企業向けにオーダーメイドAIサービスを提供「株式会社Laboro.AI」〜IPOから読み解く、デジタルシフト #12〜
2023/8/9
多くの企業が目標の一つとして掲げ、憧れ、夢を見る言葉、「上場」。これを達成した企業は資金調達の規模が大きくなり、さらなる挑戦ができるとともに、社会的に認められたという箔が付く。何百万社とある日本企業のなかで、上場企業は約3,800社。非常に狭き門を突破した、選ばれし企業たちだ。
本記事では、デジタルシフトを実現しながら新規上場を果たした企業に焦点を当てていく。今回は、企業向けにオーダーメイドのAIサービスを開発・提供する「株式会社Laboro.AI」を取り上げる。同社は、2023年7月31日に東証グロース市場に上場した。初値は1195円で公開価格の580円を上回った。
「株式会社Laboro.AI」とは
「カスタムAI」とは、顧客となる各社の成長戦略や事業課題、産業の特徴に合わせ、AIを活用した事業変革のコンサルティングと実際のAI開発を通じて、顧客企業のAIによるイノベーションを共創する仕組みだ。例えば、小売・製造業に向けたAIカメラや、人材業界向けの「人と職業の最適なマッチング」を行うAIなどを開発しており、こうしたAIソリューションを顧客企業のニーズに合わせてさらにカスタマイズし提供している。各社に合わせたAIをオーダーメイドで開発することで、画一的なパッケージAI商品では対応できない課題も解決している。企画・構想からAIソリューションの要件定義、開発、PoC、導入、継続的な再学習・チューニングまでを一気通貫で手がけている。
Laboro.AIは、2022年9月期の売上高が約7億3,300万円で、営業損失は約5,500万円だった。2023年9月期は第2四半期累計で売上高が約6億3700万円、営業利益が約1億100万円となっている。