野村総研、AI画像解析ソリューションの提供を開始 3密回避のため「マスクを着用しているか」等をAIカメラが自動認識

株式会社野村総合研究所(以下、NRI)は、オフィスにおける新型コロナ感染対策を推進するため、アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)の先端技術を活用し、個人情報の保護に配慮した安全・安心なAI画像解析ソリューション「NRI AI Camera」を開発し、顧客企業や社内での実証実験を行ってきた。今回、その成果を集約し、オフィス向け製品「NRI AI Camera for Office」を2020年7月31日より提供開始すると発表した。

NRIはこれまで、大規模データ分析や処理を通じ、顧客企業の経営課題解決を支援してきた。今回、企業にとって大きな課題のひとつである「withコロナ」「afterコロナ」でのビジネス活動再開に寄与するため、新型コロナ感染予防を目的とする本ソリューションを開発・提供する。具体的には、執務エリアや会議室等、オフィス内における3密回避のため、従業員が「マスクを着用しているか」「近接していないか」等、AIカメラが自動的に認識し、音声で注意を促す。AIカメラが撮影した画像データは、エッジコンピューティング技術によってカメラ端末側で破棄し、解析後のデータのみをクラウド側へ連携する。クラウド側ではAWSの多様なサービスを活用することで、高度なビジュアライズ・分析を可能にする。NRIは本ソリューションを会議室に導入しており、今後、全オフィスへ展開する予定だという。
出典元:プレスリリース

■個人情報の保護に配慮したAI画像解析ソリューション「NRI AI Camera for Office」

本ソリューションは、AWSのAI(人工知能)およびエッジコンピューティングのソリューション群である「Amazon SageMaker」と「AWS IoT Greengrass」を活用し、個人情報の保護に配慮した安全・安心な画像認識・分析を実現。本ソリューションの特長は、次の3点だ。

・「Amazon SageMaker」で画像認識・分析用AIモデルをエッジコンピューティング用に最適化
・最適化されたAIモデルとIoT(モノのインターネット)の実行環境である「AWS IoT Greengrass」をカメラ端末にインストールし、端末上で撮影した画像を分析
・顔等の個人情報に関連する撮影画像は、カメラ端末から外部に出力せず、個人情報を除外した分析のデータ(「性別」「年齢」等)だけを出力

このように、クラウドやサーバ上でのAI処理ではなく、端末(エッジ)に閉じた環境でAI処理を行うことが特長だ。そのため、クラウドやサーバに個人情報が蓄積されることがなく、機微情報の漏洩リスク等を最小化することができるという。また、本ソリューションはカメラ端末がWi-FiやLTE等のワイヤレスネットワークに直接接続できるため、端末の電源のみで設置が可能であり、敷設場所を選ばない点も特長のひとつだ。AIモデル等のアップデートも遠隔(リモート)から実施可能で、敷設後の維持管理はほとんどをリモートメンテナンスにより行える等、利便性にも富んでいるとのことだ。
出典元:プレスリリース

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