TIS、音声対話AIを活用した「電話自動応答サービス」を提供開始 コールセンターの業務効率化と利用者の利便性向上を目指す

TISインテックグループのTIS株式会社は、音声・対話AIサービス「COET」(コエット)」のラインナップとして、音声対話AIを活用した月額課金型のクラウドサービス「電話自動応答サービス」を提供開始すると発表した。

「電話自動応答サービス」は、株式会社コムデザインのクラウド型CTI「CT-e1/SaaS」と連携させてコールセンターや企業内ヘルプデスクに導入する月額課金型のクラウドサービス。TISのチャットボットやスマートスピーカーの開発で培った自動対話や音声応答の技術を活用して、コールセンターなどの一次対応を音声対話AIに代行させることができるという。

音声対話AIが人の言葉を聞き取って、担当窓口への取次やFAQの回答を自動的に行うことで、オペレーターの1コールあたりの応対時間の短縮や、有人窓口へのコール件数削減など業務の効率化を図る。また、自動応答のみで完結できる業務では夜間や休日も電話受付が可能になるなど、利用者の利便性向上も実現するとのことだ。

<「電話自動応答サービス」による一次対応の自動化イメージ>
「電話自動応答サービス」は、連携インターフェースを持つ「CT-e1/SaaS」のコールシナリオに組み込んで利用することができ、オペレーターが行う電話応対を音声対話AIが部分的にサポートする協調型のシナリオを作成することが可能になる。

TISは、本サービスをコールセンターや企業内ヘルプデスク向けに展開していき、2021年までに200社への導入を目指す。

<「電話自動応答サービス」のシステム概要>
■背景
少子高齢化により労働人口が減少する見通しのなか、コールセンター業界では人材不足が深刻な課題となっており、限られた人的リソースで効率的な応対を行うことが求められている。

定型的な応対業務の自動化には、従来からIVR(自動音声応答装置:Interactive Voice Response)が利用されているが、プッシュトーン型のIVRでは表現できる内容が限られ、メニュー拡張すると音声ガイダンスの時間が長くなるなど、自動化の範囲を大きく広げることは困難だった。

一方で、音声対話AI技術の進歩でスマートスピーカーやロボットなど「人と会話するシステム」が多数登場し、これらの仕組みを活用して簡単なヒアリングや自動回答を行い、オペレーター業務の一部を代行するなどの新しい試みへのニーズが高まっている。

そこで、TISは、一次対応をAIで自動化することで、コールセンターでの定型業務の比率を削減し、有人で対応すべき業務への人的リソースの割り当てを可能にする「電話自動応答サービス」を提供するにいたったという。

■「電話自動応答サービス」の概要
「電話自動応答サービス」は、標準機能を低価格で利用できるマルチテナント型プランと、機能やシステム構成のカスタマイズが可能な専有環境型プランで提供。本サービスの特長は以下3つだ。

特長1:多様な自動化パターンに対応
一次対応の様々なフローの自動化対応として、以下のような音声対話シナリオを簡単な操作で作成できる。
・用件を聞いて適切な担当者に転送する
・一問一答型FAQの回答を返す
・利用者にいくつか質問をして簡単なトラブルシューティングを行う

特長2:利用者のストレス軽減
音声対話AIが人の言葉を聞き取るため、プッシュトーン型IVRで不満が出やすい「長いアナウンスを毎回聞かされる」「自分の用件がどのメニューにあたるかが分からない」といった問題点を軽減できる。また、「CT-e1/SaaS」との連携で、音声対話AIとプッシュトーンの相互切り替え、対話中の割り込みによるオペレーター転送、ボイスメール切り替えなどが行えるため、環境的に音声認識が難しい場合やFAQにない質問が出た場合でも、状況に応じた柔軟な対処が可能。

特長3: クラウドサービスとしての柔軟性
クラウドサービスのため、インターネット接続環境があれば、短期間で利用開始できる。また、回線数やコール数に応じた月額課金の価格体系により、「スモールスタートで効果を見ながら利用範囲を拡大する」「業務の繁閑に合わせて使用量を調整する」など、柔軟性の高い利用ができる。

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