プラットフォーマー研究

コンビニより多い薬局のDX化で、私たちの生活はどう変わるのか。ファーマシフト社が「つながる薬局」で目指すもの

LINEを活用して、処方せんの送信やオンライン問診、薬剤師への相談などが可能になる「つながる薬局」。公式アカウントを友だち登録するだけで、薬局での待ち時間を減らし、いつでも薬や体調に関する相談ができる手軽さが好評で、すでに30万人超のユーザーが利用しています。
サービスを提供するファーマシフトは、薬局のDXを目指し、株式会社メディカルシステムネットワークと株式会社リテイギ(旧オプトデジタル)のジョイントベンチャーとして、2020年に設立されました。今回は、メディカルシステムネットワークの取締役執行役員でありファーマシフトの代表取締役社長である多湖 健太郎氏と、リテイギの代表取締役社長の松原 正和氏を迎え、つながる薬局によって解消したい課題や今の時代の医療のあり方、今後の展望についてお話を伺いました。

ざっくりまとめ

- メディカルシステムネットワークとリテイギの二社は、薬局全体ひいては医療業界を変えたいという想いでパートナーに。今の時代に最適化された薬局をつくることが目的。

- 病院と薬局で長時間待たされるなど、患者に負担が大きい現在の医療のあり方を改善するべく、つながる薬局は開発された。医師と薬剤師の連携を深め、余計な薬の量を減らし医療費削減にも取り組む。

- つながる薬局の導入店舗は現在約1,500軒。友だち登録しているユーザー数は30万人超だが、日本の人口比から見るとまだまだ少数。目標とするユーザー数は8,000万人超。

- 岸田政権は医療のDXを推進することを明言している。ファーマシフトは調剤薬局を起点として、介護領域や在宅医療領域におけるDXを推進し、医療費削減と医療体験の向上に取り組んでいく。

「医療の世界を変えたい」という想いで意気投合

――まず、リテイギ(旧オプトデジタル)は、どのような目的で誕生したのでしょうか?

松原:リテイギは「事業創造が大好きな人が、事業に集中できる環境をつくりたい」という想いのもとに生まれました。事業をつくるには、独立して起業する方法と、大きな会社の傘のもとで新規事業を生み出す方法がありますが、起業することを選んだ場合、多くの時間を資金繰りのことに費やす必要が出てきます。私自身も起業を経験していますが、その際も事業創造だけに時間を割くことができなくなり、もどかしさを感じる経験をしてきたため、事業のみに集中できる環境をつくりたかったんです。事業家が存分にチャレンジできる場所。それがリテイギのコンセプトです。

そしてコンセプトとは別に、リテイギには「すべての産業を、ともに再定義する。」というミッションがあります。オンラインの世界ではGoogleやFacebook、Twitterなど、2000年以降につくられた会社がさまざまなサービスや価値を提供しています。一方、オフラインの世界で私たちが触れる価値の多くはいわゆる大企業が生み出す価値です。大企業が提供している価値はとても大きいものですが、「それがこの時代の最適解なのか?」と考えると、新たな産業の形が見えてくると思っています。

例えば今、自動車メーカーを起ち上げようとするなら、きっとガソリン車はつくらないでしょう。今を前提にしたとき、自動車産業はどういう産業であるべきか? その答えを形にできれば、社会にとって大きなインパクトを与えられるでしょう。事業づくりが好きな人がたくさん集まって、それぞれが各産業を自分の目で捉え、新しい事業を生み出していく。それがリテイギの考える理想です。

――多湖さんは、つながる薬局を提供するファーマシフト社の代表取締役社長のほかに、メディカルシステムネットワーク(以下、MSNW)の経営戦略本部長も兼任されています。MSNWはいろいろな事業を手がけていますが、メインの事業について教えてください。

多湖:MSNWの事業には大きく二つの柱があります。まずは地域薬局事業。「なの花薬局」というブランドで全国に425店舗の調剤薬局を展開しています。これは薬局チェーンの規模として上位10位に入る数です。もう一つが医薬品ネットワーク事業です。なの花薬局が持つ経営資源やノウハウを他の薬局に提供するという経営支援サービスですね。他社にノウハウを明かすことは、敵に塩を送っているように見えるかもしれませんが、医療機関として私たちと同じ志を持つ企業を応援したいという想いがあります。現在は7,000軒以上のお客さまに提供しており、全国に6万店舗あるといわれている薬局の10%以上を占めています。

――MSNWとリテイギの最初のコンタクトは、何がきっかけだったのでしょうか?

多湖:なの花薬局で導入を考えていたサイネージ広告について相談をしたことがきっかけです。私はその場にいなかったのですが、サイネージ広告よりも面白いことができますよね、と話が盛り上がったと聞いています。リテイギの前身であるオプトデジタルは、当時からLINEとパートナーシップを組んでいて、LINEを活用したサービスの開発に強みがありました。MSNWとしても医薬品ネットワークのお客さまのためになる新たなサービスを模索していた時期だったので、なの花薬局だけでなく薬局全体にとってプラスになることをしたいと意気投合したのが始まりです。

――リテイギから見て、MSNWの魅力はどんな点にありましたか?

松原:一つは事業としての規模です。MSNWは当時6,000軒ほどの薬局に経営支援を行っていました。全国に6万店舗ある薬局の1割を占めており、さらに自社でも425店舗の薬局を運営している。これだけの規模ならスピーディに事業も拡大できるだろうと。そして、多湖さんをはじめMSNWの方は、自分たちがよければよいという考えではなく、常に業界全体のことを考えている。そこに人としての魅力を感じました。

なぜ病院や薬局でのユーザー体験は、現代においても変わらないのか

――2020年10月にファーマシフト社を設立されていますが、ジョイントベンチャーという形にこだわった理由を教えてください。

松原:私は、薬剤師という国家資格を持つ方々が担う仕事の価値は高いと思っていますし、まだまだ発揮してもらう余地があると考えています。さらに、医療における患者の体験は、現代向けに再定義できるはず。この目標を実現するためには、単なる受発注の関係では無理だと考えました。二社に共通の目標があるなら、同じ会社になったほうがよいとの判断から、ジョイントベンチャーという形を提案しました。

多湖:LINEを活用したBtoCサービスは、MSNWにとってまったく未知の世界でした。そこで、さまざまなノウハウを持ったリテイギさんからジョイントベンチャーのお話をいただいたので、ぜひお願いしますと。話はすんなりと決まりましたね。

――つながる薬局が掲げている「患者起点のサービス」というコンセプトが生まれた理由を教えていただけますか?

松原:病院に行って処方せんをもらい、薬局に行って必要な薬をもらう。こういった一連の体験は「本当に気持ちのよいもの」でしょうか。つらい症状を抱えるなかで病院に足を運び、問診票を書いて、長い時間待たされる。診察後には処方せんを持って薬局に行き、そこでも待たされる。私自身が一人の患者として診療を受けたとき「これってぜんぜん今っぽくないなと」と感じたことがきっかけです。冷静に考えるとサービス業ではあり得ない体験だなと。すべての医療従事者が世の中に提供している価値はまだまだ最適化できる。必要なのは患者をユーザーと捉え、ユーザー体験を最高にするという思想です。

そもそも病院と薬局は歩いて行ける距離にあるのに、医師と薬剤師が情報を共有していない仕組みがおかしいんです。そこの連携が取れてないから、異なる病院に通うと薬を重複して処方されてしまうケースが出てきます。私たちの血税でまかなわれている日本の医療費は現在40兆円を超えています。2025年には60兆円近くに増大するという試算もあります。将来破綻する可能性のある国民皆保険制度をなんとかしたい。それも患者にとって気持ちのよい形で実現したいと考えています。

サービス開始から1年で30万人のユーザーが利用。目指すは8,000万人超の登録者

――今年の5月につながる薬局を導入する店舗が1,000軒を超えました。当初の予想に対する達成度合いはいかがでしょうか?

松原:正直もっと伸ばせると思っていましたが、現実はそんなに簡単ではないなと。ただ、日夜がんばっているメンバーが適切な行動を適切に取った結果なので、数値としては上出来と捉えています。1,000店舗という数は薬局業界1位の店舗網と同程度で、最近は伸び率も上がってきているので、当初描いた成長曲線に持っていけると考えています。

――LINEの友だち登録者もわずか1年で30万人を超えましたね。

松原:日本の人口が1億数千万人で、30万人は何%になるのか? それを考えるとまだまだだと感じています。日本のLINE利用者と同等の8,000万超のユーザー数まで伸ばしたいですね。誰も手を抜かずに真摯にやってきた自負があるので、達成できると信じています。

多湖:導入店舗数が増えれば友だち登録者も比例して伸びていきますが、そこが上手くいってないケースもあります。つまり、活用できている店舗とできていない店舗が顕在化していることが課題なので、もっと数字を伸ばせるよう支援していきます。

松原:店舗の業務が忙しいときは、なかなか患者さんに友だち登録を案内しづらいんですよね。現時点では、つながる薬局を友だち登録するためには、患者さんに個別のQRコードを読み込んでもらう必要がありますが、薬局側の管理画面からログインして表示する流れになるので手間がかかります。今後は全員に共通のQRコードを作成して、いつでも手軽に友だち登録ができるよう改善をしていきます。

薬剤師間の情報共有で、年間数千億円の医療費を削減

――競合サービスと比較したとき、つながる薬局にはどのような強みがありますか?

多湖:つながる薬局は、薬局を運営する当事者側が提供しているので、現場の意見を多く取り入れ、つくったサービスをすぐに現場でテストできる点が強みだと考えています。今後、新しい機能が増えればさらに成果を出せるでしょう。

松原:事業なのでもちろん競合を意識することはありますが、互いによいサービスを提供して、医療体験が向上すればよいなと考えています。事業としての競合も広い目で見れば、医療業界を改善していく仲間です。どこか一社が生き残るのではなく、皆でがんばりましょうと。切磋琢磨して患者に選ばれるサービスをつくっていくだけです。

――では今後の展望を教えてください。

多湖:まずは、つながる薬局の機能充実を図るとともに、サービスを多くの方に伝えるための努力をしていきます。今は友だち登録のきっかけは薬局店頭での声かけがほとんどなのですが、普段薬局を利用する機会が少ない方にも知っていただきたいですね。

さらに、今回岸田政権が発表した骨太の方針には、「医療のDXに国が本気で取り組みます」といった趣旨のことが記載されていますし、財務省や厚労省も「薬局は店舗数が多すぎる」「かかりつけ薬局になれない薬局は生き残れない」という考え方を示しています。今後、日本の医療業界では薬剤師の役割が大事な局面を迎えるでしょう。薬を出すだけなら自販機でもできます。医療の世界にはDXへの危機感がない人もたくさんいますが、私たちはデジタルを活用して、薬剤師の仕事の素晴らしさを最大化できるようバックアップしていきます。

松原:短期的には、つながる薬局を事業として成立させることです。短期的な赤字は許容しつつ、将来的には黒字化させます。事業として存続できなければ意味がありませんから。中長期的な視点では、つながる薬局を「医療費削減の代表的なプロダクト」として認知させていくことです。在宅医療や介護施設などでも医療費削減の余地はあるでしょう。私たちのサービスを薬局以外にも広げ、医療費を削減させて、かつ医療体験全般も向上させます。

いろいろな試算がありますが、患者の服用している薬の情報をすべての薬剤師が共有すれば、薬の重複が減り数千億円の医療費が削減できるといわれています。つながる薬局はまだまだ成長途中ですが、少しずつ機能を追加し、導入店舗を拡大して、事業拡大の下地をつくっています。薬剤師の力による医療費問題の解消を目指し、これからも進んでいきます。

つながる薬局導入店舗インタビュー:なの花薬局 新砂店 薬剤師 金枝 有香氏

2020年12月につながる薬局を導入した「なの花薬局 新砂店」。日々、現場で多くの患者さんと接している薬剤師の金枝 有香氏に、サービス導入後の変化についてお話を伺いました。
金枝:つながる薬局のLINE公式アカウントを友だち登録するだけで、すぐに処方せんの送信、オンライン問診、お薬手帳の確認、服薬相談が可能になります。好評なのは処方せんの送信機能ですね。処方箋受け取り後すぐに送信し、希望する時間に薬局へ行けば、これまでのように待たされる必要もありません。薬によっては用意までに数時間を要する場合もありますが、そんなときは一旦家に戻って自分の都合のよい時間に薬を受け取ることができます。

つながる薬局を導入して変わったのは、20代~40代の患者さんからの簡単なお問い合わせが増えたことです。特に30代~40代の男性からの服薬相談などが増えた印象です。LINEなら、電話と違って時間を気にすることなく、思い立ったときに薬剤師にメッセージができ、気軽に相談できる点が受け入れられています。

世代としては、20代から70代まで、幅広くご利用いただいていますね。若い世代の方はLINEに慣れているので問題ありませんが、LINEに不慣れな高齢の方もいます。すべてのコミュニケーションをLINEで済ませるようなことはなく、直接お話ししたい方には電話で服薬の説明をするなど、患者さんごとに最適なフォローをするよう心がけています。
現在、日本薬剤師会は、患者さん一人ひとりが「かかりつけ薬局」を持つことを推進しています。遠方の大きな病院に通っていても、自宅近くの薬局に処方せんをLINEで送れば、帰宅したときにすぐ薬を受け取れるメリットがあります。冷蔵保存が必要な注射器などを遠方から持ち帰るのは大変ですが、自宅近くで受け取ればその労力も削減できます。また、持ち歩く時間が短くなるため温度変化も少なく、医薬品の安定性を保つことにもつながります。一つの薬局に薬の管理を一元化してお任せすることで、薬の重複を防ぎ、より適切な服薬指導を受けられることは、患者さんにとって大きな利点です。

私たち薬剤師としても、全国の病院の薬を扱うことは経済的なメリットがありますし、新しい医薬品に触れることで知識を深める機会も増えました。これからの時代に求められるのは地域密着型の薬局です。かかりつけの薬剤師を見つけ、ぜひ気軽に健康相談などをしていただければと思います。
多湖 健太郎
株式会社ファーマシフト 代表取締役社長

1997年みずほフィナンシャルグループ入社。2015年株式会社メディカルシステムネットワーク入社、2019年より取締役執行役員経営戦略本部長(現任)。全国425店舗の調剤薬局と7,000件超の加盟薬局を有する医薬品ネットワーク事業で成長を続ける同社にて、経営戦略やアライアンスを担当。2020年10月リテイギとの合弁によるファーマシフトの設立と同時に代表取締役社長就任。企業の垣根を超えた薬局業界全体のプラットフォーム構築を目指す。
松原 正和
株式会社リテイギ 代表取締役社長

2007年、新卒で電通国際情報サービスに入社。 その後、ディー・エヌ・エー、博報堂、ヘルスケアスタートアップの創業を経て、2020年5月株式会社オプトに入社。 リテイギ取締役COO、RePharmacy代表取締役社長、ファーマシフト取締役副社長として、2021年からデジタルホールディングスグループのIX(Industrial Transformation®:産業変革)事業の実行責任を担う。 2022年4月リテイギの代表取締役社長に就任(現任)。

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