資生堂、AIを活用した皮膚解析の新技術を開発。国際医療福祉大学と自治医科大学と生理学研究所と共同研究。

資生堂は国際医療福祉大学医学部形成外科学 松﨑恭一主任教授と自治医科大学、生理学研究所との共同研究により、AIを活用し、皮膚を超高精細にコンピューター上に再現して解析する『デジタル3DスキンTM』技術を開発した。これにより、コンピューター操作で、皮膚内部の超微細構造まで3次元で自在に解析することが可能となった。

■複雑な皮膚内部を理解する難しさ

皮膚の状態は見た目の印象を左右する。皮膚の状態を決める要因を解き明かすには、皮膚を内部まで詳細に観察して、理解する必要がある。しかし皮膚の内部では、コラーゲンや細胞等、様々な構造が複雑に入り組んでいるため、その立体的な形状や分布、関係性等を観察することは困難だった。

■コンピューター上に皮膚をデジタル情報として再現、自在な解析を可能に

今回、電子顕微鏡で観察した皮膚を、コンピューター上に超微細構造まで再現して解析する、デジタル3DスキンTM技術を開発した。これにより、コンピューター上で皮膚内部を、3次元で自在に解析できるようになった。例えば、皮膚の構造の分離、特定の構造の単離、周囲の構造との関係性の解析等、皮膚内部を統合的に理解するための様々なアプローチが可能となった。

■AIを活用し、膨大な皮膚の画像を解析

デジタル3DスキンTMの開発には、人工知能 (AI: Artificial intelligence)の活用が鍵となった。コンピューター上で自在に皮膚を解析するには、皮膚の多様な構造をあらかじめ分類する必要がある。しかし皮膚内部の膨大な構造を、人間の力で分類することは非常に困難だ。そこで皮膚の構造をAIに学習させ、自動的に分類する手段を確立。これにより、分類時間を大幅に軽減して、デジタル3DスキンTMを確立できたという。

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