プラットフォーマー研究

コンビニより多い薬局のDX化で、私たちの生活はどう変わるのか。ファーマシフト社が「つながる薬局」で目指すもの

LINEを活用して、処方せんの送信やオンライン問診、薬剤師への相談などが可能になる「つながる薬局」。公式アカウントを友だち登録するだけで、薬局での待ち時間を減らし、いつでも薬や体調に関する相談ができる手軽さが好評で、すでに30万人超のユーザーが利用しています。
サービスを提供するファーマシフトは、薬局のDXを目指し、株式会社メディカルシステムネットワークと株式会社リテイギ(旧オプトデジタル)のジョイントベンチャーとして、2020年に設立されました。今回は、メディカルシステムネットワークの取締役執行役員でありファーマシフトの代表取締役社長である多湖 健太郎氏と、リテイギの代表取締役社長の松原 正和氏を迎え、つながる薬局によって解消したい課題や今の時代の医療のあり方、今後の展望についてお話を伺いました。

ざっくりまとめ

- メディカルシステムネットワークとリテイギの二社は、薬局全体ひいては医療業界を変えたいという想いでパートナーに。今の時代に最適化された薬局をつくることが目的。

- 病院と薬局で長時間待たされるなど、患者に負担が大きい現在の医療のあり方を改善するべく、つながる薬局は開発された。医師と薬剤師の連携を深め、余計な薬の量を減らし医療費削減にも取り組む。

- つながる薬局の導入店舗は現在約1,500軒。友だち登録しているユーザー数は30万人超だが、日本の人口比から見るとまだまだ少数。目標とするユーザー数は8,000万人超。

- 岸田政権は医療のDXを推進することを明言している。ファーマシフトは調剤薬局を起点として、介護領域や在宅医療領域におけるDXを推進し、医療費削減と医療体験の向上に取り組んでいく。

「医療の世界を変えたい」という想いで意気投合

――まず、リテイギ(旧オプトデジタル)は、どのような目的で誕生したのでしょうか?

松原:リテイギは「事業創造が大好きな人が、事業に集中できる環境をつくりたい」という想いのもとに生まれました。事業をつくるには、独立して起業する方法と、大きな会社の傘のもとで新規事業を生み出す方法がありますが、起業することを選んだ場合、多くの時間を資金繰りのことに費やす必要が出てきます。私自身も起業を経験していますが、その際も事業創造だけに時間を割くことができなくなり、もどかしさを感じる経験をしてきたため、事業のみに集中できる環境をつくりたかったんです。事業家が存分にチャレンジできる場所。それがリテイギのコンセプトです。

そしてコンセプトとは別に、リテイギには「すべての産業を、ともに再定義する。」というミッションがあります。オンラインの世界ではGoogleやFacebook、Twitterなど、2000年以降につくられた会社がさまざまなサービスや価値を提供しています。一方、オフラインの世界で私たちが触れる価値の多くはいわゆる大企業が生み出す価値です。大企業が提供している価値はとても大きいものですが、「それがこの時代の最適解なのか?」と考えると、新たな産業の形が見えてくると思っています。

例えば今、自動車メーカーを起ち上げようとするなら、きっとガソリン車はつくらないでしょう。今を前提にしたとき、自動車産業はどういう産業であるべきか? その答えを形にできれば、社会にとって大きなインパクトを与えられるでしょう。事業づくりが好きな人がたくさん集まって、それぞれが各産業を自分の目で捉え、新しい事業を生み出していく。それがリテイギの考える理想です。

――多湖さんは、つながる薬局を提供するファーマシフト社の代表取締役社長のほかに、メディカルシステムネットワーク(以下、MSNW)の経営戦略本部長も兼任されています。MSNWはいろいろな事業を手がけていますが、メインの事業について教えてください。

多湖:MSNWの事業には大きく二つの柱があります。まずは地域薬局事業。「なの花薬局」というブランドで全国に425店舗の調剤薬局を展開しています。これは薬局チェーンの規模として上位10位に入る数です。もう一つが医薬品ネットワーク事業です。なの花薬局が持つ経営資源やノウハウを他の薬局に提供するという経営支援サービスですね。他社にノウハウを明かすことは、敵に塩を送っているように見えるかもしれませんが、医療機関として私たちと同じ志を持つ企業を応援したいという想いがあります。現在は7,000軒以上のお客さまに提供しており、全国に6万店舗あるといわれている薬局の10%以上を占めています。

――MSNWとリテイギの最初のコンタクトは、何がきっかけだったのでしょうか?

多湖:なの花薬局で導入を考えていたサイネージ広告について相談をしたことがきっかけです。私はその場にいなかったのですが、サイネージ広告よりも面白いことができますよね、と話が盛り上がったと聞いています。リテイギの前身であるオプトデジタルは、当時からLINEとパートナーシップを組んでいて、LINEを活用したサービスの開発に強みがありました。MSNWとしても医薬品ネットワークのお客さまのためになる新たなサービスを模索していた時期だったので、なの花薬局だけでなく薬局全体にとってプラスになることをしたいと意気投合したのが始まりです。

――リテイギから見て、MSNWの魅力はどんな点にありましたか?

松原:一つは事業としての規模です。MSNWは当時6,000軒ほどの薬局に経営支援を行っていました。全国に6万店舗ある薬局の1割を占めており、さらに自社でも425店舗の薬局を運営している。これだけの規模ならスピーディに事業も拡大できるだろうと。そして、多湖さんをはじめMSNWの方は、自分たちがよければよいという考えではなく、常に業界全体のことを考えている。そこに人としての魅力を感じました。

なぜ病院や薬局でのユーザー体験は、現代においても変わらないのか

――2020年10月にファーマシフト社を設立されていますが、ジョイントベンチャーという形にこだわった理由を教えてください。

松原:私は、薬剤師という国家資格を持つ方々が担う仕事の価値は高いと思っていますし、まだまだ発揮してもらう余地があると考えています。さらに、医療における患者の体験は、現代向けに再定義できるはず。この目標を実現するためには、単なる受発注の関係では無理だと考えました。二社に共通の目標があるなら、同じ会社になったほうがよいとの判断から、ジョイントベンチャーという形を提案しました。

多湖:LINEを活用したBtoCサービスは、MSNWにとってまったく未知の世界でした。そこで、さまざまなノウハウを持ったリテイギさんからジョイントベンチャーのお話をいただいたので、ぜひお願いしますと。話はすんなりと決まりましたね。

――つながる薬局が掲げている「患者起点のサービス」というコンセプトが生まれた理由を教えていただけますか?

松原:病院に行って処方せんをもらい、薬局に行って必要な薬をもらう。こういった一連の体験は「本当に気持ちのよいもの」でしょうか。つらい症状を抱えるなかで病院に足を運び、問診票を書いて、長い時間待たされる。診察後には処方せんを持って薬局に行き、そこでも待たされる。私自身が一人の患者として診療を受けたとき「これってぜんぜん今っぽくないなと」と感じたことがきっかけです。冷静に考えるとサービス業ではあり得ない体験だなと。すべての医療従事者が世の中に提供している価値はまだまだ最適化できる。必要なのは患者をユーザーと捉え、ユーザー体験を最高にするという思想です。

そもそも病院と薬局は歩いて行ける距離にあるのに、医師と薬剤師が情報を共有していない仕組みがおかしいんです。そこの連携が取れてないから、異なる病院に通うと薬を重複して処方されてしまうケースが出てきます。私たちの血税でまかなわれている日本の医療費は現在40兆円を超えています。2025年には60兆円近くに増大するという試算もあります。将来破綻する可能性のある国民皆保険制度をなんとかしたい。それも患者にとって気持ちのよい形で実現したいと考えています。

サービス開始から1年で30万人のユーザーが利用。目指すは8,000万人超の登録者

――今年の5月につながる薬局を導入する店舗が1,000軒を超えました。当初の予想に対する達成度合いはいかがでしょうか?

松原:正直もっと伸ばせると思っていましたが、現実はそんなに簡単ではないなと。ただ、日夜がんばっているメンバーが適切な行動を適切に取った結果なので、数値としては上出来と捉えています。1,000店舗という数は薬局業界1位の店舗網と同程度で、最近は伸び率も上がってきているので、当初描いた成長曲線に持っていけると考えています。

――LINEの友だち登録者もわずか1年で30万人を超えましたね。

松原:日本の人口が1億数千万人で、30万人は何%になるのか? それを考えるとまだまだだと感じています。日本のLINE利用者と同等の8,000万超のユーザー数まで伸ばしたいですね。誰も手を抜かずに真摯にやってきた自負があるので、達成できると信じています。

多湖:導入店舗数が増えれば友だち登録者も比例して伸びていきますが、そこが上手くいってないケースもあります。つまり、活用できている店舗とできていない店舗が顕在化していることが課題なので、もっと数字を伸ばせるよう支援していきます。

松原:店舗の業務が忙しいときは、なかなか患者さんに友だち登録を案内しづらいんですよね。現時点では、つながる薬局を友だち登録するためには、患者さんに個別のQRコードを読み込んでもらう必要がありますが、薬局側の管理画面からログインして表示する流れになるので手間がかかります。今後は全員に共通のQRコードを作成して、いつでも手軽に友だち登録ができるよう改善をしていきます。

薬剤師間の情報共有で、年間数千億円の医療費を削減

――競合サービスと比較したとき、つながる薬局にはどのような強みがありますか?

多湖:つながる薬局は、薬局を運営する当事者側が提供しているので、現場の意見を多く取り入れ、つくったサービスをすぐに現場でテストできる点が強みだと考えています。今後、新しい機能が増えればさらに成果を出せるでしょう。

松原:事業なのでもちろん競合を意識することはありますが、互いによいサービスを提供して、医療体験が向上すればよいなと考えています。事業としての競合も広い目で見れば、医療業界を改善していく仲間です。どこか一社が生き残るのではなく、皆でがんばりましょうと。切磋琢磨して患者に選ばれるサービスをつくっていくだけです。

――では今後の展望を教えてください。

多湖:まずは、つながる薬局の機能充実を図るとともに、サービスを多くの方に伝えるための努力をしていきます。今は友だち登録のきっかけは薬局店頭での声かけがほとんどなのですが、普段薬局を利用する機会が少ない方にも知っていただきたいですね。

さらに、今回岸田政権が発表した骨太の方針には、「医療のDXに国が本気で取り組みます」といった趣旨のことが記載されていますし、財務省や厚労省も「薬局は店舗数が多すぎる」「かかりつけ薬局になれない薬局は生き残れない」という考え方を示しています。今後、日本の医療業界では薬剤師の役割が大事な局面を迎えるでしょう。薬を出すだけなら自販機でもできます。医療の世界にはDXへの危機感がない人もたくさんいますが、私たちはデジタルを活用して、薬剤師の仕事の素晴らしさを最大化できるようバックアップしていきます。

松原:短期的には、つながる薬局を事業として成立させることです。短期的な赤字は許容しつつ、将来的には黒字化させます。事業として存続できなければ意味がありませんから。中長期的な視点では、つながる薬局を「医療費削減の代表的なプロダクト」として認知させていくことです。在宅医療や介護施設などでも医療費削減の余地はあるでしょう。私たちのサービスを薬局以外にも広げ、医療費を削減させて、かつ医療体験全般も向上させます。

いろいろな試算がありますが、患者の服用している薬の情報をすべての薬剤師が共有すれば、薬の重複が減り数千億円の医療費が削減できるといわれています。つながる薬局はまだまだ成長途中ですが、少しずつ機能を追加し、導入店舗を拡大して、事業拡大の下地をつくっています。薬剤師の力による医療費問題の解消を目指し、これからも進んでいきます。

つながる薬局導入店舗インタビュー:なの花薬局 新砂店 薬剤師 金枝 有香氏

2020年12月につながる薬局を導入した「なの花薬局 新砂店」。日々、現場で多くの患者さんと接している薬剤師の金枝 有香氏に、サービス導入後の変化についてお話を伺いました。
金枝:つながる薬局のLINE公式アカウントを友だち登録するだけで、すぐに処方せんの送信、オンライン問診、お薬手帳の確認、服薬相談が可能になります。好評なのは処方せんの送信機能ですね。処方箋受け取り後すぐに送信し、希望する時間に薬局へ行けば、これまでのように待たされる必要もありません。薬によっては用意までに数時間を要する場合もありますが、そんなときは一旦家に戻って自分の都合のよい時間に薬を受け取ることができます。

つながる薬局を導入して変わったのは、20代~40代の患者さんからの簡単なお問い合わせが増えたことです。特に30代~40代の男性からの服薬相談などが増えた印象です。LINEなら、電話と違って時間を気にすることなく、思い立ったときに薬剤師にメッセージができ、気軽に相談できる点が受け入れられています。

世代としては、20代から70代まで、幅広くご利用いただいていますね。若い世代の方はLINEに慣れているので問題ありませんが、LINEに不慣れな高齢の方もいます。すべてのコミュニケーションをLINEで済ませるようなことはなく、直接お話ししたい方には電話で服薬の説明をするなど、患者さんごとに最適なフォローをするよう心がけています。
現在、日本薬剤師会は、患者さん一人ひとりが「かかりつけ薬局」を持つことを推進しています。遠方の大きな病院に通っていても、自宅近くの薬局に処方せんをLINEで送れば、帰宅したときにすぐ薬を受け取れるメリットがあります。冷蔵保存が必要な注射器などを遠方から持ち帰るのは大変ですが、自宅近くで受け取ればその労力も削減できます。また、持ち歩く時間が短くなるため温度変化も少なく、医薬品の安定性を保つことにもつながります。一つの薬局に薬の管理を一元化してお任せすることで、薬の重複を防ぎ、より適切な服薬指導を受けられることは、患者さんにとって大きな利点です。

私たち薬剤師としても、全国の病院の薬を扱うことは経済的なメリットがありますし、新しい医薬品に触れることで知識を深める機会も増えました。これからの時代に求められるのは地域密着型の薬局です。かかりつけの薬剤師を見つけ、ぜひ気軽に健康相談などをしていただければと思います。
多湖 健太郎
株式会社ファーマシフト 代表取締役社長

1997年みずほフィナンシャルグループ入社。2015年株式会社メディカルシステムネットワーク入社、2019年より取締役執行役員経営戦略本部長(現任)。全国425店舗の調剤薬局と7,000件超の加盟薬局を有する医薬品ネットワーク事業で成長を続ける同社にて、経営戦略やアライアンスを担当。2020年10月リテイギとの合弁によるファーマシフトの設立と同時に代表取締役社長就任。企業の垣根を超えた薬局業界全体のプラットフォーム構築を目指す。
松原 正和
株式会社リテイギ 代表取締役社長

2007年、新卒で電通国際情報サービスに入社。 その後、ディー・エヌ・エー、博報堂、ヘルスケアスタートアップの創業を経て、2020年5月株式会社オプトに入社。 リテイギ取締役COO、RePharmacy代表取締役社長、ファーマシフト取締役副社長として、2021年からデジタルホールディングスグループのIX(Industrial Transformation®:産業変革)事業の実行責任を担う。 2022年4月リテイギの代表取締役社長に就任(現任)。

人気記事

日本5社目のユニコーンと報じられた「Opn」。世界を舞台に急成長を遂げるフィンテック企業の展望とは

日本5社目のユニコーンと報じられた「Opn」。世界を舞台に急成長を遂げるフィンテック企業の展望とは

伝説の幻獣である「ユニコーン」になぞらえて、企業価値評価額の高いスタートアップを評する言葉、「ユニコーン企業」。アメリカや中国でその数が増え続けている一方で、日本では未だ、少ない状況にあります。そんななか、2022年5月にシリーズC+ラウンドで1億2,000万ドルを調達し、日本5社目のユニコーンと報じられた企業があります。それが創業からグローバルを視野に事業を営み、東京やバンコクなどアジア6カ国を拠点とするフィンテック企業、Opn株式会社です。 さらに資金調達と同時に、ビジョンと戦略を刷新。無駄を削ぎ落し、鋭さの増した同社の成功を支える組織とプロダクトの強み、次に目指す世界について、創業者であり、代表取締役CEOを務める長谷川 潤氏にお話を伺いました。

過疎地を救う? お手伝い×旅のプラットフォーム「おてつたび」による関係人口の増加

過疎地を救う? お手伝い×旅のプラットフォーム「おてつたび」による関係人口の増加

地域活性化や地方創生という言葉が聞かれ始めて久しい昨今。UIJターン移住者に向けて補助を行っても、少子高齢化などの課題改善が難しい地域もあります。そんな多くの自治体が抱える課題に「旅」という側面からアプローチをするのが、プラットフォーム「おてつたび」です。「お手伝いをして賃金を得ながら旅がしたい」と考える方と、「人手不足を解消しながら地域の魅力を伝えたい」と考える地域の方々をプラットフォーム上でマッチングすることで、地域の課題解決や活性化に貢献しています。 今回は、おてつたびを運営する、株式会社おてつたびの代表取締役 CEOである永岡 里菜氏に、お手伝いをしながら旅をすることが地方や人々に与える価値、今後おてつたびが地方創生に対して担う役割についてお話を伺いました。

東芝の舵を取る新社長 島田太郎氏が見据える復権の鍵に、立教大学ビジネススクール田中道昭教授が迫る【前編】

東芝の舵を取る新社長 島田太郎氏が見据える復権の鍵に、立教大学ビジネススクール田中道昭教授が迫る【前編】

2022年3月に東芝の代表執行役社長 CEOに就任した島田太郎氏。デジタル分野のトップを務めた島田氏は、「東芝でデジタルが分かる初めての社長」として就任時から大きな注目を集めています。 昨年開催された「Digital Shift Summit 2021」では「日本企業がデジタルシフトでGAFAに打ち勝つ方法」というテーマの鼎談に立教大学ビジネススクールの田中道昭教授と、デジタルホールディングス代表取締役会長の鉢嶺登氏とともに参加し、東芝および日本企業の未来についての展望を語っています。 島田氏は、日本を代表する企業である東芝でどのような事業を強化し、どう舵取りをしていくのか。東芝が目指すDXの形や、プライバシーを最優先した次世代のデータビジネスとはどのようなものなのか? また、東芝および日本企業がGAFAに打ち勝つためにできることとは。社長に就任した島田社長が抱くビジョンに迫ります。 前編は島田氏が社長に就任してからの変化、東芝が手がけるスマートレシート躍進の理由と将来の展望、ナノエコノミーの可能性などについてお話をうかがいます。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

DX・カーボンニュートラル・量子コンピューティング。「人と、地球の、明日のために。」東芝ができること。東芝 島田太郎新社長×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【後編】

DX・カーボンニュートラル・量子コンピューティング。「人と、地球の、明日のために。」東芝ができること。東芝 島田太郎新社長×立教大学ビジネススクール田中道昭教授【後編】

2022年3月に東芝の代表執行役社長 CEOに就任した島田太郎氏。デジタル分野のトップを務めた島田氏は、「東芝でデジタルが分かる初めての社長」として就任時から大きな注目を集めています。昨年開催された「Digital Shift Summit 2021」では「日本企業がデジタルシフトでGAFAに打ち勝つ方法」というテーマの鼎談に立教大学ビジネススクールの田中道昭教授と、デジタルホールディングス代表取締役会長の鉢嶺登氏とともに参加し、東芝および日本企業の未来についての展望を語っています。 島田氏は、日本を代表する企業である東芝でどのような事業を強化し、どう舵取りをしていくのか。東芝の考える顧客中心主義とは? 東芝の技術はカーボンニュートラルにどう寄与するのか? 島田社長が抱くビジョンに迫ります。 後編は東芝の「人と、地球の、明日のために。」という企業理念に込められた思い、島田社長の考えるリスキリングのあり方、量子コンピュータの持つ可能性などについてお話をうかがいます。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

【Netflix徹底解剖】Netflix4.0、世界最先端のDX戦略を追う

【Netflix徹底解剖】Netflix4.0、世界最先端のDX戦略を追う

全世界での有料会員数が2億人を突破。飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続ける企業、Netflix。現在の利用者の中には、彼らの事業が店舗を持たないDVDオンライン郵送サービスからスタートしたことを知らない人もいるかもしれません。1997年、小さなスタートアップ企業として創業したNetflixはその後、DVDレンタルのサブスクリプション、動画ストリーミング配信のサブスクリプション、そして動画オリジナルコンテンツの配信と、デジタルを基盤に着実にビジネスを変革し、今や皆さんご存知の通り、デジタルコンテンツプラットフォームの王者へと成長を遂げています。今回の「世界最先端のデジタルシフト戦略」vol.4では、そのビジネストランスフォーメーションの変遷を立教大学ビジネススクール 田中道昭教授に徹底解剖していただきます。小さなスタートアップ企業であったNetflixがいかに王者となれたのか。その変革の奥にある秘訣とは。DXに取り組む日本企業も見習うべき一貫した姿勢に迫ります。

メンタルヘルス後進国、日本。DXはメンタルヘルスに貢献できるのか

メンタルヘルス後進国、日本。DXはメンタルヘルスに貢献できるのか

欧米に比べ大きく遅れているといわれる日本のメンタルヘルスを取り巻く環境。事実、欧米ではカウンセリングを受診した経験のある人は52%にも上りますが、日本では6%という低水準。先進国のなかで突出した自殺者数についても、厚生労働省は深刻な状況と受け止めています。 そんななか、β版での運用を終え、2022年7月5日に正式ローンチされた「mentally(メンタリー)」は、日本では敷居の高いメンタルヘルスに関する相談が気軽に行えるアプリ。株式会社Mentally 代表取締役CEOを務める西村 創一朗氏は、自身も過去に双極性障害(※)を乗り越えた経験を持っています。メンタルヘルス市場はDXによりどう変化していくのか。インタビューを通して、日本のメンタルヘルス市場の未来を紐解きます。 ※ 双極性障害:活動的な躁(そう)状態と、無気力なうつ状態を繰り返す障害。

新社長はベイシアをどう「尖らせる」のか。ベイシア社長 相木孝仁氏に立教大学ビジネススクール田中道昭教授が迫る【前編】

新社長はベイシアをどう「尖らせる」のか。ベイシア社長 相木孝仁氏に立教大学ビジネススクール田中道昭教授が迫る【前編】

ホームセンターのカインズにワークマン、東急ハンズなどをグループ会社に持つベイシアグループ。その中核をなすのが東日本をメインに展開する食品スーパー大手のベイシアです。広大なワンフロアの店舗で地域住民のニーズに応える圧倒的品揃えと価格を実現し、その動向は常に業界内での注目を集めています。今回の対談では、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授と、今年7月にベイシアの新社長に就任された相木孝仁氏の二人が、新体制となったベイシアの独自戦略について意見を交わします。 前編は相木社長の経歴と社長就任までの経緯、ベイシアグループが標榜する「ハリネズミ経営」、高品質なプライベートブランド(PB)の開発および販売戦略、今後の出店戦略などについてお話をうかがいます。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

生産労働人口の減少を受け、日本企業はいよいよ生き残りをかけたデジタル化に取り組まなければいけないと言われるフェーズに入ってきました。とはいえ、それができている企業とそうでない企業との差が激しくなっているのも現状です。 そんななか、ホームセンター大手カインズでは、40年かけて積み重ねてきたホームセンターとしてのあり方を見直し、IT小売企業として生まれ変わろうとしています。カインズでデジタル戦略本部長を務め、戦略の指揮をとる池照 直樹氏に、同社のデジタル戦略についてお話を伺いました。 前編は、カインズがどのようにしてデジタル化を実現させていったのか、具体的な取り組みを交えてお届けします。

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookが社名を変更し、中核事業に据えるほど力を入れる「メタバース」。2021年8月にはグリー株式会社が、今後2~3年で100億円規模の事業投資を行い、グローバルで数億ユーザーを目指すと発表しましたが、その中核を担うのが、グリー株式会社の子会社であり、これまでバーチャルライブ配信アプリを手がけてきたREALITY株式会社です。今回は、そんな同社の代表を務めるDJ RIO氏にインタビュー。そもそもメタバースとは何なのか。なぜこんなにも注目が集まっているのか。メタバースは、世界のあり方をどのように変えるのか。メタバース初心者のビジネスパーソンには必読のインタビューです。