前澤ファンドも着目! 急成長のペットテック市場で日本発グローバル展開を目指す、ねこ用loTトイレ「Toletta」

「ねこが幸せになれば、人はもっと幸せになれる。」をミッションに掲げ、ヘルスケアをサポートする、ねこ用のIoTトイレを提供してきたトレッタキャッツ。今年6月にはサブスクリプション型のビジネスモデルへの移行を実現するなど、急速な成長を続けています。今回ご登場いただくのは、そんな同社のCOOである松原 あゆみ氏。ねこ用loTトイレというアイデアはどのように生まれたのか。「データの活用」に着目した理由とは。また、急成長するペットテック市場におけるスタートアップ企業の勝ち筋とは。ペットテックに関心のある方のみならず、すべてのDX担当者必見のストーリーをお届けします。

ざっくりまとめ

- 急成長するペットテックマーケット。2025年には約200億ドルの市場規模に

- 「泌尿器疾患にかかりやすい」というねこの生態に即したIoTトイレを開発。顧客目線を貫くことで、真に向き合うべき課題が明らかに

- ツールはツールでしかない。「コト売り」の実践でユーザーの共感を育てる

- サブスクへの移行で、導入ハードルを大きく下げることに成功

- 世界進出も視野に、ねこの一生をトータルケアできる企業へ

年平均成長率24%! 2025年には200億ドルに達するペットテック市場

―御社のサービスについてお話を伺う前に、まずはペットテックという業界全体の動向を教えてください。

ペットテックは急速にマーケットを拡大している分野の一つです。2018年に約45億ドル規模だった世界のペットテック市場は、2025年には200億ドル規模に達すると予想されています(Global Market Insights調べ)。その年平均成長率は、なんと25%。もちろん、国内市場も右肩上がりの成長を続けています。

では具体的に、どのようなサービスやツールが求められてきたのかというと、これまで中心となってきたのは、いわゆる「見守りカメラ」です。外出時や災害時に、家に残されたペットの様子を確認したい。そんな需要に応えてきました。一方で、コロナ禍で在宅率が上がったことから、見守り要素にプラスアルファの機能が求められつつあると考えています。特に関心が高まっているのが健康管理を目的としたデバイスで、弊社が提供しているねこ向けのヘルスチェックサービス「Toletta(トレッタ)」もその一つです。

泌尿器疾患にかかりやすい、ねこの「おしっこ」に着目

―改めてTolettaとは、どのようなサービスなのでしょう?

一言でいうと、ねこの泌尿器系の体調変化を早期に検知するサービスです。そもそも、ねこは泌尿器疾患にかかりやすい生き物なんです。砂漠など水の少ない環境でも生き残れるように進化してきた結果、腎臓に負担がかかりやすくなってしまった。ペット保険の統計などからも、ねこが最もかかりやすい病気は泌尿器疾患であることが明らかになっています。つまり、泌尿器疾患の早期発見は、ねこの健康寿命の向上に直結しているのです。そこで私たちは、ねこの「おしっこ」に着目しました。

人間も同じですが、腎臓の病気にかかると、トイレの回数が増えたり、尿の量がいつもと変わったりする。人間は自分でその変化に気づくことができますが、言葉が話せないねこにはそれができません。いくら一緒に暮らしている飼い主さんでも、おしっこの変化にまでは気づけないものです。

―それが早期受診を妨げていたのですね。Tolettaはそんな課題を、どのように解決するのでしょう?

私たちはまず、ねこの「体重」「尿量」「尿回数」「トイレ入室回数」「滞在時間」「経過時間」を自動で計測する、カメラ付きのIoTトイレを開発しました。ここで収集したデータを、獣医師と共同で開発した独自のアルゴリズムで解析。大きな変化が検知されると、飼い主さんのスマートフォンに通知される仕組みです。

―ちなみに、カメラを搭載しているのはなぜですか?

ねこの個体を識別するためです。ねこは多頭飼いされることが多く、トイレも共有で使用するため、一頭一頭を見分けられないと、継続的なデータを蓄積することができません。チップが搭載された首輪を使う手法もあるのですが、犬と違って、ねこの場合は首輪慣れしていない子がほとんど。私たちはなるべくねこにストレスフリーなものをつくりたかったんです。そこで採用したのが、入室から退室までの様子を自動撮影し、それを画像認識AIが分析することで個体を識別する方法でした。

―なるほど。かわいいねこの姿を撮影するためではないんですね。

もちろん撮影された動画と静止画は飼い主さんにも共有されるので、それを楽しみにされているユーザーさんも多いですよ。まるでねこが自撮りしているような、愛らしい姿が撮れるんです。だから私たちも「自動撮影機能」という堅苦しい呼び方ではなく、「にゃんこセルフィー機能」と呼んでいます。

ユーザーの声に寄り添うことで見つけた「IoTトイレ」というコンセプト

―そもそも、ねこ用IoTトイレというコンセプトは、どのようなプロセスを経て生まれたのでしょう?

まず、弊社のミッションは「ねこが幸せになれば、人はもっと幸せになれる。」です。ねこの幸せとは何か。私たちはそれを「健康で長生きすること」だと定義しています。そこでミッションを実現するために「データを活用してねこの健康に寄与しよう」という方針を立てました。世界中に約6億頭ともいわれるねこの健康を支えていくには、ITの力を使わない手はありません。とはいえIoTトイレにたどり着くまでには、紆余曲折があったのも事実です。

給餌デバイスを使って、食のデータを収集・解析しようと考えていた時期もあります。実際に給餌デバイスは実用化もされたのですが、当時、ハードウェアの製造を依頼したメーカーと機器の設定の問題で折り合いがつかず、Wi-Fiの接続トラブルなどが多発してしまい、販売中止を余儀なくされてしまいました。

―そんなことがあったのですね。当時はかなり大変だったのではないですか?

そうですね、代表自らお客様のお宅を訪れてデバイスをセッティングする、なんてこともしょっちゅうでした。けれどこのときに、ねこを飼っている多くのお客様から「ねこの自動トイレなんてどう?」と提案していただいたんです。このときはまだIoTを使って、トイレで何をするかまでは見えていなかったのですが、調べてみると先ほどお話ししたような、ねこの健康とおしっこの関係が分かってきた。泌尿器疾患の初期症状が、尿の量や回数の変化に現れることは、獣医学の常識だったのですが、今まではその変化に気づくツールがなかったわけです。それなら私たちがつくってしまおう。こんな思考のプロセスを経て生まれたのがTolettaです。

「コト売り」の徹底で、販売実績を伸ばす

―ユーザーの声に耳を傾け、顧客起点で考え抜いたからこそ生まれたサービスなのですね。ちなみに、現在の利用者はどのくらいですか。

弊社では利用“者”数ではなく、利用“頭”数を指標としているので、そちらをご紹介すると、2021年7月の時点で、約10,000頭のねこにご利用いただいています。10,000頭と聞くと多いと感じる方もいるかもしれませんが、日本だけでも1,000万頭のねこが飼われていることを考えると、まだまだな数字だと思います。

―ねこトイレブランドが多くある中、スタートアップ企業であるTolettaが選ばれた理由は、どこにあると分析していますか?

私たちの目標は、Tolettaを多くのお客様に購入してもらうことではありません。Tolettaはあくまでツールであり、実現したいのは、ねこの健康です。そういう物語を企業として一貫して語り続けてきたことが、多くのお客様の共感を呼んだのだと思います。

アップデートの速さも、勝因の一つかもしれません。販売当初のTolettaは今よりずっと機能が限定されていました。例えば、カメラが撮影した動画にしても、初めは画像認識に活用するだけで、お客様には共有していなかったんです。けれどお客様へのアンケート調査を繰り返す中で、9割以上の方から動画を見たいというご要望をいただいて。それならということで、先ほど触れた「にゃんこセルフィー機能」の実装に至ったわけです。このようにお客様の声をすくい上げながら、アジャイルに進化していけることも、スタートアップ企業の強みだと感じています。

獣医師にもデータを提供することで、早期診断を促していく

―ユーザーや獣医師からの反応はいかがですか?

「Tolettaがきっかけで動物病院へ受診し、病気がみつかった」といった声をいただいています。特に変化がなくても、使っているだけで安心できる、というお客様も多いようです。獣医師の皆さまの反応もとてもポジティブです。飼い主さんが受診時にTolettaのアプリを獣医師へ見せることがあるようで、これがきっかけで動物病院からお問い合わせをいただくこともあります。そうした反響のおかげもあって、100を超える動物病院と提携を結ぶことができました。

―具体的にはどのような提携をしているのでしょう?

まず一つは販売提携です。動物病院で、Tolettaを飼い主の皆さまに紹介していただいています。もう一つは情報共有です。かかりつけ医が提携病院に指定されていれば、Tolettaが体調変化を検知したときに、飼い主さんだけではなく、獣医師にも通知が共有されるようになっています。現在はメールで通知を送っているのですが、今後はよりシームレスに情報を共有できるように、さらにシステムを洗練させていくつもりです。

初期コスト0円で利用できるサブスクリプションモデルへ

―今年の6月に、Tolettaはサブスクリプションモデルへと移行したそうですね。具体的なビジネスモデルや、その狙いについて教えてください。

これまでは本体代金21,780円に加えて、ねこ1頭あたり月額1,078円がかかる料金体系で提供していましたが、6月から本体代金を無料とし、本体1台あたりの月額料金1,078円のみ(いずれも税込) で利用できるようになりました。完全なサブスクモデルへと移行した最大の理由は、もっと多くのねこにTolettaを届けるためです。やはり使ったことのないサービスに対して、2万円以上の初期投資がかかるとなると、飼い主さんはどうしても二の足を踏んでしまいます。それが頭数プラス一台のトイレが必要といわれている多頭飼いなら尚更です。

実はサブスクへの挑戦は、今回が二度目なんです。一度目は資金繰りなどが難しく、どうしても断念せざるを得なかった。今回、二度目の挑戦でサブスクへの移行が実現できたのは、前澤 友作さんが設立した「前澤ファンド」による出資をいただけたことが大きいですね。私たちのビジョンに共感し、手を差し伸べてくれた前澤さんには本当に感謝しています。

前澤さんにサポートいただく一方で、私たち自身もハードウェアの原価削減に取り組んできました。さまざまな苦労がありましたが、半年以上の時間を費やした結果、大幅に原価を削減することができた。こうした二つの要因が重なったことで、以前から思い描いていた初期費用ゼロでのご利用が可能となりました。

世界中のねこの健康を、トータルでサポートしていきたい

―Tolettaは海外からも注目が集まっているそうですね。

アメリカの大手ペット企業「マース ペットケア」のベンチャー部門である「Kinship」と動物愛護財団「Michelson Found Animals」が主催するアクセラレータープログラム「Leap Venture Studio」に、アジアの企業として初めて採択され、海外展開を加速しています。今年の2月から3ヶ月間に渡ってプログラムに参加したことで、アメリカのペット業界とのコネクションも生まれました。ここでのつながりを活用し、BtoCだけではなくBtoBでの展開も見据えてアプローチを始めています。アメリカは世界最大のねこ飼育国。まずは、年内のアメリカローンチを目標とし、グローバル進出を加速していきたいと考えています。

―世界進出のほかには、今後どのような展望を描いているのでしょう?

Tolettaのデータを活かして、より多面的にねこの健康に貢献していきたいと考えています。ペットフードやペット保険事業への参入を視野に入れているほか、獣医師さんとの連携もさらに強化していくつもりです。これまでは泌尿器疾患の早期受診につなげるサポートをしてきた私たちですが、これからは予防や治療のプロセスにも携わり、ねこの一生をトータルケアできるようになりたいですね。

同時に、さらに多くのねこに私たちの支援を届けるために、ペットの健康に対する飼い主さんの意識も引き上げていきたい。コロナ禍でねこを飼う人が急増している中、飼育への意識を知るため「飼い主一斉調査」を弊社で実施したところ、ねこがかかりやすい疾患を知っている飼い主さんは3割と少ない結果となりました。調査結果を受け、まずはねこが健康に生きるために、何が必要かを知ってほしい、と思い、「ねこと暮らすために知っておきたい10のこと」をまとめた「THE FIRST CAT BOOK」の無料公開もはじめました。気になる方はぜひ私たちのWebサイトをご覧ください。

嬉しいことに、一度Tolettaを使っていただくと、飼い主さんの健康意識は、グングン上がっていくんですよ。おしっこの回数だけではなく、フードや運動についても気にかけてくれるようになる。人間のヘルスケアアプリと同じで、データが可視化されると「もっと健康にしなくちゃ」と思うようです。

獣医療の発展に加え、予防に焦点をあてたヘルスケアの質の向上により、平均15歳といわれるねこの寿命が30歳になる日がいつか来ると信じています。ねこが健康に暮らせる時間が延びることは、飼い主さんの幸せにもつながっています。最早ねこは家族の一員ですからね。ウチもねこを飼っているからよく分かるんです。ねこが病気にかかると家中の雰囲気が暗くなってしまうし、仕事中も気が気でありません。そんな想いを、どの飼い主さんにもしてほしくない。ねこと人が、いつまでも幸せに暮らしていける。そんなライフスタイルをつくることが、私たちの使命です。
松原 あゆみ
株式会社トレッタキャッツ 取締役COO / Data Scientist

大阪大学大学院で数学修士を取得後、2012年に株式会社ディー・エヌ・エーに入社。EC事業部にて営業やシステム開発を経験後、大手生命保険会社でアクチュアリー職に従事。2019年より現職。アルゴリズム特許取得やAmazonベストセラー獲得などに貢献し、同年に取締役へ就任。黒猫とキジトラの2頭のねこと暮らす。

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