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エドテックの普及で起こる教育の変化とは?代表的なサービス例も紹介

ITテクノロジーを教育に活かすエドテックが学習環境を大きく変える、と注目を浴びています。時間・場所を問わず、自分に合った学習要領で学ぶことにより得られる学びの変化を理解しておきましょう。エドテックの代表的サービスもご紹介します。
2020年から小学校でのプログラミング言語が必修となり、教育現場がテクノロジーの力で大きく変わろうとしています。新型コロナウイルスの影響も受けて、教育のあり方や教師の働き方が今まさに見直されています。このような教育現場の課題をテクノロジーで解決しようとする流れは「エドテック」と呼ばれており、全国に広がっています。

エドテックが普及することは、タブレットを使った授業が増えるだけではありません。テクノロジーと教育の掛け算が、子供たちや教師にどのような影響があるのかを具体的に知っておく必要があります。そこで今回は、エドテックについて詳しく解説するとともに、代表的なエドテックのサービスもご紹介します。

まずはエドテックについて知っておこう

IT技術がなかなか浸透しなかった教育現場において、現在ITやテクノロジーの力を積極的に活用していこうという動きがあります。

教室でパソコンを使ったり、タブレットが配布されたり、あなたが子供の頃には考えられなかったような「学ぶ姿」がいまの教育現場にはあるのです。まずは、このエドテックの概要について詳しく説明します。

そもそもエドテックとは?

「エドテック」という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。エドテック(EdTech)とは、教育(Education)と技術(Technology)を組み合わせた造語です。テクノロジーを用いて、教育を支援する仕組みやサービスのことを指します。たとえば、以下の3つようなエドテックが挙げられます。

・生徒向け学習支援システム
・教師向け授業支援システム
・英会話などをインターネット上で学ぶサービス

このように、IT技術を活用して教育現場に革命を起こすようなシステムが、今後さらに発展していくと考えられています。

エドテックの市場規模

日本のエドテック市場は2019年度に2,000億円を越え、2023年度には3,000億円まで到達すると予想されています。文部科学省が教育現場へのタブレット使用を推進するなど、国全体でエドテックを後押ししています。この動きは、学校教育のみならず、企業での社員教育や個人の学びといった、全体的な学習へ対するムーブメントとなっています。

また、エドテックの広がりは日本だけではなく、世界中に波及しています。もともとエドテックが発祥したのはアメリカであり、最先端のテクノロジーを積極的に取り入れています。アメリカを追うように、中国でもエドテックに力を入れるようになりました。新興IT企業が多い中国では、いまやスタートアップ投資額はアメリカを抜き、20.3億ドル(約2,030億円)といわれています。

参考資料:https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/publication/it_solution/2018/06/ITSF180605.pdf

エドテックとeラーニングとの違い

「テクノロジー×教育」と聞いて「eラーニング」を思い浮かべる人もいるでしょう。eラーニングとは、インターネット技術を用いて学習することや、その教材・システムのことを指します。ICT(Internet and Communication Technology)教育の一貫として、以前から学校教育では取り入れられてきました。

エドテックとeラーニングの違いは、以下の3つが挙げられます。

・エドテックは双方向性、eラーニングは一方向性の学び
・エドテックには匿名性がある
・エドテックの方が、eラーニングよりコストを抑えやすい

エドテックは、時間や場所を問わずに双方向のコミュニケーションができるのが大きな特徴だといえます。教師が生徒に教材を提供するeラーニングよりも質の高い学習ができる可能性が高いことから、今後はエドテックの導入がさらに進んでいくでしょう。

エドテックの普及で期待できる変化とは?

全世界で広がりを見せているエドテック。今後さらに私達の身近な存在となっていくことが予想されます。

IT技術の力で時間や場所を気にせずに学習することができるということは、人々の学習環境にどのような影響があるのでしょうか?ここからは、エドテックが普及することによって期待できる変化についてご説明します。

オンラインで質の高い講義を受けられる

エドテックが普及することで、オンラインで質の高い講義を受けられるようになると期待されています。インターネットを通して一流大学の講義を無料で受講できたり、一定の水準に達すれば修了証をもらえるケースもあるため、自分の好きな時間に、好きな場所で、質の高い講義を受けられるメリットは大きいといえるでしょう。

また、欧米ではMOOC(Massive Open Online Course)という、スタンフォード大学やハーバード大学といった一流大学が設立した学習コースを受講できるようになっています。もちろん、アメリカに住んでいなくとも、インターネットさえあれば世界中の学生と同じように学ぶことが可能です。

オーダーメイドの学習が可能になる

「アダプティブラーニング」という学び方もエドテック領域のひとつです。テクノロジーの力によって、学習者ひとりひとりのレベル・内容・進度に合わせた学習が可能となります。具体的には、過去の回答傾向や学習履歴をデータとして蓄積、分析することで、思考パターンや弱点を見抜くことができるようになります。

過去の学校教育でも、成績別クラス分けなど個人の学習理解度にあわせた教育はされてきましたが、より深く個人にフォーカスできるのがアダプティブラーニングのメリットです。学校だけではなく、忙しい社員を抱える企業の人材育成にも活用が期待されています。

教師の働き方が変わる

学ぶ側だけではなく、教える側の働き方にとっても大きな変化が期待されています。近年、教育現場での教師の人材不足、業務負担の大きさや労働環境の悪さが、ニュース等で報道されることも少なくありません。教師の業務はマニュアル作業が多く、システム化されていないといった現状も要因のひとつとなっているようです。

エドテックの導入が進めば、教師の負担を減らせると期待されています。たとえば、課題の提出を管理するソフトをつかい、効率的に未提出者をチェックすることなどが挙げられます。動画を使えば、より分かりやすい説明を生徒に与えることもできるでしょう。このように、エドテックは教育を受ける側だけでなく、教える側にも大きなメリットを与えると期待されています。

教師や生徒のコミュニケーションの質が高まる

学校教育において、教師と生徒のコミュニケーションは大切です。教師と生徒のやり取りを促進する「教育向けSNS」といったツールを利用すれば、生徒は授業内容や課題への質問を気軽におこなうことができ、課題の提出もスムーズになると期待できます。

また、教師だけが利用するSNSを利用すれば、SNSを通じて教育へ対する意見交換や教材・資料の共有をおこなうことができます。学校を越えた教師同士のコミュニケーションの場にもなるため、教育品質や教師の教える技術の向上につながるでしょう。

VRで疑似体験学習ができるようになる

エドテックの導入が進めば、VR(Virtual Reality)を利用した学習もできるようになると期待されています。日本語で「仮想現実」とも呼ばれるVRは、仮想空間の中でまるで現実のような疑似体験ができることが特徴です。つまり、現実では体験しづらいことを、どこからでも体験できるようになるということになります。

このVR技術を学習領域に活用すると、以下のような疑似体験が可能となります。

・歴史的建造物や月といった、現実では訪問しづらい場所へのバーチャルトリップ
・人体や建造物の構造など、普段は見ることのできないものをさまざまな角度から学習
・災害に対する避難訓練、建築現場などの危険講習をより現実感を持って体験

特に、災害時などで「頭が真っ白になってしまった」ということがないよう、事前に体験することで回避できる確率を上げることができるのは、人々の安全な暮らしを維持するために重要な学習方法でしょう。

多様な学び方が可能になる

エドテックでは、今までに考えられなかったような多様な学び方が可能となります。中でも、学習とは正反対の位置にいたともいえるゲームを使った学びである「ゲーミフィケーション」が注目され始めています。

ゲーミフィケーションとは、ゲームが持つ人を楽しませるノウハウを、ゲーム以外の領域で活かすことです。たとえば、ゲームのようにミッションをクリアしたり、レベルを上げたり、そのゲームを続けたくなる要素を学習にも取り入れることで、学習者を飽きさせない工夫を施します。

ランキングやチャットなどのコミュニケーション要素も加わることで、学習者がもっと学びたいと思わせてくれるのも魅力です。ゲーミフィケーションは、楽しんで学習することを目的とした新しい学び方のひとつだといえるでしょう。

効率的な学習管理ができるようになる

教育テクノロジーの発展によって、生徒一人ひとりにあった学び方ができるようになる一方で、教師は個々の生徒の効率的な学習管理が求められるようになります。エドテックを活用することで、学習管理においても効率的に生徒の学習進捗や理解度などを管理していくことができると期待されています。

LMS(Learning Management System)を利用すれば、インターネット上で教材を配信・回収でき、生徒の学習履歴も確認することが可能です。生徒一人ひとりの学習状況を一元的に管理できるため、学び方が多様化する時代になっても効率的な指導を続けられるでしょう。

エドテックの代表的なサービスを紹介

近年注目を浴びているエドテック領域には、多くの企業が参入してきています。教育業界大手の進研ゼミやZ会では、既存のコンテンツをインターネット上でもアクセスできるように発展させ、さらに幅広い教育情報を発信しています。IT技術を駆使したサービスはベンチャー企業も参入しやすいため、今後もユニークなサービスを展開する企業が増えていくでしょう。

今後の教育がどのように変化していくのかをイメージできるよう、以下では代表的なエドテックサービスを9つ紹介します。

atama+

atamaplus株式会社が開発する「atama+」は、AIを活用した中高生向けの教材です。生徒一人ひとりの得意・苦手分野やミスの傾向、集中度などをAIが分析し、世界にひとつの「自分専用カリキュラム」を入手できるのが魅力となっています。

生徒のデータは講師にもリアルタイムに共有され、生徒の状況を客観的に把握することが可能です。多くの学習塾で採用されており、高い評価を得ています。

Udacity

「Udacity」では、Web制作やプログラミングなどのITスキルを、基礎から専門的範囲までオンラインで受講することができます。

Google、Facebook、IBMなどの世界的企業が協力してつくられたコースがたくさんあるので、学習を通して実務に役立つスキルを身に着けることも可能です。会社外で学ぶ時間や機会が少ない社会人に好評のサービスです。

Qubena

株式会社COMPASSが提供する「Qubena」は小中学正の算数・数学を扱う人工知能型タブレットです。AIが個人の学習を分析することで、一人ひとりに合った教材を抽出してくれます。

専用ペンを使えば、タブレットへの書き込みやコンパスや定規の使用も可能です。実際に、小中学校への導入事例もあり、授業中の演習や宿題にも活用されています。

スタディサプリ

「スタディサプリ」は、株式会社リクルートが運営している小学生から高校生まで幅広く対応するオンライン学習サービスです。インターネット予備校とも呼ばれています。

大学受験に必要な5教科18科目の授業動画が、基礎から応用まで自分のレベルにあわせて選択できるため、塾や予備校に通うよりも苦手に特化して学習することが可能です。知名度も高く、これまでの受講者も110万人と膨大なデータを有しているのが特徴です。

資格スクエア

エドテックは、学校教育向けだけではありません。株式会社サイトビジットが提供するのは、司法試験や公認会計士などの難関試験向け学習サイト「資格スクエア」です。

脳科学・AIなどの技術と、合格者のデータを駆使し、最短合格に向けて効率の良い学習カリキュラムを入手することができるのが特徴です。スマートフォンからもアクセスできるため、通勤時間など空いた時間で何度も学習ができるようになっています。

Udemy

「Udemy」は、世界中で1,000万人以上が利用している巨大オンライン学習プラットフォーム。40,000以上のコースがあり、デザインや写真、マーケティングなどさまざまな分野で、基礎から発展まであなたのレベルにあった講義を受けることができます。

学びたい人だけではなく、自分の持つスキルを教えたい人が独自のコースを開設でき、学びたいと教えたいを結びつけるユニークなサービスとなっています。

すらら

対話型アニメーション教材「すらら」は、株式会社すららネットが開発するゲーミフィケーション学習です。小学生から高校生を対象としていますが、無学年方式といってこれまでの復習や次の学年の先取り学習もできるため、分野ごとに分かるまで遡って学ぶことができます。イラストやアニメーションがふんだんに使用されており、キャラクターによる対話型のレクチャーで理解を深めていきます。ゲーム風ドリルなど、飽きずに学習へ集中できる工夫がなされています。

Edmode

教師と生徒を結ぶ教育向けSNSの代表である「Edmode」は、世界中で8,400万人が利用する教育プラットフォームです。メインユーザーは中学生から高校生で、日本ではZ会などと提携し学習コンテンツの充実を図っています。

教室で授業をおこなう場合、全員の意見を発表したり確認するのは簡単ではありません。しかし、Edmode上で意見を出せば、クラスに共有され教師は今まで埋もれていた生徒の疑問点を見つけ出すことが可能です。教師は生徒全員の理解度を上げるのに役立つとともに、生徒も発言しやすい環境になると期待されています。

SENSEI NOTE

「SENSEI NOTE」は、先生同士が役立つ情報を互いに交換できるサービス。授業・クラス運営・事務処理・部活・行事などについて全国の先生と匿名でやりとりできるのが特徴です。同じ学校に専門の先生がいなくとも、外部の専門家の意見やアイデアを求めることができるため、教える側の技術やモチベーション向上につながると期待されています。

忙しい教師や新任の教師は、職員室で孤独になりがちです。このような教師同士のつながりを頼ることで、教師の働く環境を改善していくきっかけになるでしょう。

まとめ

ここでは、エドテックの特徴や期待できる学習の変化について解説するとともに、代表的なエドテックのサービスをご紹介しました。

自分の好きな時間、好きな場所で、学習者にあった内容を学ぶことのできるエドテックによって、地域間の教育格差がなくなり、自ら学ぶ環境に身を置くことができると期待されています。教師の働き方改善や社会人からの生涯学習など、一生をかけて向き合うこともできるでしょう。ここで説明した内容やサービスを参考にして、今後の学び方を考えてみましょう。

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