介護DXを推進する「エコナビスタ株式会社」 〜IPOから読み解く、デジタルシフト #11〜
2023/8/8
多くの企業が目標の一つとして掲げ、憧れ、夢を見る言葉、「上場」。これを達成した企業は資金調達の規模が大きくなり、さらなる挑戦ができるとともに、社会的に認められたという箔が付く。何百万社とある日本企業のなかで、上場企業は約3,800社。非常に狭き門を突破した、選ばれし企業たちだ。
本記事では、デジタルシフトを実現しながら新規上場を果たした企業に焦点を当てていく。今回は、介護DX事業を手がける「エコナビスタ株式会社」を取り上げる。同社は、2023年7月26日に東証グロース市場に上場した。初値は3,300円で公開価格の1,300円を上回った。
睡眠や健康状態などの見守りサービスを提供「エコナビスタ株式会社」とは
ライフリズムナビ+Dr.は、施設の居室などに複数のセンサーを設置しデータを集め、入居者の睡眠状況や活動、室温などを集約して視覚化し施設側に伝えるシステムだ。離れたところからでも入居者の状態を把握できることで、生活を妨げることなく必要なときだけ介助を行う「先回りの介護」を目指している。施設側は、PCやスマートフォンでリアルタイムに入居者全員の情報を確認できるため、業務効率化や生産性向上にもつながっているという。ある施設では導入後、3ヵ月間の総残業時間が、導入前の90.75時間から9.25時間にまで減少したとのことだ。ライフリズムナビ+Dr.の機能をシンプルにし、自宅でも利用できるようにしたのがライフリズムナビ+HOMEだ。スマートフォンアプリで別居中の高齢の家族を見守ったり、ケアマネジャーが利用者の状況を確認したりすることができる。
エコナビスタは、2022年10月期の売上高が約8億9,300万円で、営業利益は約3億200万円だった。2023年10月期は第2四半期累計で売上高が約8億2,500万円、営業利益が約4億1,700万円となっている。