震度計では捉えきれない細かな地震の揺れをシェアする「精密体感震度」が提供開始

株式会社JX通信社は、運営するニュース速報アプリ「NewsDigest」で、震度計では捉えきれない細かな地域ごとの揺れの「体感」を収集・表示する、「精密体感震度」機能の提供を開始したと発表した。

■体感震度とは

体感震度とは、人の主観による震度のこと。一方で気象庁から発表される震度は、震度0〜7までの10段階の「震度階級」によって決められる。この震度階級と体感震度の”ズレ”にはいくつかの要因がある。
・震度計の設置場所があなたのいる場所から離れている
・震度計の設置場所とあなたのいる場所とで地盤の揺れやすさが違う
・あなたのいる建物が揺れやすい/揺れにくい
・あなた自身が揺れを感じやすい/感じにくい
まばらに設置してある震度計を人の体感震度で補って、より早くより正確に防災情報として役立てようというのが『NewsDigest精密体感震度』の取り組みだという。

■NewsDigest「精密体感震度」機能の利用方法

出典元:プレスリリース
・NewsDigestのアプリをダウンロードして、「通知」と「位置情報の収集」を許可する設定をする。
・地震発生時、NewsDigestアプリの画面上で、どの程度の揺れを感じたかをユーザーが震度にたとえて投稿できるボタンが表示される。

■震度計の空白を補う

気象庁などが設置する既存の震度計設置箇所(震度観測点)は全国で4300点ほどに限られている。単純に平均すると1つの基礎自治体ごとに2〜3箇所だ。震度計の設置場所が所在地から離れていたり、地盤が違ったりすることによって、発表される震度と体感震度にはズレが生じる場合がある。このように、被害状況と震度情報がズレてくると救助の初動の遅れに繋がりかねない。体感震度を報告・共有することは、震度計の空白を補う情報として活用できると言えるという。

■防災への貢献

体感震度報告を行うことは、地盤情報や住宅の耐震性などに自然と意識が向くことに繋がる。また、被害地震の救助の初動体制にも貢献できると考えているとのことだ。特に夜間に発生した大地震では翌朝に上空から調査するまで被害状況の全貌が把握できない。そのような時に震源にほど近い地域の人達から「体感震度6弱」といった報告があれば、震源直上の地域ではより大きな被害が生じていると推測することができるという。精密な位置情報と結びつけた体感震度の情報を集めることで、こうした地震被害のリスクを事前に把握し細かく対策できる可能性がある。こうした取り組みを進めることで、来る南海トラフ地震や首都直下地震などの大地震に備えた防災・減災の取り組みへの応用を目指すとのことだ。

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