リモートだからできる新しい働き方「ワーケーション」を編集部員が試してみた!
2020/10/22
近年、リモートワーク制度の普及から注目度が高まる「ワーケーション」。「ワーク(働く)」と「バケーション(休暇)」を合わせた造語で、リゾート地などに滞在しながら仕事をする新しい働き方を指す言葉です。政府もコロナ禍での観光促進を目的に、ワーケーションの普及を目指す方針を発表しました。
しかし、個人で費用を負担するとなると、長期のワーケーションは現実的には手が出しにくいものです。そんななか、企業などでも社員のワーケーションを支援する目的で、福利厚生として導入する動きが出てきています。
今回は、福利厚生サービスとして提供されているワーケーション施設を編集部のスタッフが訪れ、体験してみました。
Contents
そもそもワーケーションとは?
どこで生まれた?
アメリカでは、長期休暇を取得する文化がありますが、当然全ての人が同じタイミングで長期休暇を取得しているわけではありません。そのため、休暇中にも会社の重要なミーティングなどには参加するなど要所要所で業務を行う必要があり、バケーション中に一定量の仕事をこなすスタイルが「ワーケーション」という言葉で広まっていったようです。近年では、場所に縛られないノマドな働き方という文脈で語られることも増えてきました。
日本におけるワーケーション
リゾート地がワーケーションに最適?
コロナ渦で脚光浴びるリゾート地
以下は、別荘専門の不動産物件検索サイト「別荘リゾートネット」を運営している、株式会社リゾートノートが2020年8月に公開したデータです。
買わずに借りるバケーションレンタル
世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤー」によると、民泊の仲介サービスを提供するAirbnb(エアビーアンドビー)とエクスペディア傘下のVrbo(バーボ)では、2020年5月17日の予約件数が208万件となり、3月初旬以降の予約数では、今年最高値を記録。予約数が最も少なかった4月5日との比較では127%増だということです。5月末時点で、9月初旬の予約状況は2019年の水準に近いとも書かれており、世界的にも旅行控えがあるなかで、バケーションレンタルに需要が集中している傾向が見て取れます。
参照:https://www.phocuswire.com/airdna-booking-data-surge
バケーションレンタルの認知がそれほど高まっていない日本においても、今後需要が伸びていくことでしょう。
早速ワーケーションを体験!
東京から近いリゾート地「那須」
東京と仙台のほぼ中間に位置する観光と農林業が盛んな那須高原(那須町)は、東京から約180kmの距離。皇室の方が静養する御用邸があることから「ロイヤルリゾート那須」として知られています。
今回編集部は新幹線を利用して、現地に向かいました。
東京駅から那須塩原まで、およそ70分。
そこから、車に乗り継いで30分ほどの距離にあるのが、藤和那須リゾート株式会社が管理する那須ハイランドです。
今回は、藤和那須リゾートが「那須高原 TOWAピュアコテージ(https://www.pure-cottages.jp/)」として提供している貸別荘に宿泊しました。
ゆとりのある貸別荘
洗濯機は置いてありませんでしたが、コインランドリーが付近にありました。
ということで、早速業務を開始。PCさえあればできる作業しか抱えていなかったため、特段の不都合はありません。オンラインMTGも問題なく行えました。
ワーケーションならではのワークライフバランス
豊富なワークスペース
こちらは、レストランに併設されたカフェスペース。テラス席にもWi-fiが届いています。
休みを作ってレジャーに挑戦
木々の間を、ロープを伝って渡り歩く空中アスレチック。
なかなか体力を使います。
いずれの施設も近くにはありますが、移動には車が必要な点が注意です。
ナスコンバレー構想
参照:https://www.digitalshiftsoken.jp/lp/workation/
デジタルシフト社の鉢嶺代表取締役社長は、「リゾートライフの民主化を図るとともに、企業の経営者や従業員を那須の地に呼び込み、互いの交流を促す『ナスコンバレー構想』を推し進めたい」と話しています。
ワーケーションを軸にした新しい企業間交流や地域活性など、ワーケーションによる地方への長期滞在が一般化することで、新しい経済活動が生まれていく可能性もあるでしょう。
ワーケーション普及の可能性は
一方、個人で費用を負担するとなると長期滞在は現実的に難しくなり、いっそ貸別荘を購入してしまうほうが安いかもしれません。今回のように、場所によっては車が必要になるため宿泊費以外の費用も重なってきます。
それだけに、企業としての福利厚生として導入されるなど利用のしやすさの向上に期待です。ナスコンバレー構想のように、単に働きやすい環境があるだけでなく、ワーケーションによって新しいビジネスが生まれるような仕組みが作られていけば、ワーケーションが広まるきっかけになるのではないでしょうか。