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リモートワークはいつまで続く?世界的な動向と長期化が抱えるメリット・デメリットを解説

リモートワークがひとつのワークスタイルとして定着した印象がありますが、日本ではワクチンの接種も進んでおらず、事態の鎮静化は見通せません。そこでリモートワークがいつまで続くのか? また世界的な動向と長期化が抱えるメリット・デメリットを解説します。
リモートワークは、出社することなく自宅や出先、あるいはシェアオフィスといった遠隔地から業務を行うワークスタイルのことです。以前はテレワークと呼ばれていましたが、その起源は1970年代のアメリカに遡ります。当時のアメリカは自動車が広く普及したことによって、大気汚染が深刻化していました。そこで電話を活用しながら、自宅で働くワークスタイルとして、テレワークが広まったと言われています。日本では1984年に日本電気(NEC)が研究職を対象に、六本木にあった本社に通勤するのではなく、武蔵野市・吉祥寺に新設したサテライトオフィスから業務を行う体制を作ったことが、はじまりだと言います。

したがって、リモートワークの概念は新しいものではありませんが、インターネットやWeb会議ツールの普及によって、オフィスでの勤務と生産性がほとんど変わらないほど進化しています。そんな折、新型コロナウイルスの感染が拡大し、2020年4月には一度目の緊急事態宣言が発令されました。感染拡大を予防する観点から不要不急の外出を自粛するよう要請が出されましたが、これを受けて、多くの企業がリモートワークを採用するに至りました。

通勤電車での感染リスク、オフィスでの密になっての業務を避けながら、営業を続けるにはリモートワークの導入が欠かせなかったからです。その後、緊急事態宣言が解除され、感染拡大も落ち着きを見せたものの、再度、感染者が増加。2021年1月には二度目の緊急事態宣言が発令される事態となりました。リモートワークがはじまった当初は、初体験のWeb会議の操作に戸惑う様子も見られましたが、長引く、自粛生活を経て、慣れたという声も聞かれるようになりました。そのため、リモートワークがひとつのワークスタイルとして定着した印象があります。また、日本ではワクチンの接種も進んでおらず、事態の鎮静化は見通せません。そこでリモートワークがいつまで続くのか? また世界的な動向と長期化が抱えるメリット・デメリットを解説します。

世界的に来年以降もリモートワークは続く見込み

アメリカや欧米各国ではワクチンの接種が進み、依然と比べ、深刻度も低下してきています。一方でワクチンを確保できていない国では引き続き新規感染者が増え続けています。また、変異したウイルスも確認されており、新型コロナウイルスの感染者を押さえ込むには時間がかかると見られています。そのため、今後もリモートワークは世界的に続けられると想像できます。

世界的企業の多くがリモートワークの継続を発表

AmazonやGoogle、Facebookといった世界的なIT企業では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、リモートワークを推奨しています。とくにアメリカでは感染者の数も多く、都市によっては移動を厳しく制限するロックダウンが行われました。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたあとも、恒久的に在宅勤務を認め、場合によっては週に数度のオフィス勤務とリモートワークを組み合わせたハイブリッドな勤務体系を採用する計画も明らかにしています。

ただ、欧米ではワクチンの接種が日本よりも進んでおり、新規感染者の抑制に関する知見も得られています。したがって、徐々にオフィスへの勤務を復帰させる動きも見られます。たとえば、Amazonでは、アメリカのオフィスを中心に2021年6月30日から社員のオフィスへの復帰を開始する計画があります。同社では効果的にサービスを生み出し、コラボレーションするためには、オフィスを中心とした企業カルチャーが必要だと考えているようです。

また、GoogleのCEOが社員のオフィス復帰は2021年9月以降になるとコメントし、その際には週に3日以上はオフィスで働き、残りは自宅からリモートワークするといった「フレキシブル・ワーク・ウィーク」を実験的に導入すると明かしています。

日本国内の企業もリモートワークの継続を進めている

日本では海外からワクチンを取り寄せていることもあり、供給量が安定せず、まだ接種が進んでいません。そのような状況もあり、新型コロナウイルスの感染者数を抑えるまでには至っていません。そのため、パソコンで業務が行える業種や職種を中心に、引き続きリモートワークを採用する企業が大半を占めています。

あわせて通勤交通費など、福利厚生を見直す企業も増えています。たとえば、パナソニックでは、在宅勤務手当を支給する一方で、定期券代を支給することを止め、必要な際にかかった交通費を実費精算する新しい仕組みを発表しています。こうした動きはソフトバンクやホンダといった大手企業にも広がりを見せており、今後もリモートワークが継続されると見られています。

世間的にリモートワークでも業務ができるという見方が強くなっている

パソコンがあれば、業務がこなせる業種や職種であれば、むしろリモートワークのほうがありがたいと考える人も多いのではないでしょうか? とくに都心部では通勤電車の混雑もひどく、そのストレスから解放されます。また、郊外から出勤している人は通勤時間がなくなることで、プライベートの時間も多く持てるようになります。小さなお子さんや介護中の方なども、これまでは慌ただしく行っていたことが、自宅で作業することによって、余裕を持ってこなせるようになります。

そのほか、通勤するのが当たり前で、それをよしとする価値観が変化し、Web会議ツールやビジネスチャットツールを活用した業務にも慣れてきています。同僚や取引先もリモートワークに寛容になっているでしょう。したがって、新型コロナウイルスの感染リスクが低減したとしても、新しいワークスタイルとして定着すると考えられています。

リモートワーク継続における企業の取り組み

リモートワークを継続する企業が増えることによって、新たな取り組みがはじまっています。従来は通勤することを前提に、賃金体系や勤務時間、あるいは研修制度が構築されていたため、リモートワークに適した形に変える必要があるからです。こうしたリモートワーク継続における企業の取り組みをご紹介します。

夏場の電気代を手当として支給

オフィスで集まって業務しているのなら、オフィスや事業所で使用しているすべての光熱費、通信費などは、すべて会社が負担しています。リモートワークになると、通信費は定額のケースが多いため変化しませんが、電気代は増える可能性が指摘されています。とくに夏場にはエアコンなどを使用するため、電気代が大幅に増えることになります。こうした問題は会社への不満や不公平感につながるため、手当として電気代を支給する企業もあります。

オンライン勉強会の実施

リモートワークが普及する以前は、Web会議を業務で使用する人は少なく、経験者は限られていました。そのためカメラを通して、打ち合わせを行うことへの気恥ずかしさもありました。しかし、多くの部署で頻繁にWeb会議を活用する企業が増えたことで、オンラインへの抵抗感も軽減されています。そこで、今まで以上にオンラインでの勉強会を積極的に開催する動きが見られます。集まって会議室などで行う勉強会や研修とは違い、資料やファイルを共有したり、気軽に録画するなど、オンラインの特性があります。したがって、ウェビナー形式でオンライン勉強会を開く企業も増えています。

社内コミュニケーションの活性化

リモートワークでは社員同士が遠隔地にいるため、雑談やちょっとした交流が減ることによって、コミュニケーションが減ると考えられていました。しかし、チャットツールなども活用することで、こうした距離感を縮めようとする心理も働きます。そこで社内報や動画を制作し、会社に関する情報を発信することで、これまで以上に意識的に社員と目線合わせようとする企業も多くなっています。

リモートワークは従業員・企業の双方にメリットが多い

通勤時間もなくなり、家事や育児などに時間を割くことができるリモートワークは、働く側にとってメリットが大きなものです。対する企業にとっても広いオフィスを構え、莫大な固定費を削減するメリットがあります。こうしたリモートワークが企業や従業員にもたらしたメリットについて解説します。

従業員のメリット|通勤がなくなりWLBの実現が加速

リモートワークによって、従業員が得る代表的なメリットは、通勤時間がなくなることです。首都圏では平均的な通勤時間は約50分と言われている。そのため、自宅で仕事ができると、1日100分の通勤時間がなくなり、さらに朝の支度にかけていた時間も不要になります。路線や時間帯によっては極度のストレスや疲労を感じる通勤電車もあり、この毎日の苦痛から解放されたいと思う人は多いはずです。したがって、リモートワークになるとワークライフバランスの実現が可能になり、週末にまとめて行っていた家事に時間を割くことができるだけではなく、趣味や勉強のために時間を使えるようになります。

企業のメリット|固定コストの削減や優秀な人材の確保

企業が毎月負担している固定コストのなかで、大きな割合を占めるのが、オフィスの家賃や電気代、通信費、そして定期代などの通勤費です。リモートワークを採用すれば、一部の通勤が欠かせない従業員が働けるスペースがあれば、業務できることになります。場合によっては都市部を避け、家賃の安い郊外に移転することも可能になります。それによって、固定コストを大幅に削減できるのは、財務体質の強化にもつながります。また、通勤が義務づけないことをPRすることによって、従来であれば採用が難しかった遠隔地の優秀な人材を採用することも可能になります。

リモートワークの実施におけるデメリット

従業員、企業にとってのメリットが指摘される一方で、全面的なリモートワーク採用を阻むデメリットもあります。そんなリモートワークのデメリットを取り上げます。

営業職などリモートワークを中断せざるを得ない職種もある

リモートワークに不向きな職種として挙げられるのが、営業職や販売職です。最近はWeb会議ツールなどを活用したリモート営業にチャレンジする動きもありますが、新規の顧客との接点を持つことが難しく、従来からの顧客でなければ、アポイントを取ることさえ困難と指摘されています。またECサイトで購入する消費者が増えているとは言え、店舗での販売が中心の企業にとっては販売職の確保は欠かせません。そのため、リモートワークできる従業員と、職務上、まったくリモートワークと無縁な従業員が生まれることもあります。それが不公平感や不満につながる可能性もあり、企業にとってはリスクにもなります。

コミュニケーション不足が課題になる

メール、あるいはチャットツールを活用することで、従業員が遠隔地にいても連絡や報告を行うことができます。ただ、ソフトを立ち上げ、テキストを入力するといった手順を踏む必要があるため、雑談のようなライトなコミュニケーションがなくなると指摘されています。こうした雑談から人間関係が構築される面もあり、とくに転職組や新卒採用者は職場に溶け込むのが難しくなるという懸念があります。中には、1日を自宅でのみ過ごすことによって、気分転換が上手くできず心身に不調をきたしてしまう人も出ていると言います。

オフィスの使い方について検討が必要になる

リモートワークが浸透し、Web会議ツールで遠隔地の従業員と連絡が取れるのなら、オフィス自体がいらなくなるのではといった議論も起こっています。なかには電話番号を公開していない企業もあり、すべての問い合わせが窓口になっていると、電話を受けるために職場に常駐するスタッフも不要になります。一方でどこにも物理的なオフィスを置かない働き方を進めると、帰属意識も希薄になり、人材が流動化する可能性もあります。オフィスをどこに置くのか? 縮小するのか? リモートワークが長期化するほど、オフィスの存在意義が薄れていき、オフィスの扱いをどうすべきか、検討が必要になります。

今後も時代に合わせた柔軟な働き方が求められていく

さまざまなメリットやデメリットがあるリモートワークですが、新しい働き方のひとつであることは否定できません。新型コロナウイルスの感染拡大に限らず、今後もリモートワークを選択する人が増えることは避けられません。そのためにどう従来の制度や会社の仕組みを変えていくのか? 変化が求められる時代になっています。

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