AI活用

【海外レポートから読み解く】2025年、AIはここまで進化する

2022年7月に画像生成AI「Midjourney」がリリースされ、その後「Stable Diffusion」などのさまざまな画像生成AIが数多く登場するなど、大きな話題を呼びました。この数ヵ月の間、世界の人々のAIに対する捉え方は大きく変わったのではないでしょうか。
今後AIはどのような進化を遂げていくのか。今回は、国内外のAI事情に詳しい株式会社デジタルレシピ 代表取締役の伊藤 新之介氏に、海外のレポートから読み解くAIの進化について解説していただきました。

今、AIはどの程度進化しているのか

AIに対する捉え方が変化している要因には、大きく二つの観点があります。
(1)AIの成長速度
日本では2022年7月から画像生成AIが話題となりました。海外では2020年6月にGPT-3が登場しています。想定よりも早く、AIの性能が向上していることを多くの人が実感し始めています。これは、Foundation ModelやDiffusion Modelと呼ばれるディープラーニングの手法が大きく貢献しており、数値の側面では、AI性能の指標の一つであるパラメータ数が爆発的に増加しています。

例えば、2019年にリリースされた自然言語処理モデルGPT-2のパラメータ数が15億個であるのに対し、その翌年にリリースされた後継モデルのGPT-3は、その116倍の1,750億個というパラメータ数にまで成長しています。これまで「AIの実用化には、あと10年かかる」といわれてきましたが、この仮説は今後大きく覆っていくでしょう。
(2)AIがカバーする領域
これまで、AIができる処理は単純作業で、人間の創造的活動(絵や小説の制作など)や、知的労働(コンサルティングなど)は苦手とされてきました。しかし、GPT-3を皮切りに起こっている今のAIトレンドでは、その仮説が大きく覆されています。むしろ今急速に進化しているAIは、創作的活動や知的労働におけるアウトプットが主領域になりつつあります。

今回は、海外で注目されている、さまざまな考察を例に、今後AIはどのくらいの速さで、どこに向かって進化していくのかを解説していきます。

文章生成AIは、2025年に平均的な人間の文章力を超える

世界的ベンチャーキャピタルのセコイアは、2022年9月19日にGenerative AI: A Creative New World (ジェネレーティブAI : 新しいクリエイティブの世界)というレポートを公開しました。このレポートでは、下記四つのクリエイティブの種類別に、AIがどう進化していくのか予測を語っています。
 • 文章
 •  画像
 •  動画/3D/ゲーム
 •  コード
そのなかで、文章生成AIはまだビジネス的文章しか生成できず、現時点ではそのまま使うことは難しいが、下書きレベルであれば十分な文章生成ができていると評し、2023年には、科学論文など各業界に最適化された下書きレベルの文章生成が実現、2025年には、一般的な人間の文章力を超え、2030年には、プロのライターの文章力に至ると予測しています。

現在、文章生成の領域では、GPT-3を使ったライティングサービスが世界中で流行しています。記事やメールの文章ドラフト作成など幅広いシーンで活用され、広告のテキスト生成では一般的な広告運用者のパフォーマンスを上回った例もでてきているようです。

画像生成AIは、2025年にWebサイトや商品デザインが生成可能に

続いて、セコイアのレポートでは、画像生成AIについて、下記の予測が述べられています。

   2023年に、プロダクトデザイン(Webサイトや商品のデザイン)のモックアップの制作が可能になる
   2025年には、実用に耐えうるレベルのプロダクトデザインが可能になる
   2030年には、プロのデザイナーに匹敵するプロダクトデザインが可能になる

つまり、どんなWebサイトをつくりたいか、どんな商品をつくりたいかをAIに語りかけるだけで、思った通りのデザインが一瞬で手に入るような時代がくるということです。この潮流はすでに始まっていて、Microsoftは2022年9月に、文章を入力するだけでさまざまなデザインを作成できる「Designer」と呼ばれるサービスの事前登録を開始しています。

動画生成AIは、2025年にドラフトレベルの動画生成が可能に

続いて動画ですが、セコイアのレポートによると、動画は他のクリエイティブに比べ、その進化が少し遅れると予測されています。実際、2022年現在において、Diffusion Modelが採用されて一般公開まで至っている動画生成AIはなく、試作段階としてMeta社などが公開しているに留まっています。

ただし、2025年にはドラフトレベルの動画生成が可能になるほか、2030年にはかなり飛躍し、動画を含めてゲームを生成するまでにAIが進化するとも予測されています。

2025年には、テキストだけでコード生成が可能に

続いてコード生成についてのレポートですが、コード生成AIも画像生成AIと同様、2025年にはサービスを生成するまでに進化すると、セコイアは予測しています。

   2023年には、AIによる部分的なコードの生成が、さまざまなプログラミング言語で可能になる
   2025年には、テキストを入れるだけでAIがコードを生成し、ほぼ完成した状態のサービスをつくることができる
   2030年には、フルタイムで働くエンジニアを超える技術のサービスをゼロから生成することができる

また、Coatueが発表したAI 2022: The Explosionというレポートでは、2030年までに世の中のソースコードの大半をAIが生成し、エンジニアの大半もAIエンジニアになる、と予測されています。MicrosoftがすでにGPT-3を活用したコード補完サービス「Codex」をリリースするなど、AIによるコード生成技術の発展の兆しも見受けられます。

これから先のAI

Coatueのレポートでは、AIが生成する文章、画像、動画、コードなどの費用はゼロに近づいていくと予測されています。つまり、人間の創作を超える、さまざまな新しいコンテンツが、ものの数秒で無料で手に入ることを意味します。これらの予測は、Diffusion Modelが世に出てきた2022年7月以前では考えられなかった話であり、むしろこの予測の時間軸はさらに短くなるかもしれません。

これまで、AIに奪われる職業論のなかで語られていた、「AIに奪われない職業」の代表格であったクリエイティブな職業さえも、AIに奪われる兆しが見えつつある現状です。私たち人間に残される職業と、新しく生み出すべき職業は何なのか、改めて考え直す必要があるのではないでしょうか。
伊藤 新之介
株式会社デジタルレシピ 代表取締役

同志社大学生命医科学部医情報学科中退。同大学在学中に学習塾の立ち上げなどを行い、2013年株式会社ラフテックを創業。同社を株式会社ベクトルに売却後、2018年に株式会社デジタルレシピのCEOに就任。
国内で唯一のGPT-3を活用したビジネス向けライティングサービスであるAIライティングアシスタント Catchy(キャッチー)をリリース。
GPT-3を活用したマーケティングの効率化を研究中。

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