一方で疑問を抱えている人も多いです。5Gに関する疑問を解消しておけば、スムーズに5Gを日常生活に取り入れられるようになるでしょう。

ここからは、5Gに関するよくある疑問について、解説していきたいと思います。

5Gと4Gの違いとは?

どちらも高速で通信できる5Gと4Gですが、5Gの通信速度が4Gの約100倍とも言われており、その違いは圧倒的です。また、1平方kmあたり10万台接続できるという4G基地局ですが、5G基地局では1平方kmあたり100万台接続できるとされています。それだけたくさんの端末が5G通信を同時に利用できるようになるので、5Gに対応したIoTが幅広く普及していくでしょう。

また、5Gの遅延速度は4Gの1/10とも言われています。データ量の多いコンテンツの送受信や、遠隔操作をリアルタイムで行えることも、5Gと4Gの大きな違いです。

5Gはスマートフォン以外の機種でも使える?

5G通信が提供開始となってから、5G対応のスマートフォンが積極的にプロモーションされているため、5Gを使用できるのはスマートフォンばかりではないかと考える人も多いです。確かに現在は5G通信に対応したIoT機器の普及が進んでいないため、現在のところ5Gを使用できるのはスマートフォンが主流だと言えます。

しかし、医療や交通、セキュリティや建設、物流や観光など、さまざまな分野で5G対応機器の開発が進んでいるため、今後ますます5Gを身近に感じられるようになるでしょう。

格安SIMでも5Gは利用可能!

5G通信が利用開始されてからしばらく経過しますが、新型コロナウイルスの影響もあり5G対応のスマートフォンの利用者数は伸び悩んでいるようです。ほとんどの5G対応スマートフォンが1台あたり10万円以上することも、利用者数が増えない要因の1つだと言えるでしょう。

そのような背景から、「格安SIMで5Gが利用できないの?」と考える人も多いですが、残念ながら今のところ格安SIMで5G通信ができるものは発売されていません。しかし、格安SIMの4Gが大手キャリアから周波数帯を借りることで成り立っていることから、5Gにおいても今後大手キャリアの周波数帯を使うことで利用できるようになるのではないかと考えられます。

>>【2024年2月加筆】
ahamo UQモバイル LINEMOのような3大キャリアの回線を利用できる格安SIMや、楽天モバイルの格安SIMは5Gの利用が可能です。MVNOはすべてが5Gを使えるわけではなく、エキサイトモバイルやLIBMOを始めとした格安SIM業者はまだ5Gの対応をしていません。

5Gに対応したアイフォンはいつから使えた?

日本ではアイフォンユーザーも多いため、いつから5G対応のアイフォンが使えるようになるのか疑問に思う人は多いです。アイフォンは毎年9月に新しい機種が発表しているのが特徴。2020年も9月に新機種を発表するのではないかという噂もありますが、まだ販売されていない状況です。

しかし、2020年9月15日に新製品発表会を開催することになっているため、そこで5Gに対応した機種が発表されるのではないかと言われています。9月末から10月初旬にかけては大量の新機種生産を行うとのことなので、アイフォンユーザーの期待が高まっています。

>>【2024年2月加筆】
日本時間の2020年10月23日発売のiPhone12が、初の5G対応iPhoneとなりました。


新型『iPhone 12』発表。mini含む4モデル。価格は74,800円からで発売日は10月23日

5Gが普及することで利用できるサービス

5Gが普及することで利用できるサービス
●VRやARコンテンツ
●オンラインゲーム
●スポーツやエンターテイメント
●自動車関連サービス
●機械の遠隔操作
●ビジネスに活用できるサービス
●教育系のサービス
5Gが普及すると、上記のようなサービスが利用できるようになると言われています。5Gの特徴を活かしたサービスを知っておけば、将来の生活がどのように変化していくのかをイメージできるでしょう。

ここからは、5Gが普及することで利用できるサービスについて、詳しく説明します。

VRやARコンテンツ

5Gが普及すると、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を使ったコンテンツによりリアリティを持たせることが可能。自宅にいながら違う場所にいるような感覚も持てるので、会議や旅行、教育や医療など、あらゆる場面でVR・ARコンテンツが役に立つのではないかと期待されています。

また、5Gで膨大なデータをタイムリーに通信できるようになると、街中でスマートフォンなどのデバイスを向ける方向に応じて飲食店の情報やバスの運行状況が表示させるといったことができるようになります。必要な情報をリアルタイムで受け取れるので、毎日の暮らしがより便利で豊かになるでしょう。

オンラインゲーム

オンラインゲームも、5Gを利用することで新たな楽しみ方ができるようになると言われています。例えばeスポーツにおいては、5Gの低遅延性を活かしてより精度の高い判定が可能になります。どこでプレイしていても公平なジャッジができるので、信頼感を持ってゲームを進められるでしょう。

1つの場所にたくさんの人が集まるゲームイベントでも、5Gが持つ多数同時接続の特徴を活かして、多くの参加者が1つのゲームを同時にプレイするといった企画も楽しめます。卓球のような高度なレスポンスが求められるゲームも、5Gを利用すれば快適にプレイできるので、今まで以上にリアリティを感じながらゲームを楽しめるようになるでしょう。

スポーツやエンターテイメント

5Gは、膨大なデータ通信を即時に行えるので、4Gとは比べ物にならないリアリティや臨場感を感じながら試合やイベントを楽しめるようになります。チケットを取らなければ座れないような座席も自宅から同じ角度で見ることができるので、会場から離れていても十分満喫できるでしょう。

観光コンテンツにおいては、まるで現地に旅行に行ったかのような感覚を味わいながら映像や音声を楽しめるので、さまざまな理由で外出できない人でも気軽に旅行気分を味わえます。

自動車関連サービス

年々技術が進歩している自動車関連サービスにおいても、5Gが普及することでさらに技術革新が進むのではないかと言われています。

自動車は人の命を乗せて走るものなので、周囲の状況にあわせた最適な経路検索をするとともに、万が一のときの危険回避もできるような機能が求められます。5G通信を行えば、あらゆる情報を瞬時に通信できるので、事故情報などをリアルタイムでドライバーに伝えて最適な経路を再検索することも可能になります。

運転が完全に自動化すれば、移動中に会議をしたり映画鑑賞を楽しむこともできるため、より移動が快適かつ生産性のあるものになるでしょう。

機械の遠隔操作

これまでは人間が現場で操作していた機械も、5Gが普及することで遠隔操作できるようになります。無人で工事を施工できれば、危険な場所でも作業員へのリスクを抑えながら工事を進めることが可能です。

また、工場の監視業務など、複数の地点に人員を配置して管理しなければならないような機械も、5Gを活用することで遠方にある管理部門から運用できるようになります。人件費を抑えつつ安全性の高い業務ができれば、コストやリスクを抑えながら事業を成長させられるでしょう。

ビジネスに活用できるサービス

5G通信は、あらゆるビジネスに応用することが可能。例えばWEBマーケティングでは、動的なコンテンツをより多く盛り込むことによって、ユーザーに興味を持ってもらいやすくなります。街中を歩く人々の年齢層や天気などの情報を分析して、表示される広告の内容を変えるといったアプローチもできるようになるので、今後のマーケティング手法が大きく変化するのではないかと言われています。

また、映像や音声が低遅延化することによって、商談や会議のオンライン化が進むことも考えられます。5G通信を行うことでよりスムーズなコミュニケーションができるようになるため、生産性が高まるだけでなく、移動時間や交通費を削減することも可能です。

教育系のサービス

教育の場面においても、5Gが導入されることによってさまざまな革新が起こります。現在も行われつつあるオンライン教育ですが、データの遅延や送信できるデータ量が限られているのが難点。

5Gが導入されれば、リアルタイム性が増すとともに、伝達できる情報量が増えます。ARやVRなども活用することで、まるで学校で教育を受けているかのような感覚で学ぶことができるでしょう。また、世界中どこに住んでいても良質な教育を受けられるので、さまざまな理由によって学校に通えない人でも、自宅にいながら知識を深められるでしょう。

5G技術やサービスの普及を注視しよう

ここでは、5Gの特徴や通信キャリアごとのサービス導入時期、5Gに関するよくある疑問点やサービスが普及したときに利用できるサービス例について説明しました。5Gが身の回りでどのように活用されるのかをイメージしておくことで、社会がどのように変化していくかを考えやすくなります。今後も更なる通信サービスのアップデートを期待してまいりましょう!

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