DX戦略

テレワーク時代に名刺交換は必要!? 「オンライン名刺交換」とこれからの名刺のあり方をSansan社に聞く

新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークへの切り替えが進むなか、初めましてのご挨拶をオンライン上で行う機会は格段に増えました。これまで紙で行われてきた「名刺交換」はできなくなり、オンライン上ではその工程を割愛しているビジネスパーソンも多いと思います。しかし「名刺交換がないため、どの人がどの役職かがわからない。」「なんとなく、関係構築が浅くなってしまい、次につなげにくい気がする」という悩みを持つ人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな状況を改善するための一助になるかもしれないのがオンライン名刺交換サービスです。そもそもオンライン名刺交換とは何か、どんなメリットがあるのか、Sansan株式会社カスタマーサクセス部オンライン名刺エバンジェリストの川村 良太氏にお話を伺いました。

ざっくりまとめ

- オンライン名刺交換では、QRコードやURLで自分の名刺データを相手に送り、相手から名刺データを送り返してもらう。
- ビジネスのデジタル化が進み、オンライン名刺交換の需要も伸びることが予想されている。
- 名刺は「公式の情報」であり、名刺交換により「接点の証」「ネットワーク資産の積み重ね」ができる。
- オンラインだからこそ、繋がれる人が増えたり、データ活用までがスムーズに行えるようになったり、といったメリットもある。
- 今後は、他のビジネスツールと連携しよりスムーズにオンライン名刺交換が行えるようになる。

オンライン名刺交換ってどうやるの?

ーオンライン名刺交換の仕組みを教えてください。

やり方は非常にシンプルです。まずは交換したい相手に自分の名刺データのURLやQRコードを送ります。受け取った相手は、ご自身の名刺をスマホで撮影して送り返し、これで名刺交換完了になります。Sansanユーザーの場合は、新しく撮影する必要はなく、登録済みの名刺データをワンクリックで送り返すことが可能です。名刺データのURLやQRコードを、Zoomの背景画像に入れ、すぐにキャプチャーしてもらうようにするのも一つの案だと思います。
8月からは名刺アプリ「Eight」との連携も始まり、Eightユーザーであれば自分の名刺データを送れるようになります。

オンラインミーティング後に「連絡先がわからない」という事態を防ぐ

ー紙の名刺ではなく、オンライン名刺が求められるようになった背景に何があるのでしょうか。

あらゆるビジネスにおいてデジタル化が進み、デジタル環境下で業務を行う機会が増えたことがあります。例えば、ZoomやGoogle Meetsのようなテレビ電話ツールを使う会社が増えています。

特に営業の場面では劇的にオンライン化が進みました。弊社で3月に行った調査によると、新型コロナウイルス感染症の影響で商談打ち合わせの73%がオンラインになったとのことです。電話やメールへの切り替えも進み、これまでと同じような対面での営業活動を続けている会社は全体のわずか6%にすぎません。3月と比べ、この傾向はさらに強くなっています。

ビジネスのあり方が変化しているなか、オンラインでの接点にも変化が求められるようになりました。オンライン会議では、参加者の名前や連絡先が分からないような状況が起きていたのです。そこで、オフラインの時に当たり前にされていた名刺交換の役割が改めて見直されました。
オンライン名刺のQRコードが表示されたオンラインミーティング風景

オンライン名刺のQRコードが表示されたオンラインミーティング風景

名刺交換は必要なのか?

ー改めて、名刺交換の役割とはなんなのでしょうか?

大きく3つあります。

1つ目は、公式の情報を得られるということ。氏名や役職名など、所属する会社が保証をしています。ビジネスに必要な情報が最低限まとまっているところが重要なポイントです。

2つ目は、接点の証しだということ。名刺交換をした事実は、ただ連絡先を知っているだけではなく、実際に話をした相手であるということを証明してくれるのです。

3つ目は、ネットワーク資産を積み重ねられること。SansanやEightではデータとして交換した名刺の情報が蓄積され人脈が可視化されます。これは、その人のキャリアや強みなどを表す指標にもなると思っています。

「オンライン名刺交換」だからこその2つのメリット

ーオンライン名刺交換だからこそのメリットもあれば教えてください。

これまで繋がれなかった人とも、名刺交換ができるようになるのは大きなメリットです。

ビジネスの現場には、実際に会って相談をする営業担当以外にも、インサイドセールスやカスタマーサクセスなどオンライン接点が中心の部門があります。これまでもWeb会議などで話をする機会はあっても、名刺交換をする機会はありませんでした。そんな人たちの人脈情報もオンライン名刺交換により、資産としてその繋がりを蓄積できるようになりました。

また今後は、情報のデータ化から活用までの一連の流れがスムーズに行えるようになります。

例えば展示会など不特定多数の方が集まる場所で、交換した名刺にメモを取る営業の方がいらっしゃると思います。手間がかかりますし、メモの内容を思い出せなかったり、なくしてしまうと、情報は失われてしまいます。オンライン上の交換だとその場で印をつけられますし、何時何分に交換したかなどの情報が勝手に記録されるので、これまでできなかった活用も可能だと思います。

今後は、Chatwork社やマイクロソフト社、セールスフォース・ドットコムなど他社との連携を強化し、オンライン名刺交換がよりスムーズに行えるようにしたいと考えています。例えば、Chatwork上にボタンができて、それをクリックすると相手とオンライン名刺交換ができる、など、なるべく自然に名刺交換が発生するようなシステムの設計を検討しています。

名刺交換はなくならないのか?

ー名刺交換自体はなくならないのでしょうか?

なくならないと考えています。

1回お会いするだけの関係であれば名刺交換しなくても良いのですが、ビジネスの場面では一度お会いした後、再度ご連絡をしたり、数年後にビジネスにつながったりする可能性があります。データが勝手に蓄積されるなら、それを活用しない手はないと思うのです。

またこれからの時代、オンラインでの接点が増えてくると思いますので、それに伴ってオンライン名刺交換もますます増えると考えています。

ー名刺交換が頻繁に行われることで、その処理に追われ他の業務を圧迫することにはならないのでしょうか?

例えば私は、Webセミナーの参加者600名と一度にオンライン名刺交換をしたことがあります。私の場合は全員と交換しましたが、例えば事前情報と照合して、役職や職種を絞って交換することも可能です。必要に合わせて選別することができるのもオンライン名刺交換の良さなのではと思っています。

新たなビジネスマナーが生まれるかも?

ー最後に、オンラインになることで名刺交換のマナーも変わっていきそうですね。

おっしゃる通りですね。いくらオンライン上で名刺交換ができるからといって、知らず知らずのうちに交換した顔も名前も知らない相手から突然メルマガが送られてくるのには違和感があります。名刺データを送る方にも受け取る方にも、新しいマナーが必要だと思います。

我々としても、オンライン名刺交換だけではなく、これからの時代と働き方に合わせた新しいご提案をしていきたいです。
川村 良太
Sansan株式会社
カスタマーサクセス部
オンライン名刺エバンジェリスト

オンライン名刺エバンジェリストとして、ニューノーマルの働き方やビジネスの在り方を提案している。
音楽系フリーランス、クラウドソリューションの営業を経て2018年Sansan入社。新しい働き方を広く届けるため、オンラインのコミュニティ設計やセミナーを通じて情報発信を行っている。

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