NFTとはなにか?基礎知識や注目されている理由をわかりやすく紹介
2023/12/8
NFTを正しく理解することで、資産運用やビジネスでの活用が期待できます。この記事では、NFTとは何かを初心者の方でもわかりやすく解説します。さらに、具体的な活用例やビジネスでの成功事例も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
- NFTとは?
- NFTの特徴
- 個人間で取引できる
- あらゆるプラットフォームで利用できる
- 新しい付加価値が生まれやすい
- コミュニティを形成できる
- NFTが活用されている分野
- アート
- オンラインゲームのアイテムやトレーディングカード
- 学位の証明
- 具体的なNFTの事例
- ポケモンカードのNFT化
- Beepleのデジタルアート
- ジャック・ドーシーの初投稿ツイート
- NFTアートのチャリティイベント
- プロ野球のNFTコンテンツ
- 自治体のご当地キャラクター
- トレーディングカードのNFT
- NFTに対する現状の課題
- 手数料が高騰しやすい
- 詐欺商品を購入する可能性がある
- 法規制や権利関係の問題が十分に整備されていない
- NFTで資産を増やす方法
- NFT作品を販売または取引する
- NFTの関連通貨へ投資をする
- 今後のNFTの普及に注目
中には高額で取引されていたり、所有していることで金銭以外の付加価値を生み出すものなど、さまざまなNFTが存在します。
この記事では、NFTをビジネスに活用しようとしている方に向けて、NFTの特徴や注意点などを中心に解説します。
NFTとは?
「トークン(Token)」とは、一般的に、仮想通貨や暗号資産を指しますが、認証デバイス、データ、資産など、その言葉が使用されている業界や文脈によって、その都度の意味は異なります。
「非代替性」とは、替えが利かない唯一無二という意味です。
たとえば、Aさんが持っている1,000円札とBさんが持っている1,000円札は、紙幣価値が一緒となるため、代替(交換)が可能です。
一方で、作家の直筆サイン入りのマンガは、普通のマンガと同じ価値ではないため、代替(交換)が不可能=非代替性ということになります。
これまでは、アートや写真などのデジタルデータは、簡単にコピーができるため、その価値を証明するのが難しいとされていました。
しかし、NFTは、ブロックチェーンの技術を活用し、デジタルデータにさまざまな情報を組み込み管理しているため、所有権や記録されている情報を簡単に書き換えることはできません。
そのため、一見同じようなデータに見えたとしても、オリジナルデータと複製などのオリジナルでないデータの区別を付けることができるため、デジタルデータの唯一性を保つことが可能となりました。
NFTの特徴
個人間で取引できる
個人間の取引であっても、データとして取引記録が残るため、NFTの所有権は誰が持っているのか、不正な取引がおこなわれていないかなどを管理することができます。
また、NFTにプログラムを加えることで転売を防止することも可能です。
たとえば、購入したチケットを毎回、すぐに売却しているユーザーは転売目的と認識するというルールを設けることができます。
最近では、音楽ライブ・演劇・スポーツ観戦などのチケットを自由に売り買いすることができるNFTチケット発行プラットフォーム「TicketMe(チケミー)」を運営する株式会社チケミーが、NFTチケットの転売を制御する技術を発明し特許を取得したことを発表しました。
あらゆるプラットフォームで利用できる
たとえば、特定のゲーム内で所有していたアイテムやアバターを他のゲームで使用することはできず、そのゲーム自体が終了すると所有していたアイテムやアバターなどは価値を失ってしまうことがほとんどでした。
NFTを用いたゲームの場合、所有権が個人にあるため、規格に対応したプラットフォームであれば、あるゲームから別のゲームへ資産を移動し、利用することができます。これを「相互運用性(インターオペラビリティ)」といい、共通規格に対応した異なるゲームでも活用可能です。
新しい付加価値が生まれやすい
これにより、デジタルアート作品が取引されて利益が出るごとに、その一部をクリエイターに還元することが可能です。
コミュニティを形成できる
たとえば、あるアーティストのNFTを所有していると、そのアーティスト(または所有者だけ)のコミュニティに参加できることがあります。
そこで、同じ価値観を持つ人と交流を深めたり、情報交換をしたり、リアルのイベントを開催したりといったことは、所有していることで得られる大きな価値といえるでしょう。
このように、NFTには同じ価値観を持つ人たちとのコミュニティ形成という付加価値もあるのです。
NFTが活用されている分野
アート
そのため、限定販売されたNFTアートが高値で取引されているケースも存在します。
たとえば、2017年に総作品数1万点で販売されたCryptoPunksはそのNFTアートの中でも高額で取引されていました。
1万点それぞれキャラクターのイラストが異なり、中には数千万円で取引された作品もあります。
NFTアートは売買目的だけでなく、メタバース空間(3次元の仮想空間)上のギャラリーで展示することも可能です。実際にデジタルクリエイターが、メタバース空間上で展示会を開催し、作品の販売を行ったりしています。
また、NFTアートを地方創生に活用する取り組みも、全国の自治体や公民連携プロジェクトに急速に広がっています。地域の観光地や特産品をモチーフにしたNFTアートを特典付きで発行したり、その土地の名産品をアートのなかに取り込んだNTFアートをふるさと納税の返礼品として発行しています。
さらに、NFTは書籍の分野でも導入されています。2022年1月には、小説作家の村上龍氏の作品をNFTマーケットプレイスの「Adam by GMO」にて、オークション形式で販売しました。
オンラインゲームのアイテムやトレーディングカード
ブロックチェーンの技術を使うことで、そのアイテムは個人の所有物という証明ができ、他のゲームに持ち込むことも可能です。
また、世界に100個しかない限定のアイテムという証明もできるため、資産価値を持つアイテムは、NFTマーケットプレイスで売買されていたりします。
さらに、アイドルやスポーツ選手のトレーディングカードもNFT化されています。
たとえばももいろクローバーZが「10周年記念東京ドームLIVE」NFTトレカを2,288パック限定で販売しました。
プロ野球業界では、有名選手のトレーディングカードがNFT化されているだけでなく、過去の名試合もNFT化されています。
学位の証明
卒業証書や資格認定書をデジタルデータ化することで、必要なときにすぐに提示できる点や、偽造される心配がない点がメリットとしてあげられます。
千葉工業大学では、国内大学初の試みとして、学位証明書をNFTで発行しました。学位証明書などの学校が発行する証明書は、テンプレートデザインが一般的でしたが、デザイン研究に取り組む同大学の学生がデザインを考案しています。
一方で、学位がネット上で販売されるという問題も発生しています。たとえば、マレーシアでは学位詐欺が深刻な社会問題となっていました。
ブロックチェーン技術を使用することで、学歴の改ざんや詐欺を防止することが可能となります。
具体的なNFTの事例
ポケモンカードのNFT化
Beepleのデジタルアート
これは、存命時における作品の価格としては4番目に高額です。
「Everydays-The First 5000 Days」は10年間以上続いたプロジェクト「EVERY DAYS」をNFTで1つの作品としてまとめています。
ジャック・ドーシーの初投稿ツイート
ジャック・ドーシー氏がNFTで出品したのは、15年前に初投稿した自身のツイートです。この事例により、SNSもデジタル資産のひとつになり得ることを証明した形になります。
NFTアートのチャリティイベント
香取慎吾氏が、イベントプロジェクトを通じて寄付した参加者に自身の作品「i enjoy !」を10,000点の数量限定で付与しました。
プロ野球のNFTコンテンツ
最初に販売されたコンテンツは、過去に4度のベストナインに選出された栗山巧選手の2,000安打達成記念パネルでした。
その後「KURI-METERパネル」や「スタメンボードデータ」「ヒーローサインパネルムービー」もNFT化されて販売されました。
自治体のご当地キャラクター
この試みに挑戦したのは、兵庫県尼崎市の「ちっちゃいおっさん」です。2022年1月28日にLINEスタンプのデザインをNFT化し、先着5個限定で販売しました。
「ちっちゃいおっさん」NFTは開始5分で完売し、その後、セカンドセール、サードセールもおこなわれました。
トレーディングカードのNFT
CryptoGames株式会社は、2019年6月25日からNFT化したトレーディングカードのCryptoSpells(クリプトスペルズ)の販売を開始しました。
CryptoSpells(クリプトスペルズ)は、獲得したトレーディングカードはユーザー同士で自由にトレードできる仕組みとなっており、国内トップクラスのブロックチェーンゲームにまで成長しました。
NFTに対する現状の課題
手数料が高騰しやすい
そのため、取引時にはガス代と呼ばれる手数料が発生します。このガス代はNFTの価格やトランザクション量(取引の多さ)、取引する時間帯によっても異なるので、常に一定というわけではありません。
頻繁に取引されている人気の作品などは、比較的ガス代が高騰しやすい傾向にあります。
詐欺商品を購入する可能性がある
中には、まったく価値のついていない作品も存在します。
また、実際には価値がない作品を価値があるように見せかけて販売するといった詐欺商品が問題になることもあります。
完全に詐欺商品を見分けるのは難しいですが、信頼できるマーケットプレイスで販売されているかどうか、そのNFTのコミュニティが盛り上がっているかどうかなどを確認しておきましょう。
法規制や権利関係の問題が十分に整備されていない
そのため、デジタルアート作品のデザインを模倣された場合に、著作権の侵害を主張するのが難しいのが現状です。
NFTの取引においても、法規制・権利関係の整備は十分に追いついていないため、権利関係のトラブルが生じた際に、大きな問題に発展する可能性も十分にあります。
NFTで資産を増やす方法
NFT作品を販売または取引する
デジタル作品をNFT化し、販売するまでの基本的な手順は次の通りです。
1.デジタル作品を作成
2.NFTマーケットプレイスで会員登録
3.デジタル作品のデータをアップロード
4.販売方法を選択
5.販売開始
OpenSea(オープンシー)などのNFTマーケットプレイスを利用する場合、販売方法は固定価格・オークション・グループ販売のいずれかを選択できます。すでに作成したデジタル作品をお持ちの方は、試しにNFTマーケットプレイスで販売してみましょう。
NFTの関連通貨へ投資をする
NFT関連通貨に対応した銘柄は数多くありますが、今注目を集めているのはエンジンコイン・サンドコイン・チリーズの3銘柄です。
銘柄 | エンジンコイン | サンドコイン | チリーズ |
略称 | ENJ | SAND | CHZ |
主な取引所 | CoincheckGMOコイン | 海外市場 | 海外市場 |
価格 | 79.54円 | 140.70円 | 29.38円 |
時価総額 | 79,543,496,293
円
|
210,971,072,194円 | 176,237,014,129円 |
今後のNFTの普及に注目
また、NFTを所有している人たちのコミュニティが誕生したり、ブロックチェーン技術を用いて、デジタルアーティストやクリエイターにインセンティブが支払われる仕組みを作ったりなど、デジタルデータに新しい付加価値を加えることも可能です。
このようなNFTの仕組みは、アートやゲームにとどまらず、スポーツやエンタメ、さらには教育や地方創生など、さまざまな分野でも取り入れられてきています。
これからのデジタル社会をさらに促進させるNFTについて、今後も最新の動向に注目していきましょう。