顔認証技術への意識調査の結果が公表 「認知しているが利用経験なし」が約4割に

株式会社クレストは「カメラによる顔認証技術に対する意識調査」を実施し、その結果を発表した。

2019年は「顔認証元年」と言われ、顔認証による小売店舗やオフィス、ホテル、駅での「手ぶらチェックイン」「キャッシュレス」「顔パス」など、より身近な場所で幅広い分野で顔認証技術が活用されるようになった。さらにこれから先、大阪では2025年の万博までに地下鉄の改札を顔認証で通過可能にする実験が始まり、東京では2020年のオリンピックの関係者の入退場に顔認証ゲートが利用されると発表されている。

顔認証カメラによるリアル店舗の看板・ディスプレイ視聴率を測定できるサービスを提供するクレストは、2020年を迎え今後更に発展が期待されることを受け、20歳~69歳の男女500名を対象に「カメラによる顔認証技術に対する意識調査」を実施した。

■主な調査結果ダイジェスト

・顔認証技術について、「認知しているが利用経験なし」が約4割
・最も利用経験が高いものは「オフィスでの勤怠・人事管理システム(28.8%)」


カメラを使った顔認証技術(画像や映像から顔の特徴を分析して人物を識別する技術)によるサービスの利用経験については、約4割が「カメラを使った顔認証技術について聞いたことはあるが利用したことがない(39.4%)」と回答した。

一方で利用したことのあるサービスについての質問には、既に普及の進んでいる「オフィスでの勤怠・人事管理システム(28.8%)」が最多で、次いで「スマートフォン、PCへのログイン機能(16.0%)」、「出入国管理時の顔認証ゲート(15.8%)」という結果となった。
出典元:プレスリリース
・顔認証技術による新サービス、約4割が利用意向あり
・最も意向高い世代は20代(52.0%)、次いで50代(46.0%)、60代(41.0%)


カメラを使った顔認証技術の新たなサービスについては、「積極的に利用したい(11.4%)」「やや利用したい(31.4%)」と、全体の約4割が利用したいという意向があることが分かった。年代別にみると20代が約半数近く(52.0%)と利用意向が最も高く、次いで50代(46.0%)、60代(41.0%)と最も低い年代は40代(37.0%)という結果となった。

また性別にみると、男性の利用意向が高い傾向があり、「積極的に利用したい」と答えた男性(16.4%)は、女性の2.5倍(6.4%)だった。
出典元:プレスリリース
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・全体の約6割(64.8%)が顔認証技術によるサービス利用に抵抗感あり
・主な理由は「撮影行為自体に対する抵抗感」「動画の利用用途への心配」


カメラを使った顔認証技術のサービス利用に対しては、3人に1人にあたる全体の35.2%が抵抗がないと回答(「全く抵抗がない(6.8%)」「あまり抵抗がない(28.4%)」の合計)。全体の約6割(64.8%)にあたる抵抗がある理由では「目的は何であれ、無断で自分の顔や姿を撮影されることが不快だから(47.5%)」が最も多く、次いで「自分の写った画像や動画がどの様に利用されるかわからないから(45.7%)」と、抵抗を感じる主な理由撮影行為自体に対する不快感と利用用途の不明瞭さであると推測される。

また「個人情報を勝手に利用される恐れがある気がする」と答えた人は20代が最も少なく(全体29.0%に対し18.0%)、若年層が個人情報を勝手に利用されることに対する危機感は最も低いと読み取れる。20代は21.3%が「新しいサービスの利用方法に慣れるのが面倒だから」と回答し、60代が最も低い3.3%で年代が低くなるほど高くなり、若い世代のほうが新しいサービスに対して非積極的であることが分かった。
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・抵抗がない理由1位は半数近く(46.6%)で「セキュリティ面での安心感」
・自分の姿を撮影されることに対する抵抗が最も低い世代は30代(43.3%)、次いで50代(41.7%)


「抵抗がない」理由の中で最も多かった回答は、「顔認証のほうが暗証番号の流出などの悪用リスクが少なくセキュリティ面で安心できるから(46.6%)」で、顔認証技術の実用化によるセキュリティ面の向上に期待を持っている人が多いことが分かる。

また世代別にみると「生活が便利になるのであれば新しいサービスは積極的に利用していきたい」が20代(31.3%)、30代(43.3%)、50代(47.2%)で1位となり、生活の利便性につながる新サービスの導入に積極的である姿勢が垣間見える。「自分の顔や姿を撮影されることに抵抗がない」との回答も世代別では30代が最も多く43.3%が当てはまると回答しており、次いで50代(41.7%)が多いという結果となった。
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・店舗マーケティング用の顔認証カメラの認知率は25.2%

いわゆる“リテールテック”と言われる小売店舗での顔認証カメラに対する認知についての質問では「知っている」と答えた割合は25.2%(「詳しく知っている(3.2%)」「聞いたことがある(22.0%)」の合計)で、約4人に1人が認知していることが分かった。
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・店舗マーケティングでの映像・画像の活用に「不安」を感じる人、約7割(67.8%)

店舗マーケティングにおけるカメラで撮影した映像や画像の活用に対しては「不安(67.8%)」と答えた人が約7割(「とても不安である(18.8%)」「どちらかというと不安である(49.0%)」の合計)であり、新サービスが続々と出ている中で消費者の理解はまだ追いついていないことが読み取れる。

不安である理由は約半数(49.0%)が「顔や行動を撮影されること自体に抵抗がある」、次いで「いつどこで撮影されているのかわからない状態に抵抗がある(48.1%)」と、撮影されること自体への漠然とした不安や撮影目的や場所を認識出来ないことに対する不安感があることが分かる。

一方で不安ではない理由は、「映像が削除されていれば、情報の流出・悪用の心配がない」が最多(44.1%)、次いで「店舗での体験向上にデータが活用されれば自分にもメリットがある(43.5%)」、「生活が便利になってほしい(42.2%)」と、データのセキュリティ面が担保された上で便利なサービスを期待していることが伺える。
出典元:プレスリリース
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・小売店舗でのカメラを使った顔認証技術、3人に1人(31.8%)が普及に期待

スーパーやコンビニ、アパレル店舗などでの買い物において、今後カメラを使った顔認証技術が普及してほしいとの回答が31.8%に上り、約3人に1人が普及に期待していることが伺える。
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・今後活用したい顔認証サービス
・1位は「セキュリティツール」2位「無人コンビニ、無人スーパー」3位「決済」


今後活用したいと思う顔認証サービスについての質問については、「ロック解除などセキュリティツールとしての活用」が最多(35.4%)で、次いで「無人コンビニや無人スーパーなどの無人店舗の利用(34.4%)」、「顔認証による決済(31.0%)」という結果となり、店舗における顔認証技術の活用においてもセキュリティツールとしての活用が期待されていることが分かった。
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・全体の約4割(41.6%)が、顔認証技術による情報を商品購入のきっかけや参考にしたいと回答

自分の「年齢」「性別」「購買履歴」などに合わせた情報は、商品購入のきっかけや参考になるかという質問については、商品購入の参考にしたいと回答した人が全体の約4割(41.6%)に上る結果となった。また年代別にみると20代の約半数近く(52.0%)が参考にしたいと回答しており、次いで30代(43.0%)、60代(40.0%)と20代が最もリコメンド情報の利用意向が高いことが分かった。
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・買い物サービスの質向上のため提供できるデータ、約7割が「性別」「年齢」を許容と回答

買い物サービスの質向上のために、どこまで自分のデータを提供できるかの質問には、約7割が「性別(75.0%)」「年齢(69.6%)」を提供できると回答し、次いで「居住地域(38.2%)」「職業(25.2%)」が続く結果となった。また、最も抵抗がある情報は「ネット上のサイト閲覧履歴(4.6%)」「オンラインサイトでの購入履歴(6.6%)」で、オンライン上での行動履歴の開示に抵抗感がある人が多いことが伺える。さらに年代別にみると、多くの項目で年齢が上がるほど提供できる情報の許容性が高い傾向が見られることが分かった。
出典元:プレスリリース

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